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木蓮の花開くころ

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ここでは、かっこよくない障害者のぼくの半生を語ります。そこで出逢った友人はかけがえのない財産です。
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2021年6月の記事一覧

流れる映像の記憶

 幼いころの記憶には、切り取られた写真のようにまったく動かないものと、その情景が見事なま…

まちを歩く

 梅田や難波の雑踏を歩くようになったころ、最初に思いついたテクニックがあった。  ぼくの…

教室にて

 隣の席のK子が、ぼくの肩をポンポンとたたいた。ハッとして顔を上げると、M先生が目の前に立…

がんばるということ

 Yさんと出逢うまで、せわしなく動きまわる人をみると、「そんなにがんばらんでも、ゆっくり…

いつもと同じように

 ちょうど大阪でひとり暮らしをはじめて、一週間目の夜だった。 その日、わが家の泊まりは、…

八百円の記憶

  五歳のころだっただろうか。  あの時期、ぼくはおふくろを「おかあちゃん」と呼んでいた…