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アルゼンチンのお金の話

今回はアルゼンチンのお金の話をしたいと思います。現在、アルゼンチンはハイパーインフレの真っただ中にいます。2023年9月の物価上昇率は去年の9月の138.3%でした。

簡単にいうと物価上昇率が1年間で100%だと、1000円で買えていたものが1年後は2000円になるということです。つまり、それ以上だということです。

私が赴任した4月からも常に物の値段は上がり続けています。今回はこちらにきてびっくりした日本とは違うお金事情を3つお伝えします。


①まだまだ現金が主流

私が4月に日本を出国する前、ほぼほぼ現金は持ち歩いてはいませんでした。だいたい、カードかpay payで日頃の買い物を済ませていました。そっちの方がポイントがついてお得だったので、現金で払うときは少し損した気分になった記憶があります。

また、pay payの送金機能を使って子どもが親からお小遣いをもらうということを聞いたこともありました。

日本も韓国や中国などからすれば、キャッシュレス化は少し遅れていたかもしれませんが、確実にキャッシュレス社会になっていっているという実感がありました。

ちなみに南米でもアルゼンチンの隣国のチリに行くと、ほぼどこでもカードで買い物ができました。

しかし!!

アルゼンチンはまだまだ現金が使われている(現金優位な?)社会だと感じます。もちろん、クレジットやデイビット、mercado pagoというQR決済もあります。

ただ、現金で払うと10%オフみたいなお店が結構あり、また、現金の方が交換レートがよくて、確実に現金で払った方がお得になっているのです。だから私はいつもできるだけ現金で支払いをしています。

②支払で数える大変さ

さて、ここで問題になってくるのは、支払い時の大変さです。

上の画像は何人かで食事に行った際のお会計の時のものです。

アルゼンチンのお札で一番額が大きいのは2,000ペソ。2,000ペソはあまり出回っておらず、一番使うのは1,000ペソです。これがだいたい最近のレートでざっくり1,000ペソ=150円くらいの計算です。

例えば、何人かで集まって、15000円分くらい食事をすると、100,000ペソ払うので、1000ペソ札を100枚数えないといけない計算になります。

食事後に札を数えるということが習慣となっています。数えすぎて親指の付け根の筋肉が痛くなることもしばしばです。また、外食や買い物に行くときには札を何枚も持って行かないといけないので、財布がパンパンになります。もはや財布に入れずに、かばんに入れることもしばしばです。


③お会計は超ざっくり

アルゼンチンでは、外食するとサービス料として食事代の10%分をチップで上乗せします。例えば、10,000ペソ分食べれば、11,000ペソ払うといった感じです。

これが超ざっくりしています。

まず、食べた席で「お会計お願いします」というと、金額の書かれた紙が渡されます。そこにチップ代をざっくり乗せて、払います。

店員も数えはするものの、明らかに少なく払っていない限り、そのまま預かります。そこからお釣りを受け取ることはまぁありません。

それでお会計終了です。

スーパーなんかでもざっくりしていて、数ペソ単位のお釣りが出てもたまに「細かいお金がないんだ」と言われ、そのままで終わります。

逆に多めにくれるところもあります。

日本であれば、コンビニで「ごめん!今、10円ないです!」って言われることはないので、最初はこのざっくりとした感じが衝撃的でした。


住んでみて感じることは…

今回はアルゼンチンの日本とは違うお金事情について書きました。

こちらにきて、現金でやり取りすることも悪くないと思っています。それはお会計の際にスペイン語の数の勉強になっているからです。

おそらくキャッシュレスが進んでいれば、スペイン語の数を使う時が激減してしまっていたと思います。そういった意味では、「〇〇ペソです」「〇〇ペソはありますか」「〇〇ペソ足りません」というやり取りはとても有り難いです。

また、大変アバウトな会計も慣れれば楽になりました。あまりせこせこしてなくて、気楽でいいです。

そういえば、アルゼンチンでは高い金額を吹っ掛けられたり、値切らなければいけなかったり、ということはまだ一回もありません。常に適正価格を提示されます。アフリカに住んでいたころ、よく値切り交渉で戦っていたことを考えると、そのあたりは変な緊張感はありません。

ただし、今回の大統領選の影響か今後どうなるのか。アルゼンチンのハイパーインフレの経済状況は大丈夫なのか。そのあたりはとても心配です。

En Argentina es costumbre contar el número de billetes.
(アルゼンチンではお札の数を数えることが習慣となっています)

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