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#128 論点すり替えにご用心

そんな話だっけ?


最近、メディアの報道やSNS、ニュースサイトで切り抜き記事が増え、炎上したり議論が進まなかったりするケースをよく見かけます。実は、こうした状況はネットの世界だけでなく、僕たちの日常生活でもしばしば起こっていることだと思います。なぜ議論がうまくいかないのか、その背後にあるメカニズムと修正方法について考えてみたいと思います。
#論点ずらし

ストローマン論法(わら人形論法)


藁人形論法、またはストローマン論法は、議論の中で相手の主張を歪曲して引用し、本来の趣旨とは異なる主張に捻じ曲げて反論する論法のことです。ストローマン、かかし論法とも言われています。例えば、「子供を道路で遊ばせるのは危険だからやめた方が良い」という主張に対し、「子供を家に閉じ込めておけだなんて、ひどい意見だ」と反論するイメージです。拡大解釈して相手の主張を否定したり、会話の流れを無視して一部の意見だけを切り取って攻撃したりする話し方を指しますこのような論法を使うと、会話がかみ合わず、誤解が広がることがあります。実際の僕が体験した例を通じて説明していきたいと思います。
#案山子

事例: メニューの価格設定に関する議論


場面: 僕とSさんは、とある飲食店のメニュー変更について話しています。

僕: 「メニューの価格を見直す必要があると思う。競合他店と比較して、少し高めの価格設定ができる余地があるかもしれない。」

Sさん: 「それは顧客にとってハードルが高くなるかもしれないし、リピート率が下がるかもしれない。」

ここで、Sさんは僕の主張をストローマン論法を利用して歪曲しています。僕は価格設定の見直しを提案し、競合他店と比較してわずかに高めの価格を検討する余地があると述べました。しかし、Sさんは僕の主張を次のように変えて攻撃しています。

Sさん: 「君は顧客のことを考えていないのか?高すぎる価格でメニューを提供することで、リピート率を下げてしまうかもしれないんだよ。」

Sさんの言葉にはおかしな点があります。

それは、僕とSさんの主張が根本的に異なるからです。僕は「価格を上げるかどうか」について意見を述べています。つまり、論点は「価格」です。一方、Sさんは価格上昇の弊害である「リピート率低下」について言及しており、その論点は「リピート率」に関連しています。これは明確な論点のすり替えです。
#議論が平行線

正しい議論のために


議論の進展においてストローマン論法を回避する方法には、いくつかのアプローチがあります。


①中立的なファシリテーターの存在

討論番組や会議において、中立的なファシリテーターが論点のズレやすり替えを修正する役割を果たすことで、議論が的確に進行しやすくなります。

②前提と論点の明確化

会議などで参加者に「前提」と「論点」を明確に伝えることで、議論が的外れに進行する可能性を低くすることができます。

具体的には、①会議の「前提」と「論点」を会議資料の最初のページに記載する、②ホワイトボードなど全員が見える場所に①の内容を書く、など「前提」と「論点」を常に共有しておく工夫が必要です
#ファシリテーター

まとめ


議論の難しさを乗り越え、建設的な対話を進めるためには、相手の主張を正確に理解し、論点すり替えを回避する努力が必要です。真摯なコミュニケーションを通じて、共通の理解を築くことが、より良い解決策を見つける第一歩となると思います。
#コミュ力はこの先本当に大事になる

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