わたげ

窓から見えた先に
きっと君が住む街がある
真っ直ぐに今を生きる君が
僕の目には映ってる

立木の枝に一羽
ムクドリがそっと佇んでは
無邪気に跳ねまわるその姿を見て
君のことを重ねているよ

舞いあがる
綿毛になって君の元まで行こう
唐紅の君の心の臓に
そっとその芽を宿すから

もう何も
心配なんてしなくてもいいから
湧き出したその恐怖も
僕が吸い取って花を咲かそう


窓から見えた先に
分厚い雲が佇んでる
部屋の隅で涙を流す君が
僕の目には映ってる

この声が届くなら
枯れ果てても叫んでやるさ
でも君がその耳を塞ぐなら
僕は目を閉じて旅に出るから

舞い上がる
わたげに乗って君の元まで行こう
唐紅の君の心の臓に
僕のこの目を宿すから

もう何も
嫌な物なんて見なくていいから
例え君が見たどんな恐怖も
僕が一緒に涙にして流そう

舞い上がる
わたげになって君の元まで行こう
唐紅の君の心の臓に
そっとこの芽を宿すから

もう何も
心配なんてしなくてもいいから
湧き出したその恐怖も
僕が吸い取って花を咲かそう

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