0002 -(第一部)

第10話 たおやかな思い遣りの文化・風流の文化
 和の心を貴んだ縄文人は、常に自分はさておいて他人をいたわり大切にしました。また、道端の草花や野山の景色にも対等の友達として語りかけ、冬の月や星を寒かろうといたわって歌に詠み、様々な鳥や虫の鳴き声の一つ一つを聞き分けて擬声音を作っては口ずさんで楽しみました。こんな人々は、よその国にはいません。

第11話 穏やかな和の信仰
 和の心を重んじた縄文人は、欧州の排他的な一神教とは違って、万物にはそれぞれの神仏が宿るという心の広い信仰を興し、集落と集落が協力し合って「神社」や「寺院」を建て、そこに集い、行事を楽しみ、この間、法隆寺や出雲大社のような世界最古の「本格木造建築」も残しました。

第12話 意思疎通を広げ深める和の力
 近年、各地において遺跡、遺構、遺物、遺骨などの発掘が進むにつれて、縄文人が培った「たおやかで奥の深い」文化が、三千数百キロにわたる列島の全域に行き渡っていたことが明らかになりました。交通・通信手段がなかった1万年以上も前に、海を隔てた島々の間に「密接な交流」があったという事実に接して驚かされます。

第13話 和の心が生み育てた和の文化
 思いやりの心、風流の心が、後になって実を結んで、万葉集、枕草子、徒然草、奥の細道などを始めとする歌集やエッセイ集、竹取・うつぼ・源氏物語などのメロドラマや長編ものが創出されました。世界に5~800年も先行しています。能・狂言、歌舞伎、浮世絵、茶道、華道、和食、お花見、カラオケ、アニメ、漫画、携帯電話の絵文字などは、縄文文化あってこその独自の優れものです。

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