少年

小さな少年はヒーローになりたがった
誰かを守るための強さが欲しかった
夢中して真似たヒーローの戦い方は
誰かを傷つけてしまうことも知った

大人になったら
忘れてしまうだろう
鮮やかだった世界はやがては白黒に

大人になったら
どうなっちゃうのだろう
夢を見るなど狂おしいと自分に言い聞かせて

誰かのいいなり誰かの思うままに
他人の庭で過ごすのは嫌だよ
無限の世界を思い浮かべたら
羽ばたいていたいな
この広い大空を

大きな少年は必死で何かを叫んでいた
ちっぽけな自分のその声を呪いながら

はっきりと見えた将来への道筋さえも
時の流れと共に霞がかっていく

大人になったら呆れてしまうだろう
伝えたいことその全てをわがままに思うから
大人になったら諦めてしまうだろう
守る義理もない しがらみに守られるために

誰かのいいなり誰かの思うままに
他人の庭で生きるのは嫌だよ
無限の世界を思い浮かべたら
飛び込んでみたいな
羽ばたいていたいな

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