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二○二一年 六月二四日

 午前七時十五分。
本格的に目を覚ます。いつものように、ラジコで「おはようパーソナリティー道上洋三です」を聴く。昨夜はタイガースが負けたため、リスナーさんのグチに応える。
今シーズンからの「にわか」タイガースファンと言われても仕方がないぼくだけに、あまり偉そうなことは書けないけれど、矢野さんの個性を活かそうとするスタイルが共感できるから、目先にとらわれずに選手を信頼して、思い通りに采配を振るってほしい。
ほぼ、道上さんと同じ意見。
ついでに、今日の天気を確かめる。

 七時三十分。
泊まりのヘルパーさんから、朝のヘルパーさんへバトンタッチ。
あまり食欲がなかったので、服薬のために朝食をすこしだけお願いする。
さすが敏腕ヘルパーさん。ひと口大ののり巻きおにぎりの中に、ヒノナのお漬物や佃煮を一つひとつの具材にして入れてくれていた。残りもののタマネギとうすあげのお味噌汁ともども、食欲がないと言いながら美味しくいただいた。
 八時前。
夕食づくりなどの担当のヘルパーさん登場。
夕食の献立の打ち合わせとワクチンの接種の情報をやり取りする。
長時間、車いすに乗ることがむずかしいので、往診してもらえるお医者さんを探したいけれど、そうなると、見つかったとしても「かかりつけ」ではなくなるからハードルが高そう。
ヘルパーさん二人がかりで、寝返りをさせてもらって抱きまくらの「コータロー」を胸に、お昼のヘルパーさんが来るまでひと眠り。
 十時。
お昼のヘルパーさん登場。
彼は障害者の人たちにも、家族さんたちにも引っ張りだこで、わが家を訪れるのはなんと半年ぶり。
彼もnoteへ投稿しているので、おたがいに盛りあがる。
(ただいま、入力してもらっているヘルパーさんに伝えにくいので、舐めていた紅茶キャンディーをガリガリと噛みくだく。まったく、本意ではない)
 十時三十分。
訪問入浴の人たち(三人)がにぎやかに登場。
時間通りなのに、「遅くなりました」とあいさつ。不意をつかれて、笑顔で返す。言葉にこまれば、笑顔が一番。
あいかわらず、誠実で、元気そのもの。
三人とも二十代~三十代前半なので、息子や娘のようでかわいい。
正直に伝えると、うれしそうだった。
お風呂の間に、ヘルパーGくんにワクチンの接種の予約の件で、かかりつけの医院に連絡をお願いする。
応えは「六十四歳以下の人は集団接種へ回ってほしい」とのこと。
往診どころではなかった。
 「う~ん」、こまった。
 十一時ごろ。
RBCラジオ、ミュージックシャワーに二人で耳を傾ける。
明るくて、自由な空気に「うちの事務所もこんな雰囲気になったらいいけどなぁ」と、Gくんは感慨深そうだった。
 十二時。
昼食を済ます。話好きの二人なのに、例のウイルスの影響で静かに終わる。
 十二時三十分過ぎ。
Gくんは昼食を買いに。いつものように、ひとりになると居眠りに入る。
目が覚めると、Gくんが帰ってきていた。
 十四時。
彼の食事が終わって、トイレをお願いしたあと、ヘルパーや作業所関係の更新手続きの書類を持って、障害福祉センターへ。
片道三十分ほど、他愛ない会話をくり返しながら目的地へ向かう。
ぼくの地区担当さんはいい人で、ボケはじめているおじさんに対して、「こちらが間違っていたら、ご迷惑かけてしまうかもしれませんが…」と何度もくり返してくれたので、「恐縮です」と応えたら、「それ、どういうことですか?」と大きな目を見開いて訊ねてくれたから、「それほど、深い意味はないですよ」と、部屋を出て行った。
 十五時。
センターを出て、ぼくは行き先を告げずに自宅とは逆方向へ走った。
