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連休巡礼(6)

未明に雨音で目を覚ました。連休巡礼6日目、5月7日の今日は家に帰る日だ。旅は今日で終わりなのだ。時刻はまだ3時頃だった。寝床の中で半時間あまり、シュタイナーを朗読した。

再び寝て、起き出したのは7時頃か。かなり本降りの様子である。傘を差してトイレに行く。残っているパーティは数えるほどである。彼らには今日は雨の中の撤収作業というなかなかに大変な苦行が待ち構えている。うちは昨晩のうちに撤収を行っておいて良かったと思った。

朝飯はテールゲートを開けて雨を凌ぎながら、メスティンでメシを炊いた。もうパンの類は残っていないし、朝からパスタというもなんだ。レトルトをあっためて、ハヤシライスを食べた。

荷台でメシを炊く。いちおう雨はしのいではいるが、けっこう吹き込んではくる。

車を停めた場所は一等地だったのだが、雨が降り続くと浅い水たまりになっていて、車に出入りするたびにカーペットが汚れるので、早々に退散することにした。新聞紙も積んであったのでそれを広げれば良かったのだが、そこまで頭が回らなかった。

本栖湖キャンプ場ではゴミを引き取ってくれるので、6日間の車中泊で溜まりにたまったゴミを処分させてもらう。不燃ゴミはビンと空き缶の類、可燃ゴミは意外に多かったペットボトルをつぶしたものと、食品パッケージが中心だった。ゴミを捨てて、ようやく身軽になったわれらがピクニック・ゲリラ号は、キャンプ場事務所で挨拶してから一路帰途につく。

ぬかるむほどではないとはいえ、地面はけっこう水たまりに近くなっている。雨の日のキャンプ場には難儀するのであった。

道はさほど混んではいなかった。雨だからであろう。大半の人々の行楽は昨日で終わったのだ。朝霧高原はガスがかかっていて、ふもとっぱらのテントの群れも見ることができなかった。

新東名を使って静岡市内に戻る。愛知(通過)、岐阜、長野、山梨と4県を巡った旅は成就された。何よりも安全に帰ってこれたことに感謝である。昼食は市内で蕎麦を食べた。全走行距離は692kmほどであった。

家に帰っても、まだ大量の荷物を下ろすという仕事が待っている。これも雨の中なのでなかなかにしんどい。ちょっと休憩して、夕方に荷下ろしをやった。それからピクニック・ゲリラ号を車庫の中にしまってようやくひと安堵した。

亡くなった友人の最期の消息を訪ね、旧い友人たちに会い、馴染みのキャンプ場で風に吹かれる旅だった。ピクニック・ゲリラ号を入手して以来、最長の5泊6日の行程であったが、旅は成就された。加子母の人々、飯田の人々、キャンプ場で出会った人々、ありがとう。


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