ヨルシカ「盗作」全曲レビュー②音楽泥棒の自白

1.音楽泥棒の自白

1曲目。インスト曲ですね。アメリカの初期のラジオショーの始まりみたいな導入から、ノイズ、suisさんのハミング、ガラスの割れる音など、アルバムの世界観を作るような音たちが、n-bunaさん曰く「コラージュ的に」顔を出します。奥で鳴っている、何かが燃えているようなノイズが不穏な感じですよね。

ここでのsuisさんのハミングですが、「春ひさぎ」「花人局」「逃亡」「夜行」でも似たような旋律(?)のハミングが入ってます。アルバム内に散りばめられた共通の要素という感じですかね。「カトレア」と「あの夏に咲け」の

「おっおーおおー」

を彷彿とさせます。

それらコラージュの素材となる音たちが、ピアノで紡がれるベートーヴェンの「月光」にn-bunaさん曰く「収束していく」と。クラシックには全然詳しくないのですが、それでも初聴き時「あっこれ知ってる!月光だ!」となってテンション上がっておりました。

月光は本当にヨルシカでよく見かけるモチーフです。「だから僕は音楽を辞めた」の英題も "Moonlight" でしたし、確かロゴの由来も、半月か三日月かを2個向かい合わせにしたイメージだった気が・・・。

この曲、最初に公開された予告映像みたいな動画で使われていたやつですよね。あのトレーラーのイメージに引っ張られているのかもしれませんが、怪しい地下の書庫へと降りていくような雰囲気を感じます。禁じられた書棚へ向かうというか。

ひょっとしたら、この音楽泥棒は盗作の罪で咎められ、彼の生い立ちを語った手記は、地下に封印された "禁書" 扱いになっているのかもしれません・・・

#ヨルシカ_盗作レビュー

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