ヨルシカ「盗作」全曲レビュー③昼鳶

2.昼鳶

言うまでもなく、suisさんの舌打ちが最高な一曲

ラジカセのボタンを押す音から始まって、suisさんの舌打ちで終わる。

もうイントロからカッコいいですよね!特設サイトのインタビューを見ると、あの低音はスラップギターというやつを使っているらしいです。アコギのキュッ!て音がするやつかな?ボーカルも低音。今回のアルバムで確定しましたが、suisさんの低音は耳が妊娠するやつですね。(もっと!もっと聴かせてくんろ!)

サビ前、高らかに鳴るギターがトンビの鳴き声を連想させます。「負け犬にアンコールはいらない」のイントロでも、犬の遠吠えっぽいサウンドが入ってましたね。「昼鳶」の方は意識していたのかどうか分かりませんが、こういう遊び心(?)的なの素敵です。またやってほしい。

歌詞で「お」となったのは2番。

夜景、ダイヤの光、笑みで住宅街を見下し               素晴らしきその暮らし                        さぁ幸せはお幾らばかり?

六本木ヒルズの上層階にいるみたいな感じがしますね。ヨルシカでこういうセレブなギラギラとした景色が描かれるのは珍しい気がします。「夜景ダイヤ笑み」と来て咄嗟にドレスの女が浮かびましたが、盗作男が自分でダイヤの指輪とかを嵌めているという可能性も・・・何にせよ、売れっ子の彼は金持ちなんですね。

それなのに歌詞の他の部分では「妬ましい」「心全部満たしたい」「ただやるせない」「渇き」「ただ何も無いから僕は欲しい」と、ちっとも満たされていないのが分かります。

「盗作によって『売れる』曲を作り続け、築き上げた暮らしは、経済的には充分なのに心が虚しかった。幸せだって金で買わせてくれよ!ああやるせない、やるせない」

そんな音楽泥棒の嘆きが、歌に投げつけられているようです。何だか泥沼にはまっている感じですね。

次の曲は、その泥にもっと深く足を取られています。

#ヨルシカ_盗作レビュー

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