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『老人と海』の1966年訳版

中学生の頃、アーネスト・ヘミングウェイの『老人と海』(新潮文庫版/福田恆存氏訳)を買って夢中になって読んだ。1974年頃だったはずだ。このときの版は1966年訳の版だったらしい。

この週末に書架を探してみたら、比較的最近にブックオフで買い直したものが出てきたので、あとがきを読んでみたら、どうもそれは1980年に改訳された版で、画像はこれを撮影したものだ。

確かにちょっと読んでみたら、旧訳版では「テレイス軒」となっていたのが、改訳版では「テラス軒」になっている。ラストシーンでカジキマグロの骨が風に吹かれて港の外に出て行きそうになっているところの描写も、旧訳版と違うような気がする。

実は1966年版とまた違う、旧訳版のさらに旧訳の版もあったそうなのであるが、私としては最初に読んだ1966年版を読み直してみたいのである。もうボロボロになっていたはずだから、処分してしまった可能性が高く、かえすがえすも残念だ。

ブックオフ等で1966年版を探す手もあるが、よほど大切にされていない限り、すでに紙が酸化して変質しているはずだから、古本でも探すのは難しいだろう。

現在新刊本で流通しているものは、高見浩氏訳のものであるゆえ、1980年版も探すのは困難になっているのかもしれない。

なんとか1966年版をもう一度読んでみたいものである。

カバーデザインは田中一光氏によるもの。これも秀逸だ。


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白鳥和也/自転車文学研究室
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