キャンプと炭火

ふつうキャンプの焚火台で燃やすのは薪なんだが、私の場合、炭を使うのもけっこう好きなのだ。

炭は火力が安定していて、調理にも向いているし、薪ほどずっと火の燃え方を注視していなくても良い。

湯沸かしポッドなどを網などを介して上に置いていても、煤で真っ黒になったりすることもない。ま、その分火力には限界があるんだけどね。

キャンプ場で薪を買うならいいんだけど、途中で買ってゆく場合には炭のほうがかさばらないし。

もっとも消火するには薪よりも手間がかかるけどね。

炭もいろいろあって、あまり品質の良くないものは目が痛くなったりするから注意だ。

薪の場合、熾火にならないと出てこないような微細な火の美しさが炭では手軽に愉しめる。これも大きいかな。

薪による炎は運動性があり、個人的には感情を帯びているように見える（なんだかバシュラールみたいだが）。

それに比べると、炭火の弱い炎や熾火は、思考のエネルギーを強く感じさせる。夜も更けかかったキャンプ場で物思いに耽るとき、それはまことに美しく感じられるのだ。