ヨルシカ「盗作」全曲レビュー⑩盗作
9.盗作
表題曲!音楽泥棒の盗作の起源が描かれてます。
この曲で言ってることは、一部「レプリカント」と似ている気がします。「レプリカント」では、「年老いて命を失いかけた時に、やっと本物が見えるようになる」みたいな解釈をしてましたが、「盗作」の一節はこう。
何もかも失った後に 見える夜は本当に綺麗だろうから、 本当に、本当に綺麗だろうから、
ね?似てますよねっ?盗作男の一貫した考えが窺えます。
歌詞を見る限り、盗作男の盗作の起源は、
「心に満たされない穴が開いていた。本当に綺麗なものを知って心を満たしたかった。音を聞くことは気持ちが良かった。これを自分のものにすれば、心が満たされた状態に近付く気がした。だから盗んだ」
という感じでしょうか。
音的なところでは、1番サビ後の間奏のギターで星空が浮かびました。ギターの音で星空が思い浮かぶって何事!?って感じですね。魔法のようなメロディーです。歌詞とも合わさって、この曲は星空の下を軽くスキップしているみたいな情景が浮かびます。
それから、またsuisさんが暴れています。
名作を盗んだものだからさぁ! 彼奴も馬鹿だ。こいつも馬鹿だ。
のところ、特にヤバい。嘲笑している。初聴き時、爆上がりしました。
ところで、この曲を聴いて連想したのが「学ぶ」の由来と守破離についてでした。「学ぶ」という言葉は「まねぶ」から来ていて、学ぶことは真似ることから始まるのだということ。
また、守破離は芸術の修行の過程を表す言葉で、
「守」・・・教わった型を守る。 「破」・・・自分により合った型を模索し、既存の型を破る。 「離」・・・既存の型から離れ、新たな流派を作る。
こういう感じで上達していくのだという教えです。
どちらにせよ、何かを習得する時、初めにやるのは盗むことであると。そして自分の理想、完璧に美しいと感じるものを見据えながら、自分にとって最も良いやり方、自分の作品にしかない味を模索していく。
これって、盗作男の姿勢と変わらない気がします。
結論、盗作男は盗作男ではなかった!!恐らく守破離で言うなら「破」の段階にいる求道者です。
彼がやっているのは、盗作ではなく創作だと思います。
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