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【高知旅行記 #3(終)】やればできる


3日目(8月12日)

目指すは高原、進むは山道

本日は晴天なり!!!!
朝起きた瞬間待ちに待った光景に心躍らせた。

黒雲なき青空。快晴である。晴れがこんなに待ち遠しくなることはなかなかない。

前日の宣言通り、朝6時に起床した私はきちんと朝風呂に入り、ゆったりとご飯を食べ、8時にはチェックアウトを済ませていた。昨日とは段違いの機動力だ。

向かうは津野町にある「天狗高原」である。

二日間苦楽を共にしたインプレッサのカーナビに目的地を入力し、お世話になった宿と四万十市に別れを告げ、進むこと30分。

私は緑が生い茂る山の中にいた。

ところどころ大きめの岩が転がっている

????????

本来天狗高原までの道は幹線道路でつながっており、約80kmほどで到着できるという情報だった。
それをインプレッサのカーナビは気を使い、どんな道を通ってもいいから50kmで着く道を案内していたのだ。

車の気遣いに白目を剥きながら感謝しつつ、雨上がりで落石の危険もある道をひたすらに進んだ。

どうやら国道ではあるらしいが、山にいる間は対向車とすれ違う幅がほぼ存在せず、そもそも対向車が来ない場所を進んでいることに徐々に絶望感を覚えた。

国道の概念を覆す道、略して国道

途中舗装された道路に出て安心し、また山道に戻って戦慄するサイクルを2時間やり通し、ようやく天狗高原へ辿り着いた。

本来四万十市の市街地から天狗高原まで幹線道路を通っていくと、愛媛県との県境を越える必要があるので遠回りなのだが、高知県側からではどうしても四国山地を突っ切らなければならない。
もしこれを見て興味が出る方がいれば、遠くても幹線道路を走るように注意喚起をしておきたい。

かくして目的の天狗高原に到着した。
事前の説明書きにカルスト台地が広がっていると記載されていたため、山口県の秋吉台を想像していたが、さすがに規模は小さかった。とはいえ、いわゆる映えスポットが広い地域にあるため、写真撮影のために天狗高原のホテル駐車場から大勢の人が繰り出し、山道に果敢に挑戦していた。

雄大な山並み
カルスト台地

なかなかに美しい景色である。

なるべく人がいないところを探し、方々に駆けていった結果1時間以上滞在していた。今日は巡る場所が多いので、時間のロスなく進むことを考え途中でひき返し、山を下りていった。

幻の仁淀ブルー

高知の観光地で有名な場所上位に数えられる仁淀川。透明度の高い清流を見に人々はやってくる。

ガイドブックに載っている仁淀ブルー

この透明度の高さは、川の流れが速く水温が低いため不純物が溜まりにくく、且つ藻が生える温度ではないため実現しているという。
仁淀川ガイドの受け売りだが、透明度が高いのに青く見えるのは、「不純物の少ない透明な水は、光の波長が長い他の色を吸収してしまい、波長が短い青い光を反射するので青く見える」ということらしい。

山間部の急峻な地形、低い温度、急流。この三つが揃ってこそできる自然の神秘である。

私は高知に来た当初の目的としてよさこいと仁淀ブルーを見に来たのだが・・・

もうなんとなくお察しだろう。

台風一過の晴れ。それはつまり雨水を大量に放出する川がそこにあるということだ。

濁流ではないとはいえ、ほぼ四万十川(沈下橋)の二の舞となった。

乳白色の仁淀川

そして私は一つ勘違いをしていた。

仁淀ブルーが見られるのは、きちんと整備されている川縁ではなく「渓谷」であるということに・・・

ガイドマップに目を通し、高知の山間部にある仁淀川町にあるガイド事務所に行けば何かわかると思い、大して調べていなかったが、よくよく考えれば仁淀ブルーが紹介される際に掲示される写真は明らかに「山の中」である。

