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学校の成績評価に「セカンドオピニオン」や「チャレンジ制度」は必要か?あった方が良いか? 今日は『世界教師day-Happy World Teachers' Day 2021』

Happy World Teachers' Day 2021

東京オリンピック・パラリンピックも終わったのだが、再度のジャッジを要求する「チャレンジ」については何度もテレビで見た。審判の判断が覆ることもあれば、そのままのこともある。録画を見ながら細かなジャッジを確認するのは、今だからできることで、ついこの前までは「審判は反論してはいけない神聖なるモノ」と言っていたわけだが、審判にもミスはあることを認めた。これはプレイヤーのためだけでなく、審判のためでもある。このことで、審判は守られるのだ。

先日、ある教員の方々の集まりに参加した。と言うか、可愛い江藤 由布先生のお誕生日の前夜祭?と言うオンラインイベントだった。私は教育関係者ではあるが、教員ではない。実はその日の参加者は私を除いて、全員が教員や講師だったのである。そんな経験は初めてだ。

そんな時、大抵私はその場でしか得られないコトを聞いてみたくなる。今回は「もしも生徒が渡された成績に納得できない、と先生に言ってきたらどうするのですか?」と言う質問をしてしまった。誕生日の前夜祭という、本来なら楽しい話をする場で!(何と失礼な、すいません!)

今、日本ではIB 国際バカロレア( International Baccalaureate)という学びのカリキュラムで、文科省も200校を目指して誘致?を頑張っている。今回は、そちらではなく、フランスの教育のバカロレア制度にある、「子どもたちの成績を決める成績評議会に生徒代表が参加する」と言うシステムが私の頭にずっと残っていたからだ。教師にも生徒の好き嫌いもあれば、いろんな性格もある。教師だけで成績を決めることで起こる間違いを犯さないために、代表生徒が生徒=友達の成績決定の会議に参加すると言うものだ。代表生徒が他の生徒を擁護したり、どんなに日々頑張っているかなどを教員に伝えることもあるそうだ。私は、この事例を出しながら、「皆さんの学校では、皆さんの経験では、生徒から一旦決定した成績に納得ができないと言われた時はどうするのですか?」と問うてみたのである。

様々な都道府県から先生方は参加していた。オンラインだからこそできることだった。教師としての経験ではなく、自分が子どもの時の経験を話してくださったこともあった。私がfacebookに同様のことを書いた際、事例としてご自身の経験を書いてくださった方も複数あり、合わせてここに書いてみますね。

・試験では友達と同じ点数だったのに成績表の数字が違っていたことを質問したら、授業態度が違うからと言われた(その時は納得した)
・渡された成績に納得がいかなかったので、先生に伝えたら成績が上がった
・イギリスの例では、「この成績は納得できない」と伝えたら成績が上がった(イギリスと言っても、一部の事例で、イギリスが全てそうと言うわけでないと思います、念のため)
・成績は必ず二人の教師で決めることになっている(とある県)
・成績は複数の教師で話をしながら決めるルールがある(とある県)
・クラス担任が成績をつけた後、学年の先生全員で確認する、一人の教員が決めたことにならないようにする・・・・

学校現場で複数の教員で成績確認することは「なるほどなあ」と思ったのだが、「成績に異論がある」と言う生徒(だった人)がいることに衝撃を受け、「私も言ってみればよかった」と真面目に思った。(あの数学の先生は、絶対に私を好きじゃなかった。あの目は本当に怖かった。しかし、あの英語の先生は、私のことを可愛がってくれていたので採点は甘かったかもしれない、、、とかいろんな成績に関する思い出が頭の中を駆け巡った。)

フランスのバカロレアの話を最初にしたのは、教師が複数人で成績をつけたり、生徒が成績審議会に参加して意見を言うのは、これは生徒のためだけでなく、教師のためにもなっていると気がついたから。誰にも間違いはあるし、複数人で決める方が結果の信憑性も上がる、何よりもトラブルが起こりにくい状況となる。傷つく人が少なくて済む上に、教師を守ることにもなる。

そしてセカンドオピニオンが重要になるのは、多分「正解のない問いのエッセイ」など。生徒の嗜好と同じようなものを好きな先生は、多分、その子の思いまでを理解できてしまうだろうし、その内容に全く興味がない場合は、点数が辛くつくような気がする。そんな時は、別の先生にその評価をしても得るのは悪くないのではないかと思う。しかし、「評価に納得がいかなかった時は」、と言うのは本当は問題がある。なぜなら、口に出せる人と出せない人で不公平になるからだ。なので、そのような状況は本当は良くないのかもしれない。(最初の一歩は、そんなところから始まるから、それは仕方がないことだが、改善が必要だ。)

医療現場でのセカンドオピニオンも始まった当初は、患者がセカンドオピニオンを他の医師に聞きたいと告げると「私の診断が信用できないのか?」と嫌な顔をする医師が多かったと聞く。しかし今では制度が整い、その病院での検査結果やレントゲン画像なども貸出して、セカンドオピニオンを推奨する状況になっている。そこまで親身にしてもらえたなら、仮にその診断が次の医師の診断と違っていても、大方の患者は訴訟を起こすまでにはならないだろう。まだまだかもしれないが、学校現場もそうなっていくのが良いと、私は思う。

「成績評価については '納得させる' と言う発想が根底にあるなあと気付かされました。」と、江藤先生がメッセージをくださった。それを見ながら、「そうだったんだ!!」と私も腹落ちした。

学期の終わりに「成績表を配布します。もしも納得のいかない人はいつでも先生のところに来てくださいね!」と当たり前のように言う日がきたら、生徒も教師ももっと笑顔で学校での生活を楽しめるんじゃないかな、とも思った。

・もうわかり切っている授業を聞いていても面白くないから、絵を書いたり、寝てしまう生徒
・途中でついていけなくなって、授業中にぼんやりしている生徒
・他にもっとやりたいことがあって、それを考えていたら目の前の授業に身が入らない生徒
・不安なことがあって授業に身が入らない生徒
・・・・

私たちの周りにはそんな生徒もたくさんいるんですよね。それって、全てが子どもたちの責任なのでしょうか?

昔からの教育を否定するつもりは全くなく、今は多くの手段・ツールができてきているので、学びの改善のタイミングであり、少子化だからこそ、ICTだからできることを進める機会でもある。日本全国の学校を一気になんとかするのはとても大変なことも実際。しかし、都道府県単位、市町村単位に確実に行う、と言うことは実はできるかもしれないね。何も全て足並みを揃えないといけないものではない。仮にどんどん進んじゃう市町村があるのなら、それを真似させてもらったり、メソッドを教えてもらったよい。都道府県別に競争する必要はない、みんなでシアワセを感じる人生を選択できたら良いだけなのだから。

教員じゃないけど、学校現場をよく見る機会があるから、ついこのようなことを言ってしまう。息子が高校生だからなおさらだ。

さてさて、今日は「国際教師の日2021」です。
教師も生徒も一緒に笑い合える、そんな日本にしていきたいですね。
まずは日本から!

Happy World Teachers' Day 2021

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