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新築なのに!収納リフォーム

住み人と紡ぐ、たった一つのリフォーム物語

Vol.3 収納の少ない新築建売住宅を快適にーM樣邸

女性の視点と感性で、デザインから現場監督まで
まるっとおまかせ、オールインワンリフォーム
ワレアレア合同会社 代表社員のエミリーです。

"住む人と紡ぐ、たった一つのリフォーム物語” では、私がこれまで
お手伝いさせていただいたお客さまの住まいのリフォーム
完成までのエピソードを交えながら、読んでいる方がリフォームの
ヒントになるような事や、へぇ~、現場ではそんな事があるのね、
といった事を紹介しています。


収納が極端に少ない、建売戸建て

お客さまは以前にも2度、バスルームと床のコルクタイル貼りや造作の収納をデザイン、工事させていただいたM樣。「建売の戸建てに引越しすることになったが、収納が少ないので増やしたい」というご要望でした。
現調(現地調査)のため訪問すると、確かにかなり収納が少ないお宅で、間取りとしては1・2階で4LDKなのですが、1階は玄関収納のみ、2階にある3つの洋室にクローゼットはあるものの、半間サイズだったりして使いづらい上に収納量も多くありませんでしたし、2階廊下の収納は階段上のために、下半分は使えず、かなりミニマムに暮らす方でもなかなか厳しい間取りでした。

まずは2階寝室のクローゼットをせめて1間は欲しいとのことで、考えた末に、既存の半間のクローゼットの手前に増やす事をご提案。元のクローゼットは棚板仕様にし、季節の物をしまうスペースにして、手前に作る洋服掛けポールを取り外し仕様にします。

その時のスケッチがこちら。手前の点線が増設する分のクローゼットの姿


スケッチを元に製作(外観)


スケッチを元に製作(内観)

それは家事が楽な動線になっているの?

こちらのお宅の場合、キッチンは1階、バスルーム、洗面台は2階、トイレは1・2階にある、という構成でした。洗濯機はバスルームと洗面・脱衣室のスペースに置く、というのが一般的な設計になっているので、当然洗濯機は2階設置の設定です。でも、お子さまが小さかったので洗濯機を回す回数も多いし、何よりあまり目を離す時間も長いのも気になるだろうと感じ、洗濯機を1階のキッチン奥に持っていく提案をしました。敷地の形状上、ちょっと勿体ないような、さりとてキッチンの収納を奥には動線が長くなるような間取りになってしまっていたので置けるスペースがあったこともありました。

使いづらかった飛び出したスペース


配管のために立てた中央の壁を利用してオープン棚を設置
吊戸棚は既存のものを半分サイズに加工して利用の裏技!

洗面・脱衣室の収納少ない問題

洗面・脱衣室のスペースも狭く、タオルなどを収納するスペースも取れない状態だったので洗濯機を置かなくなった分、十分に棚を設置するスペースを作ることができ、この案はかなり気に入っていただきました。マンションやこういった建売戸建てだと洗面室の収納が少ない設計はいつも疑問を感じています。また、注文住宅でも洗面室をあまり広く設計しない思い込みを感じたこともありました。先日、親戚が家を立て直した時の思い出話になりましたが、2世帯で車椅子を使う家族もいるので、ハウスメーカーから出てきたプランに対して、私は1階のキッチンは狭くして洗面所を広げるようにアドバイスをしました。ほんの40cmほどですが効果は大きく、大正解だったと言ってくれていました。設計する人は、もっと洗面・脱衣室は収納したいものが多いことをもっと理解してスペースを作らなくてはいけないですね。

洗濯機を戻せるように水栓・排水孔はそのままにしています。

ベッド生活でも布団(ふとん)収納は必要だが・・・

1階には収納のない6帖の畳スペースがありました。収納の無い1階なので、ここに布団収納、掃除機などの収納を設置しました。また、畳(薄畳で1.5cmほど)は撤去しフロアタイルに変更して、お子さまのおもちゃなどを置ける空間にしました。このお部屋には来客用の布団をしまう目的で造りました。でも、ベッド生活でも布団収納が必要ですよね。ただ、押入ほどは要らない、押入は布団以外は入れにくい、といった難点があって季節の布団収納のためだけに押入を作ってしまうのも勿体ない。そういう時は、布団をキャンディ包みにしたり、IKEAで販売されている収納バッグなどをおすすめしています。スペースも取らず、とても便利です。

またまたスケッチ。背の高い収納内部は棚レールを3本配置。
上段は3本使って深い棚、下段は奥の2本で浅い棚にしています。
側面から見た棚レールと棚

さらに1階を快適にする工夫のリフォーム

洗面台が2階にしかない事もあり、洗面台を1階LDの一角に設置しました。お子さまが外で遊んだ後にさっと手を洗えて便利なように、そしてリビングの一角であることから、家具のように見える洗面台をセレクトしました。
工事の前に、1階に洗濯機と洗面台という水まわりを増やしましたので、排水の流量を受け止めるられるか、配管系統を確認しました。洗濯機の方は外部の桝に繋げられたので、その辺りの心配は回避されました。

洗面台設置に丁度良いスペースが・・・
ピタリと納まりました。

この他、トイレにも収納棚を設置したりと、必要な箇所すべてに設置できたので、とても快適に生活してます!と喜びの声をいただきました。

今回のリフォーム。建売りの場合。間取りの部屋数、部屋の大きさが販売に影響することは理解するのですが、やはりある程度の収納を設計に入れておくことが住む人のためなのでは・・・とも思ったり、変に使い勝手の悪い収納になるくらいなら、付けない方が良いのかも、と考えるお題になりました。
ただ、こういった間取りの場合、置き家具を購入されるケースも多くなると思います。大きな地震がたびたび起こる今、倒れた家具に押しつぶされたり、脱出路を阻まれたりする置き家具は極力減らしたり、壁に固定したりと、そういった事も考え提案していきたいと思いました。

本日もお読みいただきありがとうございました。

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