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“kakkoii”の誕生 -世紀末ボーイズトイ列伝-

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20世紀末に流行した日本の男の子向けおもちゃのデザインから、新しい男性のかっこよさについて考えます。
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#ボーイズトイ

第一章 トランスフォーマー(4)「乗り込めない3DCG、乗り込めるおもちゃ」 | 池田明季哉

20世紀末ボーイズトイデザインの変遷を振り返ることで、これからの”kakkoii”を探求する連載『”kakkoii”の誕生』。今回は映画版トランスフォーマーが描くことのできなかった「新たな男性性」を、おもちゃと3DCGという表現形式の違いに着目して考察します。トランスフォーマー編、最終回です。 池田明季哉 "kakkoii"の誕生──世紀末ボーイズトイ列伝 第一章 トランスフォーマー(4)「乗り込めない3DCG、乗り込めるおもちゃ」 「変形フィギュアをぐにゃっと曲げて変形

第二章 ミニ四駆(3)「ここに戻ってきた少年たち、どこにも行かない少年たち」 | 池田明季哉

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』。「魂を持った乗り物」という新しいミニ四駆観に基づき、走る目的そのものとしてのミニ四駆の価値を確立するに至った『爆走兄弟!!レッツ&ゴー』。しかし、その続編では主人公たちの〈成熟〉の困難が露骨に描き出されます。 “kakkoii”の誕生──世紀末ボーイズトイ列伝 第二章 ミニ四駆(3)「ここに戻ってきた少年たち、どこにも行かない少年たち」 ミニ四駆第一次ブームにおいて『ダッシュ!四駆

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第二章 ミニ四駆(4)「もうひとりのディカプリオ、もうひとつのプリウス」 | 池田明季哉

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』。『レッツ&ゴー』における〈成熟〉の失敗は、乗り物を通じた暴力の否定であり、ひいては自動車にまつわる〈男性性〉の拒否を意味します。90年代末に描かれたその想像力は、トヨタ・プリウスに象徴される、00年代の世界的な自動車のパラダイム転換を予見していました。 “kakkoii”の誕生──世紀末ボーイズトイ列伝 第二章 ミニ四駆(4)「もうひとりのディカプリオ、もうひとつのプリウス」 バト

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第二章 ミニ四駆(5)「マグナムに叫ぶようにアレクサを呼ぶ」 | 池田明季哉

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』。自動運転車は、なぜ「カッコいいもの」として社会に受け入れられないのか。マシンを手動で操作したい欲望と、AIによる自動運転技術。未来の自動車が抱える矛盾と、それを乗り越える想像力を、ミニ四駆に宿る物語性から考えます。 “kakkoii”の誕生──世紀末ボーイズトイ列伝 第二章 ミニ四駆(5)「マグナムに叫ぶようにアレクサを呼ぶ」 「かっこいい」自動運転車は可能か?工業技術によって身体

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第三章 ビーダマン(1)スナイパーが殺し屋にならなかった理由 | 池田明季哉

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』。今回は1993年にタカラ社より発売された「ビーダマン」を取り上げます。ボンバーマンのデザインをベースに、〈銃器〉を暗喩するような機能的進化を遂げた同玩具は、コミックス版において、ある種の倫理性を提示するに至ります。 “kakkoii”の誕生──世紀末ボーイズトイ列伝 第三章 ビーダマン(1)スナイパーが殺し屋にならなかった理由 本稿では、1984年のトランスフォーマーが、アメリカ市

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第三章 ビーダマン(2)「炎の魔神」がビー玉に宿した魂 | 池田明季哉

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』。『スーパービーダマン』シリーズは、シリーズを重ねるごとにビーダマンに人格が付与され、『爆外伝』において完全なキャラクターとなりますが、同時に、物語からは人間が撤退します。そしてビーダマンは、鎧と人と機械の中間的存在から、それらの境界が完全に融解した存在へと深化します。 池田明季哉 “kakkoii”の誕生──世紀末ボーイズトイ列伝 第三章 ビーダマン(2)「炎の魔神」がビー玉に宿し

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