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アオゲラを見ゆ

朝起きたときも行こうかどうしようか迷っていたのだが、結局探鳥会に行くことにして、かみさんと二人、いそいそと支度を始めた。

探鳥会の会場は、船越堤公園というところである。昨年の10月にも同じ会場で参加したのだが、このときはあまり成果が芳しくなかった。

それもあって当初行くことを迷っていたのであったが、何とか出発して会場に着いたのが午前9時45分頃。

集合時間からすでに15分経過しているので、集合場所に人影はない。前回と同じコースで歩いているのではないかと踏んで、あとを追うように歩き始めた。

その途中で、コゲラとシジュウカラを見た。幸先がいい。しかしゆっくり見ていると先に行かれてしまうから、合流を急いだ。

尾根筋のようなところに出たときに、鳥見の人々の集団を発見した。十数人というところである。早速合流させてもらう。

「アオゲラがいる」というベテランの声に色めきたった。キツツキ類は大好物なのだ。探したら、少し離れたところにある高木の幹の高いところに止まっていた。

それから私たちが追いかけてきた道を集団は下り始めた。そして途中、またベテラン格の人がアオゲラを見つけたのであった。

今度は距離が近い。20m以内という感じで、切り株のところに2羽でたむろしている。頭部の赤いカラーがはっきりと双眼鏡の視野に入る。素晴らしい。

5分くらいだろうか、2羽をじっくりと観察できた。リーダーが言うには、「これだけしっかりと観察できることは珍しいです」とのことだった。

そのすぐ後に「シロハラがいる」と皆に教えてくれた人がおり、確かに初めて見る鳥が頭上の梢のところにいた。ヒヨドリくらいの大きさで気品のある鳥であった。

次いで今度は、アオジ。きょう3種類目の初めて見る鳥だ。写真では何度も見たこともあるものの、双眼鏡に入れたのも見かけたのも初めて。可愛らしい姿だった。

集合場所に戻って「鳥合わせ」をやると、トラツグミも見ることができたようだ。集団を追いかける途中で見た、コゲラとシジュウカラ以外の鳥はこれだったのかもしれない。

亡くなった知人はバード・ウォッチャーでもあった。アジサシか何かの繁殖地が埋め立てされることにも反対していた人であった。きょうは思いもかけず、何種類もの新しい鳥を見ることができて、わけてもアオゲラを存分に鑑賞することができたのだが、それもなんとなく故人からのメッセージのような気がしないでもなかった。

昨年の10月以来の探鳥会参加であった。




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