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わかりやすさが決めて

国是、国の基とする考え方。スローガン。これは、どこの国でも大事にされ、理念として存在してます。国によってはこの理念をもとに憲法、その他周辺法を作りますからまさに国の根幹。背骨といえるものです。
こいつがどんだけ太いか細いかで国の強さが決まるでしょう。
え?国是の太さ?強さ?強度判定どんな基準??あー!!詰らないことは聞かないでください。今説明する国の説明を聞いていればどれだけその社会に根付いてぶっとくなってるか!わかりますよ。

五箇条の御誓文をご存じでしょうか?
正式には御誓文と呼ぶようですが一般には書かれていることが5か条になっているところから「五か条の御誓文」と呼ばれます。この国是を決めようとしていた国は当時長い戦乱の末やっと国をそれらしくまとめることができましたが本当に何もありません。(いや、精神文化など成熟したものはある!)一発の大砲の前にはなにも役に立ちません。だけど国を守らなければなりません。そう。その国には「精神」しかなかったのです(笑)本当に危機的状況です。お隣の国々はおっかない海賊帝国にケンカを売られて国土を削り取られているのをその国の人は何人も見ています。以前のように地方豪族がばらばらに諸外国と手を結んで生き残り戦略をとっていればお隣の国のように国土を切り取らればらばらになってしまいます。その国の良いところは「意識統一がしやすい環境」だけでした。「どこからどこまでが我が国だー!」という「意識」です。大昔から各部落の宗教設備に神官がいてその国の王様が「だれだ!!」という話をことあるごとに民衆にしていたので「権力構造」がどう変わっても「王様」は「この方だ!」という意識統一ができていました。よくその国の教師という人は「島国だから」という理由で意識統一できてたわかりやすいからだ?といたいけな生徒たちに説明するようですが、年季の入った神官たちが部落の人たちに毎年のように酒を交えながら根気よく国の起こりをかたり、縁起を大切にしていたから国がまとまっていたのです。(直会というものです)そうでなかったらとっくにばらばらだったはずです。この視点の大切さをちょっと見落としています。そしてわかりやすさ。をその国の人たちは大切にします。うたを読むにも「だらだらと長くなく無駄も省き心に響くもの」を歌うのを得意をしています。余談ですが私はその歌のことを「古代からつたわるインスタグラム」だと思っています。(ただの写真じゃないところを感じてください。コメントがついてくる感じ)うたを読めばその国の人ならその国の文化気候土地柄を学んだものであれば(ビビビビ!)と映像が浮かび読み手が感じたその感動がよみがえるんです。何が言いたいかといえばその国のひとは大事なことを簡単な歌に込めるのが得意だったわけです。韻を踏んだりリズムを刻んだり、そのおかげでその歌を読めば相手の文化度がわかって話もしやすくなる。それだけでなく「口伝」でも情報を伝えることができるんです!結構正確に「この歌を詠んだということは」「こんな思いでいるんだろう」と探ったりすることもできる。そして大事なのはさっきも言ったと思いますが「その国の文化気候土地柄を学んだ」ということが大事なのです。その国は島国といえども「縦断距離で2千キロ以上の範囲で国土」があるわけです。ばらばらな季節感なはずなのに文化レベルで意識統一できている。これが状況証拠だ!ゆるぎない程に証拠がある感じ。「ただ島国だから」と考えるのはおろかです。そしてそれを知らずにGHQは直感でそれを崩そうとしました。(あっぶね!!)(ドナルドキーンさんだけはかなり深くわかってたと思いますが、当時20歳くらいで通訳兼尋問係だったそうです。)だけど崩れませんでした。どうして崩れなかったか答えは「背骨がぶっといからです」小手先の政策では2千年来の文化は崩れなかったわけです。
さぁ。やっと御誓文のおはなしになります。
これまで話したようにこの国には太い背骨がすでにあった。というのと意識統一がしやすい文化がコンセンサスですでにあり「こういえば」「あれなんだな」というこの「阿吽の呼吸」ともいえる意識統一がこの国の強さの秘密であります。そしてその強さの基をお言葉になさったのが「御誓文」なのです。御誓文の内容は

