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No.214【令和4年第2回長崎県病院企業団議会報告書】

令和5年対馬市議会第1回定例議会で、
標記報告を致しましたので、以下の通り公開します。

令和4年第2回長崎県病院企業団議会が、令和4年12月27日13時30分から長崎県庁1階大会議室で開催され、対馬市議会からは伊原議員と小職脇本が出席致しました。その審議概要を以下の通りご報告致します。
最初に米倉企業長から8月末に開催された臨時議会以降の重要項目についての報告と、今定例議会に上程された議案について説明がなされました。

次に、新上五島町議会選出議員、島原市議会選出議員及び小職の都合3名が一般質問を行いました。質疑応答概要は、後述致します。
その後、提出された議案(条例議案2件、予算議案1件、決算認定議案1件、企業長専決事項報告1件の)都合5議案が慎重に審議され、全議案賛成多数で可決されました。更に、その他議案外の3件について事務局より説明を受け、熱心な質疑応答あるいは協議が行われました。以下、主に対馬地区に関係が深い案件を中心にご報告申し上げます。

【脇本一般質問質疑応答概要】
長崎県病院企業団が提供する医療の方向性について以下の3点の通り質疑応答を交わしました。
①基幹病院の主たる提供医療の範疇(役回り)について
〈質問〉
医師を常駐させることが難しくなっている離島医療の課題は、「医師を配置すること」よりも「どのように医療を届けるか」に移り変わっている。限られた医療資源と財源を有効に活用するためには、離島の基幹病院にも「治し支える病院」としての機能の充実が求められていると思うが、企業団の所見を求めたい。
〈答弁〉
医療需要の変化に応じた病床の規模や機能の見直しを図りつつも、基本的には人的資源をある程度投入すると共に、高度医療にかかる医療機器等についても一定の整備を進める。また、電子カルテの統一化や「あじさいネット」に加盟する異なる医療機関間では患者の診療情報の共有化を進めている。更に基幹病院では、本土からの遠隔サポートによる高度専門医療を提供する取組みを進めている。

②①を受けて、一次医療機関である上対馬病院の主たる提供医療の範疇(役回り)について
〈質問〉
一次医療機関において「郷診郷創」、(可能であればできるだけまずは自地域の医療機関に罹ろう。そうすることで、地域医療ひいては地域そのものを守ることにつながる)を推進するに当たっては他の医療機関から戻って来られる患者を治し支える病院機能の充実が望まれる。上対馬病院建て替え計画においてどのように反映されているか、答弁を求める。
〈答弁〉
上対馬病院は、上対馬地区における地域病院として、地域での予防医療から救急医療を担うとともに、対馬市と連携を図りながら地域包括ケアシステムを推進し、回復期の患者の受け皿となりつつ、在宅医療も提供する機能などが果たすべき役割だと考えている。現在、建て替え候補地を選定している段階であり、具体的な病床規模や機能などについては、今後、企業団内部でも十分な検討を行いまして、関係者のご意見もしっかりお伺いしながら、具体的な建替え計画へ反映したい。

③「キュア志向」から「ケア志向」への転換について
〈質問〉
厚生労働省の指針を受け、対馬市においても旧対馬いづはら病院跡地に将来的には在宅医療支援診療拠点最大19床の有床診療所を目指すとの方向性で市立厳原診療所を開設した。しかし、諸事情により現在は往診や在宅医療は実施しない外来診療のみとなっている。従って、対馬病院においては、在宅医療をはじめ地域包括ケアシステムを担う役割が益々大きくなっている。対馬病院における「キュア志向」から「ケア志向」への転換に関する企業団の今後の方向性について答弁を求めます。
〈答弁〉
地域包括ケアシステムを推進するに当たって対馬病院及び上対馬病院には急性期や急性期経過後の患者の受入れをはじめ、在宅復帰に向けた退院支援や在宅医療の提供などの役割が求められている。様々な課題はあるが、今後とも対馬市をはじめとする関係機関との連携を強化を図り、在宅医療の取組みを推進したい。

④総括的質問
〈質問〉
「郷診郷創」は大事な理念であると認識している。企業団のご尽力でその理念の浸透が少しずつ 普及していることは理解している。各地の住民の理解を一層深めて行くには、住民の内心面も含めたニーズ把握やさらなる理念の周知といった企業団の取組みに期待したい。
〈答弁〉
離島において地元で診療を受ける患者の割合が高まっているとのデータは把握できている。また、職員の自己都合退職が非常に多いとの認識から、その理由についてヒアリング等に努めており、病院に今後どうあって欲しいのかといったアンケート調査は検討中である。

【議案審議概要】
《議案第9号『長崎県病院企業団医療技術修学資金貸与条例の一部を改正する条例』》は、学生が制度を利用しやすくし、医療従事者の確保に資するよう、修学資金の免除にかかる必要義務期間に関して、現在給付期間の2倍の義務年限から、同1.5倍の義務年限に短縮するものです。

【議案外質疑応答概要】
アフターコロナを見据えた今後の、地域医療構想と企業団病院の建替えに関する総論的な質疑応答がなされました。特に、現在各病院で休床中の病床(対馬病院は40床から48床)についてどの段階でどのような体制とするか、見極めが難しいとの現状報告がなされました。

以上、令和4年12月26日に開催されました令和4年第二回長崎県病院企業団議会報告を終わります。






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