私はただ回ることに一意専心していたため失念していた。結局事務所にも辿り着けず、高知市までの道中を図らずも進める結果となった。

と、いうわけで一番の楽しみにしていた仁淀ブルーが見られなかった。

今度は天気のせいにはできない。私の勘違いが招いた事態である。

それであればせめて仁淀川だけでも見たい!!
そう思った私が向かった場所が「snow peakかわの駅 おち」という仁淀川町の隣にある越智町でキャンプメーカーのsnow peakが運営している川沿いのキャンプ場である。

そこで見た仁淀川が上記の写真で、私はこれで仁淀川を見た気になるしかなかった。

沈下橋もそうだが、今回の旅行ではとことん自然に恵まれない道中を進んでいる。 

高知競馬場

残念な結果となった仁淀川から車で走ること40分。車はついに高知市に入った。
しかし時刻は14時30分。飛行機の出発時刻が18時15分であるため、まだ時間がある。

そんなことを考えながらなんとなく桂浜の方面に向かっていた時、知っている言葉が書いてある看板が目に入った。

「競馬場」である。

個人的な話になるが、私は2021年まで特に競馬に興味関心もなく、ギャンブル自体を嫌っていた。
競馬について知っていた単語と言えば、「ハルウララ」「ディープインパクト」「武豊」くらいである。
しかし、当時の職場の先輩にスマホゲームの「ウマ娘 プリティーダービー」を勧められて始めてみたら世界が変わってしまった。どハマりしたのである。
そこからは、散財しないよう少額ながらもウマ娘繋がりでできた友人と週末競馬場を巡る日々である。

そのような経緯から競馬についてアンテナを立てるようになったため、競馬場という文字が目に入ったら反応せざるを得ない。特にハルウララを排出した高知競馬場には一度行ってみたいと思っていた。

第1レースが14時55分からであったため、少し時間が空いていた。この間の暇つぶしについて特に考えることもなかったため、海の方まで出て大きな波を見ながらぼ〜としつつ、ちょうど14時50分に競馬場に入れるように引き返した。

高知駅から離れているため駐車場が広い
ファミリーの姿も多く子供用にどでかい遊具が設置されている

そして来たる第1レース。特にこの馬に賭けようということもなかったため、レース前の馬の状態を見るパドックを見て、1,000円分の馬券を購入した。

パドック
購入した馬券

レースが始まった。私が賭けた馬は先手をとり逃げる形になった。
そのまま最後まで先頭を譲らなかったが、一頭に追い抜かされ2着になってしまった。

とはいえ買った馬券の種類が良かったため、1,000円が4,000円になって返ってきた。

旅の終わりにほくほく顔で最終目的地「桂浜」に向かうことにした。

盆の桂浜には近寄るな

ほくほく顔がげんなり顔になるまで10分もかからなかった。

高知競馬場から海岸沿いを進み、8分ほどで着いたのは車の行列。そう全て桂浜に向かう車だった。

私は2019年に一度高知に来た時、土佐電鉄の桟橋通五丁目駅で降りてバスに乗り継ぎ悠々と向かった。渋滞になど一度も引っ掛からなかった。公共交通機関を使うだけでこんなにも変わるのだろうか。

桂浜へ向かう車列はおそらく2~3kmはあっただろう。桂浜の手前1kmほどの所にある坂本龍馬記念館に向かう車も少なく、ほぼ全て桂浜の駐車場に向かう車だった。

30秒に1m進むのがやっとというくらいのスピードで、ようやく桂浜の駐車場に到着したのは、行列に出くわして30分後だった。

時刻は16時。逆算すると空港に18時までにはついていないといけないので、16時30分には桂浜を出発する必要があった。

そのため、早歩きで坂本龍馬像の前で写真を連写し、砂浜を縦横無尽に歩き回って写真を撮り、桂浜の手前にある土産物屋でお土産を買い、10分ほど余裕ができたのでソフトクリームを買って食べた。