一、廣ク會議ヲ興シ、萬機公󠄁論ニ決スヘシ
一、上下心ヲ一ニシテ、盛󠄁ニ經綸ヲ行フヘシ
一、官武一途󠄁、庻民ニ至ル迠、各其志ヲ遂󠄂ケ、人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要󠄁ス
一、舊來ノ陋習󠄁ヲ破リ、天地ノ公󠄁道󠄁ニ基クヘシ
一、智識ヲ世界ニ求メ、大ニ皇基ヲ振起󠄁スヘシ
我國未曾有ノ變革ヲ爲ントシ、朕󠄂躬ヲ以テ衆󠄁ニ先ンシ、天地神󠄀明󠄁ニ誓ヒ、大ニ斯國是ヲ定メ、萬民保全󠄁ノ道󠄁ヲ立ントス。衆󠄁亦此旨趣ニ基キ協心努力セヨ。
(Wikipediaより)
文語体よみにく!ですので私の口語訳で結構オリジナルですがご容赦。

ひとつ、ひろく話し合いの場を作りなさい。どんな時も密室にならず公の議論できめなさい。
ひとつ、どんな立場の人も心を一つにしてたくさん話し合いをしなさい。

ひとつ、政治家行政職員、軍人、一般民衆に至るまで、仕事を持ってる人たちは各々の仕事の本分を忘れないでまじめに働いてそのサービスを受ける人たちに迷惑をかけないようにすることが肝要ですよ

ひとつ、昔からの悪い慣習などは改めなさい。自然の法則や決まり事に従って行動しなさい。
それでも足りない時は我が国の枠を超えて諸外国にある知識を借りて問題解決をし、この国を奮い立たせましょう。

皆さん。この国にかつてない程の危機が迫っています。ですのでこの国を大きく改革し変えていかないといけません。
私自身もこの身をもって皆さんたちより先頭に立ってご先祖たちに誓ってこの国是を大事にして進めていくことを決めてこの国の保全の方法を建てようと思います。また、皆さんも私と同じようにこの趣旨にもとづいて協力、努力してください。

この御誓文の良いところは
私はこの国是を大事にする。皆も協力、努力して。と言っていることです。
決して「私に従え」とは言っていないところ。しかし
自分には「自分の御先祖に誓って大事にする」と強いコミットをしているところ。これぐらい自分の国の国民に謙虚になり、しかも強い約束をする宣言を世界のどこの国の君主がしているでしょうか?意味が分かってくるとすごいことだと思えますね。
しかも内容はすごい簡単。訳すると
「みんなでよく話し合って決めて、どんな時もみんなにわかるようにして」
「仕事をまじめにやって自分の職業の本分を遂げて迷惑を掛けたらだめだよ」
「どんな立場の人も良く話し合って問題解決してね」
「悪い習慣があったら改めてね、自然の法則や良い決まりは守ろう」
「それでも足りない時は国外からの知識を借りて問題解決しよう」

このスローガンは自分もご先祖たちに誓って率先して進めるからみんなも進める努力、協力をお願いします。

っていうだけのこと。
だけど「これあたりまえって」思える自分たちに気づくことができてますか?
要するに「この国の人なら誰もがそうすること」をこの御誓文が言っているわけで、もう少し言うと「この時に宣言されたことがこの国の人の行動原理に根付いている」ということで、皆さんも感じていると思います。
大人が子供に「人との信頼関係をきづくときに大事なこと」と聞かれたら「御誓文」を説明すればいい。このくらいトップダウンがしやすい国是はないですね。そう。「この国」「この時」は「日本」であり「明治時代」のこと。日本の唯一の鎧は信頼関係だけだったと思います。鎧は信頼関係だとすれば?武器は「国際法」だということになると思います。
こ・・・・国際法って法律?・・・・これが武器?なんぞ?また妙な言い出しだな。謎が謎呼ぶ次回予告みたいな味を残して終わります。(さとる)


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