ヨルシカ「盗作」全曲レビュー⑥青年期、空き巣

5.青年期、空き巣

今回のアルバムのインスト曲の中で一番好きです!

「爆弾魔」は昼下がりくらいのイメージなので、この曲は昼下がりの更に少し夕方寄りといった感じでしょうか。冒頭にカラスの鳴き声のようなものが入っていますし。

印象深いのは、ラジオのお知らせ音声みたいなフレーズですよね。

This is the end of side 1 of this record.                Please now turn it over for the second side.

と言ってるみたいです。「ここでレコードの片面は終わりになります。裏面を聴くにはひっくり返して下さい」くらいの意味なので、アルバムの区切れがここに設定されているようです。音楽泥棒の内心的にも、それを表す曲調的にも、ちょっと落ち着きを取り戻した感じがします。

余談ですが、ヨルシカの歌詞で英語って殆ど見ないですよね。n-bunaさんのボカロの曲を合わせても、咄嗟に思いついたの「白ゆき」の "snow white" ぐらいだった・・・探せばもっとあるんでしょうか?

n-bunaさんはいつも仰ってますが、俳句とか短歌とか、日本の文学がお好きなようなので、日本語での表現をいくらやってもまだまだしたりないのかもしれません。極めて極めた結果があの綺麗な歌詞なんですねぇ。

そういう表現行為の積み重ねというか、成果みたいなものを公開して、下界の人々にも聴ける状態にしてくれているというのが、有難い限りです。「リスナーのために書いてるわけじゃない」と言われていますが、一方的に感謝します(笑)。

だって、作品を作ってもそれを自分の手元にだけ置いて、独り占めすることだってできるじゃないですか。n-bunaさんがそうしないで、書いた曲を発表してくれることで、全然知らないところのどっかの個人が、心を動かされたり、小さいことでも世界の見方が変わったり、楽しみが生まれたりするわけです。幸せが増えるわけです。

それは凄いことで、だから作り手がどんな意識で供給したのかとかに関係なく、幸せの種みたいなパワーを持った作品を生み出して、発表していること自体が有難いことだと思います。福をばら撒いてくれてるわけですから。もう七福神やってるようなもんですよ。

曲と全然関係ねーなこのレビュー!

#ヨルシカ_盗作レビュー

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