当たり前のようについてきたGくんに「不自然だと思わないのか?」と訊ねると、「いつものことですやん」と何でもないようす。
そのまま十分ほど先にある和菓子屋さんへ。
十日に一回ほどは通っているけれど、久々にご主人が顔を出されたので、ここでも世間話。
定番の大阪万博まで「がんばりましょなぁ」の合言葉で別れる。
阪急宝塚線服部天神駅近くの「由喜」は、これからの季節になくてはならない「コーヒーわらび餅」が絶品の和菓子屋だ。
その弾力とコーヒーの風味は、ついついリピートしたくなってしまう。
さらに、デコポン餅は爽やかさの伴う一品だ。
ここで折り返して、国道沿いを豊南市場へ。
すこし値はするけれど、日の出食品の肉はコスパが高い。
店の青年に、前回購入の「てっちゃん」の感想を伝えて、牛の切り落としを買いもとめる。
いつもここでお話するように、「旨かった」ものは「旨かった」と伝えることで、おたがいの信頼関係が生まれる。
日々の暮らしにつながることではないだろうか。
豊南市場に戻って、ええとこ豆腐で「木綿」を一丁。めずらしく「かあちゃん」は留守で、とうちゃんに声をかける。
ほかのお客さんはいなかったので、ぼくだけの特別価格で買いもとめる。
ええとこ豆腐の名物の濃縮豆乳を使って鍋をしてみたいと話すと、「絶対に白菜がええで」とのこと。冬のお楽しみに待つことにした。
ちなみに、明日のヘルパーさんにお願いして、牛肉の切り落としはピーマンとチンジャオロースに、木綿豆腐はニンジンやほうれん草と白和えにしてもらう予定だ。
事情があって、敏腕の美食家ヘルパーさんが夕食づくりを手がけるのは、明日が最後になる。
ぼくの心をこめたリクエストに応えていただく。
 十六時前。
Gくんと歩きながら、働くことについて語りあう。
ぼくはまわりのみなさんに袋叩きにされそうなことを口走っていたので、長くなることもあって、ここでは省略。
銀行へ立ち寄り、通帳の残高確認をする。
ぼくにはこだわりがあって、下三桁を○○○で揃えたい。
下一桁まで数字が並んでいたので、四桁まで引き出すことにした。
暗証番号を伝えて、引き出しを終えたと思った。
ところが、「マスク越しアルアル」で聴き間違えが生じて、五桁の金額がぼくの目の前に出現した。
Gくんが「入金しましょか?」と言ってくれたけど、五桁目が浅い数字だったので、そのままお財布へ。
 十六時三十分。
大便のときの流せるおしりふきとトイレットペーパーを買い忘れていることに気づきながら、泊まりのヘルパーさんにお願いすることにして、心の中で解決。
 十七時。
ふたたび、noteへ戻る。
人気クリエーターの投稿を読んでみる。
話の展開や内容は後塵を拝するけれど、テクはそれほど変わらないことにすこし驚く。
 十八時。
泊まりのヘルパーさん登場。
夕食のあと、流せるおしりふきを買いに行ってもらうのは憶えていたけれど、トイレットペーパーを忘れていた。
あと二ロールある。
訪問入浴のスタッフにスクランブルのスケジュールを入れてもらった。
ところが、リハビリの時間と重なっていることに気づく。
明朝、電話を忘れずに。
 二十一時。
行政関係の仕事を請け負っていて、資料に目を通す。
ヘルパーSくんには、ストレッチとほぐしをしたあとに、時間があったらチャッチャッと短いヤツをnoteへ書いて寝るかもしれない。チャッチャッと書けそうならと念押しをして、一段落した。
一時間ほどで書き終える予定だった。

 ただいま、午前二時。
えらい時間になった。
面と向かって謝れないので、こうやってぼくはモニターを見ながら、「Sくん、ほんとうにごめんなさい。ほんとうにありがとう」と記して、カーソルを休ませることにしよう。

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