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【松本翔・生出峻】いきなり歌い始めるのは危険!バンド練の最初にやったほうがいいことリスト (後編)

こんにちは!12期の松本です。

今回は、約1ヶ月前に書いた記事の続きを書いていきたいと思います!
前回の記事の内容忘れちゃったよ!って人は、そっちを読んでからの方が多分分かりやすいです。

前回の記事は↓↓↓こちら↓↓↓


はじめに


前回の記事では、まずバンド練の時間配分についての話を書き、そのあと基礎練習のうち「発声練習」について書きました。

今日の記事では、残る「ハーモニー練習」「リズム練習」について書いていきます!

なお、リズムに関しては僕の知識不足がとくに顕著なので、アカスピベストパーカスノミネートの生出くんに協力を仰ぎました。これでみんなも #オイデチャレンジ ができるようになるかも、、、?

何はともあれ、生出ありがとう。

松本1

それでは、具体的に見ていきましょう。

ハーモニー(1) ハーモニー練の意義


まずはじめに、バンド練の最初にハーモニー練習を行うことによって得られる効果を考察していきます。

……と聞くと飛ばしたくなるかもしれませんが、バンド練をするにあたってその練習方法にどんな意味があり、どんな効果をもたらすのか、を考えることはめっちゃ大事なので、ぜひ飛ばさず読んでみてください!

ハーモニー練習の効果は、

① 個人個人の相対音感をつける
② バンドメンバーの音感を揃えていく

の2つであると考えます。

<①について・・・>
ハーモニー練習は、曲の中でも多く登場するような、非常に基本的な音階や和音進行を利用して行います。(詳細は後述)
そのため、基本的なハーモニー練習を日々行うことで、早くかつ正確に音取りができるようになっていきます。
①についてだけであれば、個人での練習でも相応の効果を得ることができます。

<②について・・・>
音感がある人が3人集まってコーラスをすればハモるわけではありません。
「音感がある」といっても、それぞれのピッチの取り方には癖がありますし、仮にその癖が取れたとしても、ピアノの鍵盤が出す音を正確に出していればハモるわけではありません。
コーラス・ベースがいかに聴きあってハーモニーを作っていけるか、がカギとなります。それは曲を通して練習するのももちろん大事ですが、曲よりも単純化されたハーモニー練習という形で行うことで、ハモりの精度を高めることに特化した練習ができます。


ハーモニー(2) 「相対音感」を2つに分けてみる


さて、ハーモニー練習の具体的な方法について話を進めたいのですが、その前にもう一つだけ。練習方法を説明するときにより分かりやすくなると思うので、お付き合いくださいm(__)m

突然ですが、「相対音感」というものを2つに分類してみましょう。
(※専門的にそういう分類があるわけではなく、僕が勝手に分類してます)

ここでは、それぞれ「縦の相対音感」・「横の相対音感」と名付けさせていただきます。
この縦・横というのは、楽譜における方向のことだと思っていただけると分かりやすいかと思います。


〇「縦の相対音感」…… 
自分の出している音と、同時に鳴っている他パートの音とを聴き比べてハモる相対音感。”和音”に対する相対音感ともいえる。

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〇「横の相対音感」……
自分が今出している音と、次に自分が出す音との間隔を正確に感じられる相対音感。”メロディ”に対する相対音感ともいえる。

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そして大事なのは、リード、コーラス、ベースが全員この2種類の相対音感をどちらも鍛えていくことです!(パーカスのみんなハブってごめん)

それでは、この「縦の相対音感」・「横の相対音感」の分類に沿って、練習方法を紹介していきたいと思います!


ハーモニー(3) "縦の相対音感"を鍛える「カデンツ」


おそらく多くの人がハーモニー練習と聞いて真っ先に思い浮かべるのが「カデンツ」だと思います。1年生でもなんとなく聞いたことはあるんじゃないでしょうか。

カデンツとは、最も単純な和音進行の形でハーモニー練習を行い、曲を演奏する上での基礎となるハーモニーの精度を高めていくための練習です。

一般的にアカペラの練習では

Ⅰ → Ⅳ → Ⅰ → Ⅴ → Ⅰ

の和音進行で行われます。(何言ってるか分からなくても大丈夫です)
Topと2ndが女子の混声バンドの場合だと、

Top: ソ → ラ  → ソ → ソ → ソ
2nd: ミ → ファ → ミ → レ → ミ
3rd: ド → ド  → ド → シ → ド
Bass: ド → ファ → ソ → ソ → ド

といった音で行われることが多いです。
カデンツをやることによって得られる効果は色々ありますが、カデンツの一番の強みは「音が単純で簡単」なことです。先ほどハーモニー練習の効果について書いた箇所で、

「曲よりも単純化されたハーモニー練習という形で行うことで、ハモりの精度を高めることに特化した練習ができます。」

と書きました。
いきなり曲を使ってハーモニーの練習をすると、いわゆる7thや9thなどの”おしゃれ和音”が登場してしまい、難しい音を取ることに心的資源が割かれてしまいます。

一方で、簡単な和音のみから成り立っているカデンツを使うことで、心的資源を「ハモる」ことに注ぎ込めるのです。

そして、簡単な和音から成り立っているカデンツは、さまざまな形に応用することができます。例えば母音を変えてみたり、ピアニッシモでやってみたり、キーを変えてやってみたり、などなど、バンドの課題や伸ばしたい点に合わせて、いろいろな活用方法があります!

