愛を知らない私は「サザンと彗星の少女」を読んだ。
こんにちは。オタクである。
前回投稿したnoteにいいねをいただきありがとうございました。Twitterで宣伝したわけでもない文章を読んでくれる人が本当にいるんだと驚き、その日1日はずっとワクワクした気持ちで過ごせました。サンキュー感謝です。
さて、今回もまた漫画の話をしたい。まだまだ愛すべき漫画は、有り難いことにたくさんあるのだ。
サザンと彗星の少女
トーチコミックス / 赤瀬由里子
漫画を読むとき、そのページは基本白と黒で描かれている。前回紹介したファッション漫画「ランウェイで笑って」もその衣装の色彩は想像で補うほかなく、表紙やカラーページで描かれてやっと作者と読者の共通認識として成り得るものだ。
けれどその漫画としての常識を覆した作品が綺羅星のように現れた。Web漫画雑誌「トーチWeb」から放たれた流星こそが「サザンと彗星の少女」だ。
全ページカラーによって描かれたこの作品は、作者のこれでもかという愛情が込められ、一コマ一コマがちょっと信じられないくらい美しい。出版された媒体こそ冊子のため漫画と称したが、実際のところ読む映画と言っても過言ではない(と思う)。
冒険活劇、生命賛歌、スペースオペラ!
人間の若者サザンと、ある日出会った謎の少女ミーナ。彼らを取り巻く個性的で魅力のあるキャラクターたちによって、物語は加速していく。ここではない宇宙を舞台とした壮大なファンタジーだ。
ストーリーとしては少し綺麗にまとまりすぎていると書いても良いくらい、丁寧にきちんと描かれている。けれどそんなこたぁいいのだ。
この物語の見所は何度も言う通り「色彩」であり、それに伴う「陰影」であり、そして切り出される「表情」なのだ。
ヒロインであるミーナの髪の色は、感情や状態によって様々に変化する。戦闘の中で光線が放たれればキャラクターの肌は光に照らされて常よりも白くなる。常識にとらわれない宇宙空間の色彩の中に浸るうちに、枠線の輪郭はぼやけていく。宇宙の星々の光に自分も照らされたとき、サザンやミーナと共に生きることができるのだ。
そこに温度がなくたって
そういうことを書くとだいぶ変な人なのだが(実際変な人なのだが)、漫画を読むときくらい何もかもを忘れて没頭したいタイプの人間にとっては新しい衝撃だった。
物語に耽る、登場人物の心情に思いを馳せる、間の取り方に息遣いを感じる。漫画の読み方は人それぞれだが、色彩に溺れるというのは、私にとってはまったく新しい漫画の楽しみ方だった。それこそ、映画を見たような気分になるほどに。
いやそれにしてもサザンみたいなまっすぐで優しくて表情豊かでちょっとだけ夢見がちで穏やかで頑固で一途な人いないかなー!なんて思ったりもするが、彼にはミーナのような愛らしくてまっすぐで優しくて一途で強くてちょっとおっかないけどひたむきでチャーミングな子がお似合いだ。くそー!世の中うまくできてる!!お幸せに!!
#漫画 #おすすめ #サザンと彗星の少女
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