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【東京、シブヤ・スクランブル・スクエア:エレキシープ】

「オイ、てめえさっきからウルセェぞ、カスめが」「ア?何だお前。関係ねーから」絢爛なる大通りから脇に一本路地を曲がると、バー『コンキヨ』の前では剣呑な雰囲気が今まさに作り出されていた。

取っ組み合いになろうとしていた酔っ払い2人に、さらに剣呑な声をかけたのは、ジャンパーの下に絶縁スーツを着込んだ癖毛の青年だった。酔っ払い2人の敵意の半分づつが青年に向いた。

「うるせぇっつってンだよカスどもが。発情期か?」「ア、関係ねえだろガキ。テメエからぶっ殺されてえか?」酔っ払い2人の敵意8割づつが青年に向く。

「ヤッテミロ」そう言った青年の顔は、癇癪からくる苛立ちの表情から、歓喜に似た攻撃的笑みに変わっていた!「ザッケンナコラーッ!」敵意の100%を青年に向け殴りかかる酔っ払い!だがしかし!青年は、あろうことか迫りくるその拳に向かって頭突きを見舞った!!「オラーッ!」「グワーッ!?」ナムサン!拳が複雑骨折!!おお、この時、酔ってさえいなければ気づいたやも知れぬ、青年の放つ異常な雰囲気に。現に、ギャラリーの何人かが、幻魔が発する根源的恐怖誘発アトモスフィアを感じ、失禁していた

「ぶっ殺すっつったよな、お前」狼狽える酔っ払いの頭を鷲掴みにし吊り上げると、青年の表情はいよいよ凄惨なものとなった。そして……

「離アババババーーッ!!!!!?」酔っ払いは突如手足を広げ痙攣!!口や耳から煙が上がり、肉が焦げたような、否、肉の焼け焦げる臭いが周囲に漂う!「アバーッ!!」南無阿弥陀仏!酔っ払い超自然感電死!!

「ヒエエエエエ!!!」酔いが恐怖によって瞬間冷却され走り出すもう一人の酔っ払い!最早敵意0!!「オラーッ!」殴りかかる幻魔青年!おお、それは握り拳ではなく不穏なる狐サイン、その耳に当たる人差し指と小指の間には、スタンガンめいた超自然の電撃が渡っている!!「アババババーーーーーーッ!!!」接触酔っ払い即感電死!!惨殺!

「殺すってこうやるんぜ、わかったか?ハハハ」青年が立ち去ると、あとには通電肉隗が2つ転がっていた。ギャラリーは、放心したり、狼狽えたり、警察に通報したり、シャメをとるなどしていた。


「ドーモ、エレキシープさん」酔っ払い惨殺青年に声をかけたのは、黒の燕尾服めいたスーツを着た男。「ホーンラビットです、チョットよろしいかな?」ホーンラビットはアルカイックな笑みを浮かべ、後部ドアの空いた黒塗りの高級車を示した「何?」電撃青年、エレキシープは挨拶を返さない。失礼である。しかしホーンラビットは態度を変えず。「ボクが直接呼びに来たって事はネ?わ」「わかってますよ(メンドクセーナ)」

エレキシープは車に乗り込むと、遠慮なくタバコをふかした。「メンドクセぇ、ぜってぇメンドクセぇ」

車はしめやかに発信し「オカキたべる?」「いらねっす」高速に乗り「運転手さんもどう?チーズ味あるよ?」「恐縮です。サービスエリアでイタダキマス」北へ向かった。


魔の都、フクシマ圏へ

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