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『グッドタイム・ラグタイム』からはじめるブルース生活 #2

すっかり真冬の気候になってきましたね...。
毎日がヒューバート・寒リンです。

さて、「ブルースって何から聴けばいいの?」
という問いに、独断と偏見でお答えしていくこの企画。
第1回では
・有山じゅんじ / パチンコはやめた!!
・Robert Johnson / Kind Hearted Woman Blues
の2曲を取り上げました。


第2回となる本稿では、『グッドタイム・ラグタイム』の2曲目『いつか君と暮らすのだ』を起点に、
ブルースをご紹介していきます!


『グッドタイム・ラグタイム』
よかったら聴いてねん。


2.いつか君と暮らすのだ

Aメロ部分の台詞のような歌い回しが印象的な曲ですね。まるで話し言葉のように歌う“トーキング・ブルース”と呼ばれる歌唱スタイルがありまして、そんな曲を作ってみたいなあという思いで書き上げた1曲です。

■トーキング・ブルース
フォーク・カントリーミュージックの形式の1つで、1920年代にChris Bouchillonによって編み出されたとされている。歌というよりも、おしゃべりに近い感じの歌唱スタイルです。はじめて彼の音楽を聴いた時、イントロでライブのMCをしているのかと思ったら、1曲終わってしまったという思い出があります。

という事で、今回はトーキング・ブルース(セリフ調の歌唱)に着目して深掘りしていこうと思います!


A面 「Subterranean Homesick Blues」
     Bob Dylan

今回の1曲目はボブ・ディランです!
「名前は知ってる!」という方も多いのではないでしょうか。

■Bob Dylan (1941〜 )
アコギ弾き語りのスタイルで数々の名曲を世に送り出し、フォークミュージシャンとして絶大な支持を受ける。そんな中いきなりエレキギターを持ってステージに登場し、それが音楽史に残る大事件となる。そのくらい影響力のある人物です。キャリア初期から一貫して、詩人としての評価も高く、2016年にはノーベル文学賞を受賞。日本中のハルキストをびっくり仰天させました。

さて、聞いてみた感想はいかがでしょうか〜。
タイトルこそブルースと入っていますが、ロックンロールはたまたパンクロックにも負けない疾走感がカッコいい曲ですよね〜。
「ブルースの紹介でこの曲をチョイスするのか?」というツッコミはごもっともな気もしますが、これは次の1手への布石。
ボブ・ディランもトーキング・ブルースのスタイルを継承するミュージシャンの1人であり、特にこの曲はポップ・ロックとの融合という点で傑作中の傑作だなあと思っています。ロックだけでなく、ヒップホップにも通ずるかっこよさがあると思っていて、楽曲の強さを感じますね。
みんな好きになってくれたら嬉しいなあ。
色々と紹介したい曲がありますが、趣旨がどこかへ行ってしまうのでこのへんで。

ではでは、B面(2曲目)をご紹介します。

B面 「Travelin‘ Blues」  Blind Willie Mctell

続いては、20世紀初頭にタイムスリップして
ブラインド・ウィリー・マクテルです!
戦前ブルースではしばしば「ブラインド・◯◯」という名前を見かけますが、これは盲目であることに由来しています。

■Blind Willie Mctell (1898-1959)
アメリカのブルースマン。当時としては珍しい12弦ギターを操り、ラグタイム、ボトルネックなど様々な奏法を駆使する演奏が魅力。
ブルースシンガーとしてはもちろん、ギター演奏者としての評価も高い。個人的にギターを“操る”という表現が本当にぴったりなミュージシャンだと思っています。

記事を書くにあたって、じっくり聴き直してみましたが、到底理解不能ですね。(褒め言葉)
「どーやって弾いているんだ?」
「しかも歌いながら?!」
何度聴いても、はじめて聴いた時の衝撃のまま襲い掛かってきます。
頭で考えるのはやめて、小気味良いリズムに身体をあずけてみて下さい。どこまでも吸い込まれそうな、不思議なグルーヴ感に引き込まれること間違いなしです。
まるで歌っているようなギターはアイデアに満ち溢れていて、次はどんなフレーズが出てくるんだろうと、ワクワクしながら聴いてしまうのが彼の魅力だと思います。
歌やギターのフレージングに耳が向いてしまいがちですが、やっぱり根底にあるリズム感がバケモノ級ですよね。弾き語りで生み出せるグルーヴじゃないよほんとに....。

ちなみに、A面でご紹介したボブ・ディランの楽曲の中にズバリ「Blind Willie Mctell」という曲があるのです。そしてその曲の中で、「ブラインド・ウィリー・マクテルのようにブルースを唄えるヤツはいない」と歌われています。
ディランも多大な影響を受けたこと、そして彼をもってしても遥か雲の上の存在であったことが伺えますね。こんなストーリーに出逢えるというのも、ルーツミュージックを聴く楽しみの1つだと思います。

最後に...

自分の好きな人の好きなものに触れるというのは、なかなか興味深いもので、ウルフルズからはじまった僕の音楽人生は、こんなところまで流れ着いてしまいました。
新旧行ったり来たりしながら、聴き比べるのも色んな発見があって楽しいですよ〜。

ということで、今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今回ご紹介した2曲はこちら!

・Subterranean Homesick  Blues /
 Bob Dylan
・Travelin‘ Blues / Blind Willie Mctell

次回は3曲目「かぎのうた」を起点に、魅力たっぷりなブルースナンバーを紹介していきます!

ブルースやろうぜ〜。

 わんだ




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