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車いすからベッドへの旅

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毎日、天井を見つめている。ベッドで横になっていると、ぼくの六畳の部屋半分と、ヘルパーさんが仮眠する隣の四畳半三分の一ほどしか視界には入らない。 かぎりなく狭い世界の中で、なにを考…
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#モジモジ障害者

時間の奥行き

 何日ぶりだろうか。 毎日のように投稿をつづけていたのに、サポーター(ヘルパー)さんに入…

アルコール物語

 ブーが残念がって、ぼくのアタマをポンと叩いた。 「せっかく、ぼくはやっさんがいちばんに…

しかたがない

 なんとネガティブなタイトルだろう。 我ながら、書き進めたくなくなりそうになった。 おたが…

約束

 晩春の夕闇の中で、風と光の濃淡を織りまぜながら、枝いっぱいに薄紫の花房をわさわさと揺ら…

ことば

 最高の一日だった。  自分を確かめられた一日だった。  考えさせられる一日でもあった。 …

影と陰

 天井を正面に置いて、仰向きになっていた。 夕食のあとにうたた寝をしていて、「いま」へ意…

もし…

 サポーター(ヘルパー)さんが食器を洗いに行った途端、鼻の脇が痒くななることがある。呼び戻すのをためらってしまう。  文章をつくっているとき、入力してもらっているサポーターさんに正確に言葉を伝えようとして、硬直で体の位置が変わって、顔の前のタブレットが見えにくくなる。ほんのすこしだと「まぁいいか…」と、そのままつづける。やけに疲れる。  シビンをはずしてパンツを上げてもらってから、しばらくしてチョロチョロと濡れてしまうことがある。なにも言わないで、ガマンするときがある。  

しなやかに、ゆるやかに

 ある日、友だちと話していた。何気ない世間話だった。 「友部さん(尊敬するミュージシャン…

背景

 最近になって、いよいよ気持ちの浮き沈みが激しくなり、日常の会話の行き違い(マスク越しな…

日記

 午後三時、ひとりの時間を過ごせるように、気兼ねなく読書ができるように、ネット環境の課題…

ルーツ

 昨日、念願のパソコンを操作するための手のひらスイッチをはじめとした主な部品が揃った。 …

喜怒哀楽

 午前中、いつものように作業所へ顔を出した。 先週、ネットで注文した白いトレーナーに初め…

うれしかったこと

 訪問入浴で湯船に浸かっていた。 浴槽の左側にはスタッフのAさんがいて、左の上半身を洗い終…

一人ひとり

 昨日、すぐご近所の八百屋へ出かけた。 予定では市場へ寄って、作業所へも顔を出すつもりだった。  八百屋の前は、電動車いすとお年寄りの手押し車がすれ違えないほどの幅しかなくて、しかも車道との段差は十センチ以上の高さがある。さらに、お隣りのはみ出し看板が歩道の半分ほどを陣取っているから、東側からは近づいて行けない。  いつもは、八百屋の西側の歩道の段差が低くなったところから上がるようにしていた。  だけど、昨日はその場所に車が乗り上げて停めてあったので、どうしようもなかった。