0015-(第四部

第19話 人の人生は宗教と国に支えられています
 人の人生を根底から脅かすのは「衣食住の不足」「天敵・外敵の襲来」「疫病」「天変地異」「自然の移ろいの神秘性」などです。人々はそのような「自然の摂理」に対する不安、恐怖、畏怖、恐懼などから『逃れる』ために、全知全能の神仏を想定して信仰する「宗教」に走りました。神仏の意を迎えるためには、自分たちにとっては、もうこれ以上はないという最も大切なもの(=命)を選んで「生贄」にしました。今でも形を変えた生贄が行われています。初め、人の心の救いであったはずの信仰がもたらした本末転倒の恐ろしさです!
 一方において「自然の摂理」に『打ち勝つ』ために内部を引き締めて集団を強化し、生きため、豊かになるために、内外に殺傷、破壊、略奪、交配を交わすようにもなりました。今では、集団は「国」という、史上最も「強力」で「排他的」な形態に帰結しています。初め「愛の絆」によって結ばれた集団あったはずの国がもたらす本末転倒の恐ろしさです! 

第20話 生態系の中に必要な宗教と国
 宗教と国とは人の心の中で表裏一体を成し、良きにつけ悪しきにつけ人類社会の屋台骨となって動いています。人々は、多くの場合、自らの意思によって宗教を興し国を作り、宗教に尽くし、宗教に裏切られ国に裏切られつつ、生き死にしてきました。人々の上には、常に、牽引する(のさばる?)才長けた(悪辣な?)少数の指導者(悪人?)たちが現れて生殺与奪を恣にしてきました。そういう「矛盾」の延長上に現在の人類社会はあります。矛盾は、自然の摂理が穏やかだった縄文の血筋を引く日本やブータンなどにおいては小さくおだやかで、そこでは多神教が行われました。

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