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京都学生演劇祭2019 観劇レビュー Cブロック(09/20 13時回 観劇)

*観劇された人向けの文章です。

*参加団体の皆様の今後の作品制作の一助になればと思うので、レビュー自体は超どストレートになります。

*演劇祭アンケートに「MVPは?」という項目があったので、それもこちらに記載します。





①劇団脳殺定理「春玖番」MVP:なし

なんで探偵になったの?

お金取ろうとしてきたヤンキーとすぐに意気投合して一緒に演劇サークルに入りにいこうとはしないし、医者は余命宣言を肩叩くだけでは済ませない。

むしろ、あの爺さんは別世界線の主人公じゃないのか?

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人よろしく、あの時僕を助けてくれたのは、僕だったんだ!とかなって助けに行って死んで終わるんじゃないの?

納得のいきにくい展開に首をひねる事が多かった。

というか特にループに関しては、冒頭で、顔の似た別人が代わりに轢かれてくれたのをしっかり説明していたし、やっぱりこっちとしては「怪しすぎて伏線にしか感じられない…」って状態なのだから、もうループもの以外に選択肢無くしてるだろう。

それなのに「今は探偵になって人助けしてます」って言われても、納得いくわけがない。


導入のシーンの演出は良かった。演劇祭の照明の自由度の低さを、たった2本のマグライトで解消し、かなり期待させられる導入にしたてあげたのは素晴らしい(ダンスは、カタルシスが無かったので辛かったが)。ただそれだけに以降の尻すぼみが非常に残念だった。

チームワークのありそうな顔ぶれだったので、脚本のセリフや構成を、脚本家一人で練るのではなく、俳優陣スタッフ陣と検証しあう時間をもっと取れたのならばより良い作品になったのではなかろうか。



②劇団シレン「静かにしろ」MVP:DJの方(坂馬さん)

導入、DJ、台詞、演技、ビジュアルの端々からセンスをバシバシ感じた。

惜しむらくは、仕方のないことではあるが、創造活動室でなければもっと声も音も響いて、音圧を楽しみながら観劇できたのではないか。

設定の説明不足も、台詞回しや音楽でテンポ、リズムを一切切らさないことで、推進力がある。ガンガン前に進んでいける。

俳優陣の演技の押し引きのバランスも良い。全員のレベルがそもそも高いが、特にシステムエンジニアの方と司会の方が良い。

ただ結局のところ、この物語の大筋はどこにあったのか分からないままに終わってしまった。そもそもドラマをやるつもりが無かったのかもしれない…。と、考えるとやはり音圧が無かったのは大変残念だ。

おそらく、この作品のための音響システムを構築出来ていれば、まだ伸びる余地のある、というか楽しみのフォーカスが激変する作品だった。

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