前から見ると逆光で見辛かったため後ろから撮った。後ろからでも格好いい。
紫芋のソフトクリーム

最終目的地としてはスピード観光になったが、2019年も一度行っている所で、その時との違いを見つけるだけでもとても楽しい時間だった。

余談:今日は波が高かったためあまり海に近付けなかったのだが、少し離れていたところから見ていると、岩に打ち付ける波がどうにも東映映画の最初に出てくる映像とダブってなんとなくラッキーな気がした。ただそれだけだが意外と良いタイミングだったかもしれない。

ここの真ん中に東映という文字が出てくる

旅の終わりに大事件

16時30分に桂浜を出て進路を東にとり、高知龍馬空港の手前にあるレンタカーショップに着いたのは17時15分。隣にあるガソリンスタンドで給油と忘れ物チェックをしつつ荷物をまとめ、3日間お世話になったスバル・インプレッサに別れを告げた。この時17時30分。

ワンボックスカーに乗り込み、空港まで3分ほどの道のりを進むと、高知を離れるという実感が湧いてくるようになった。哀愁漂う時間だ。

そして空港に到着し、ワンボックスカーを運転してくれた店員にお礼を告げ、空港に入った。17時35分だ。

車を降りたところにいた吉田茂

最後忙しく観光をしていたたため、空港でチェックインをすると帰ることが惜しくなってきてしまう。

そんなことを思いながらチェックイン窓口に向かう私はとんでもないアナウンスを聞いた。

「18時発ANA〇〇便、東京羽田空港行きの保安検査場入場をまもなく締切とさせていただきます」

ふとチケットを見ると私が乗る便だ。18時発!!!???

そう私は勘違いをしていた。
「18時15分発だと思っていたが実は18時発だった」。
出発日もそうだが "きちんと旅券を見ろ"と今になって思う。

出発もてんやわんやであれば帰りもてんやわんやである。
てんやわんやしかしていないな。

ちょうど荷物を預けチェックインを終えたのが、17時48分頃。詳しい時間は聞いていないが、おそらく17時50分には保安検査場が閉まっていただろう。ギリギリだった。

走って出た汗と冷や汗にまみれながら、搭乗口までたどり着き、無事飛行機に乗ることができた。

搭乗予定の飛行機。搭乗口に入ったらビジネスクラスの搭乗が始まってた。

飛び立つ飛行機から見える高知はとても美しかった。
しかしそれよりも興味をひいたのが、座席に設置されたモニターだった。

普段LCCに乗り慣れているため、時間を潰すために本を持ち込んでいたが、ANAは座席のモニターで映画やアニメなどを観られる。

約二時間弱なので、映画も最後まで観られないし何を見ようと検索を続けていると、なんと飛行機の外側に設置されたカメラで外の様子を直に見られる機能が備わっていた。

高知から羽田空港に向かう道中私はこれをずっと見ていた。夜なので海上を飛んでいる時は真っ黒な画面が映るだけだが、陸地に入ると一面まばゆい夜景が広がっている。
また飛行機の現在地を同時に調べることもできたため、どこの夜景かということも把握できた。

とても面白い機能であるため、昼のANAにも乗ってみたくなった。これが集客のアイディアなのだろうか。

こうして旅は終わり、帰路についた。

まとめ

振り返ってみると、始終楽しんで慌てて落ち込んでと感情が忙しい旅だったが、それだけ行き当たりばったりの旅も面白いと思わせてくれるものだった。

普段旅行に行く時は友人や家族と行くことが多いが、一人旅となると全ての旅程が自分の裁量次第となる。そこに面白さを感じれば一人旅も楽しいし、話し相手がいないと面白くないと感じれば、誰かと一緒にいった方がいいのだろう。

私は一人旅も楽しいと感じたので、また様々な所へ単身乗り込んでみたいと思う。(次はきちんと搭乗時間と目的地への道を詳細に調べることは忘れず)

来月には沖縄に(きちんと用事はあるが)一人で向かうので、時間ができたら記事を書く予定だ。


ここまでご覧いただきありがとうございます。

ほぼ勢い任せで書いているため、拙い部分もあるかもしれませんが、この記事が読んでいる方々の高知旅行に一役買っていれば幸甚に存じます。

それでは、また次の記事で。

おおまかに3日間で進んだ道中

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