WALKMENの人は「ma」スキャットで、特に音量も気にせず一回歌って終わり、なことが多いですが、ぜひいろんなやり方でやってみるといいと思います!

ハーモニー(4) "横の相対音感"を鍛える「音階練習」


(※音階練習については、前回の記事の発声練習の項目でも書きましたので、そちらも参考にしていただければと思います。)

音階練習は、発声練習の意図を持って行われることが多いですが、2度や3度のような音程感覚が身に付くため、ハーモニー練習としての効果も期待できます。音階練習は多岐にわたるのですが、

「ドレド」 : 2度
「ドミド」 : 3度
「ドファド」: 4度
「ドソド」 : 5度
「ドラド」 : 6度
「ドシド」 : 7度
「ドドド」 : 8度(真ん中のドだけオクターブ上)

これらが最も基本的な形です。2度~8度全部やるのが理想ですが、度数が少ない(音の幅が狭い)方が優先度が高いです。理由は単純に、アカペラの譜面では音の幅が狭いほど登場頻度が高いためです。

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また、音階練習をバンド練でやる大きなメリットとして「ユニゾンの練習になる」というものがあります。

ユニゾンの練習は、ハモる部分の練習に比べて軽視されがちな気がしますが、実はハモるよりユニゾンの方が難しかったりします。というのも、みんなが同じ音を歌っているので、少しでもピッチにズレがあるとすぐにバレてしまうのです。

音階練習の時から、「しっかりとユニゾンできているか」に気を配って歌うことで、曲中のユニゾンの精度も上がっていくのでおすすめです。


ハーモニー(5) まとめ的なサムシング


ここまで長ったらしい話をしてしまいましたが、超簡潔にまとめると

「縦の相対音感」→ カデンツ
「横の相対音感」→ 音階練習

という感じです。

それでは、リズム編に移ります。

リズム(1) リズム練でやった方がいいこと


発声練習、ハーモニー練習ととても多くの練習方法を書いてきましたが、僕からリズム練としておすすめするのは以下の2つです。(少ないねやったね)

・曲の練習の時にフィンガースナップをする(2,4拍目)
・「インターロック」というエクササイズ

フィンガースナップに関しては、とくに説明も必要ないかと思いますので、リズム練習に関してはインターロックの説明のみとなります!

ただ申し訳ないことに、僕はリズムやインターロックについて全然詳しくないので、ここからは生出に執筆を依頼しました。

リズム(2) インターロックについて


インターロックとは、ファンクダンス上達のために作られた基礎練習です。ダンサーのためのメニューなのですが、これは体でリズムを取るためには非常に有効なことでも有名です。
しかも、見た目で自分の感じているリズムが伝わります。その上、かっこいい。
リズム感のない人は是非試してみてください。

【方法】
インターロックの基本は、ある特定の部位だけ動かすこと。これをアイソレーションと言います。
慣れていない人は、以下の二つだけやればいいと思います。

・首(前後左右)
大切なのは『首以外動かさない』という点です。絶対に動かさないことを徹底して練習してみてください。また、動かす際に顔の向きが変わらないようにするといいでしょう。

・胸(前後→出来たら左右)
また、動かす際に胸以外の向きが変わらないように。


また、アイソレーションではないのですが、かかとの運動も是非やりましょう。テンポ感が安定します。

・かかと(2分間)
これは、耐久レースです。曲に合わせて、8分でトントンするだけ。


最後に


今回もしっかり長くなってしまいました。読んでくれた皆さんありがとうございました!
前編・後編の2本に分けて基礎練習の方法について説明してきましたが、ぜひ1つでもバンド練に取り入れていただけたら、上達の助けになるのではないかと思います!

しかし、こんな記事を書いといて言うのも難ですが、基礎練習にばかり囚われることはおすすめできません。

結局のところ、バンドでステージに立った時に披露するのは曲の演奏ですから、あくまで「曲の演奏クオリティを高める手段」として基礎練習を行いましょう。基礎練習をやることに執着しすぎて暗譜ができてないとかなったら、本末転倒ですから、しっかり曲の練習もしていきましょう!!

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