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No.301【令和5年12月定例議会一派質問原稿】

https://www.city.tsushima.nagasaki.jp/material/files/group/2/r05_04_shitsumon_wakimoto.pdf

👆一般質問議事録
👇質問大項目
1.就任期間2期8年間の実績に対する市長自らの評価について
2.3選を目指すに当たって、現段階でのマニフェストの構想について
3.持続可能な島とするための歳出削減あるいは新たな財源確保策について

👇質問原稿
会派市民協働9番議員の脇本啓喜です。
まずは、前回の9月定例市議会最終日において、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分場誘致に比田勝市長が、議会が誘致推進の請願を採択したにも関わらず、誘致反対の判断をなさったことについては、敬意を表します。


しかし、3月定例市議会で小職が一般質問を行った時点で、「誘致反対を掲げて当選したのであるから、少なくとも私の任期中は文献調査に応募しない」と市長が明言していれば、ご自身が恐れる市民の分断を増幅させずに済んだと思います。遅きに失したことは十分自覚すべきであり、そもそも、確りと市政運営ができていれば、核のごみ最終処分場を誘致しようなどという動きを再燃させずに済んだのではと思います。

一方、誘致反対にご協力頂いた市民の皆様には、この場を借りて心より厚く御礼申し上げます。市民の分断という大きな代償を払うこととなりましたが、今後の対馬が持続可能な島を目指して行く上で大きな収穫を得られたと私は感じています。それは、これまでは市民が何を言おうとも政治を変えられないと、多くの市民は諦めていたようですが、この誘致反対運動を通じて、仲間を作って行動を起こせば、政治を動かせるという成功体験を積むことができたことです。
市長が、核のごみ最終処分場誘致拒否を明言した時点で、フェーズが大きく変わったと私は認識しています。

対馬市民からも、島外の方々からも、「対馬市は核のごみ最終処分場誘致を拒否して本当に正解だった」と評価される持続可能な島を目指して行くことが求められると思います。

ここで、特に誘致反対運動にご協力頂いた市民の皆さんに訴えたい。比田勝市長が誘致反対の判断をしたことは評価して良いとしても、それだけをもって3選支持とするのは如何なものかと思います。市民がこの誘致反対運動を通じて、仲間を作って行動を起こせば、政治を動かせるという成功体験を充分に活かせる、つまり市民協働を実践できる市長が今の対馬市には必要です。

比田勝市政の市民協働分野に関する評価は、私は高くありません。来年3月3日投開票が迫った市長選挙前最後の一般質問に当たって、比田勝市長の2期目8年間の実績を検証し、また将来ビジョンはどうなのかを、市民自ら判断して欲しいとの思いから今回の一般質問を行うつもりです。

ところで、核のごみ最終処分場誘致に市長が反対を表明した件に関して、今議会では複数の会派代表質問や一般質問がありました。中でも、新政会会派代表質問において船越会長が、「議会の採決結果に反する判断をした市長は、議会制民主主義に反しており、通らないから出さないが市長不信任に相当する」旨発言なさいました。会派代表質問での発言は当然会派の意向と解釈されます。我々誘致反対派議員には既に覚悟を確認しています。船越新政会会長、堂々と市長不信任案をご提案ください。その際は、責任持って新政会メンバー全員不信任案に賛成するようお取り計らいくださいませ。船越議員は「常識ある誘致賛成の市民は沢山いる」とも仰いました。不信任が成立して市長が議会を解散し、市議会議員選挙になったら、候補者全員が賛否をハッキリさせて戦おうではありませんか。
もう一つ、今議会一般質問で複数の議員から、住民投票実施の提案がありました。しかし、たとえ地方自治法上の要件である有権者の50分の1以上の署名が集められたとしても、対馬市市民基本条例には住民投票条例を制定して、それに従って実施する旨規定されているので、住民投票条例が未制定である現状では住民投票は実施できません。市民が誤解なさってはいけないので申し添えます。

前置きが長くなりましたが、ここから通告に従い質問を始めます。

Ⅰ.就任期間2期8年間の実績に対する市長自らの評価について答弁を求めます。
⑴対馬市第二次総合計画(後期計画)全体の進捗状況について、市長自身の自己評価を簡明に求めます。        

⑵ 特に『なりわいづくり』に絞って、その達成状況自己評価について市長の答弁を求めます。その際、同計画37ページ〔将来像②地域経済が潤い続ける島〕で掲げているa.一次産業が持続可能な形で続けられる。b.観光産業等で地域経済が活性化している。c.新産業が作られ、雇用も多く確保できている。この3項目の成果(取り組み状況)が把握できる具体的データを示してその検証結果を求めます。

Ⅱ.3選を目指すに当たって、現段階でのマニフェストの構想について 
⑴前項⒈で検証したことを踏まえて令和6年度当初予算に反映する予定の新規事業あるいは改善を図る重要施策があれば市長の答弁を求める。                 

⑵地域の経済発展を図るには、基幹産業を活かした施策に取組むべきだ。畑違いの企業誘致は、企業城下町の呆気ない凋落や、日韓関係の悪化による対馬市の観光産業の激しい浮き沈み等、流行り廃りが激しい令和の時代においては、特定産業に極端に依存することはリスクが大きい。次期市長選に当選した場合、対馬市を持続可能な島とするための経済施策の指針について市長の答弁を求める。

Ⅲ.持続可能性な島とするための歳出削減あるいは新たな財源確保策について
令和4年度決算ベースでは約86%が経常経費である。つまり一般会計予算の内約50億円程度が自由裁量の利く予算額として残る。この他6月定例市議会一般質問で取り上げた約50億円の比較的取り崩し容易な基金もある。しかし、これらの財源のみでは対馬市を持続可能な島とするには財源不足は否めない。これら以外の財源確保策について市長の答弁を求める。                  ⑴対馬市の財源確保あるいは域内総生産増加策について市長の答弁を求める。

⑵具体的な歳出削減策について市長の答弁を求める。



【再質問】 
Ⅰ.就任期間2期8年間の実績市長の自己評価
⑴市長自身の自己評価については、総合戦略についてと少々異なるかもしれませんが、昨日の議員全員協議会における『まち・ひと・しごと総合戦略』の評価からある程度把握できると思います。

重要目標とは、重要目標KPIを達成すれば市長の将来ビジョンすなわち、目的を達成できるものであるべきです。ところが、この重要目標を達成したからと言って目的が達成されるだろうかと疑念が生じるものが多々あります。単年度実績加算のみではなく、目的達成の成果と言えない数値、例えば1年間も経過せず退職した新規雇用拡充補助金の対象者は、減算の対象とすべきでしょう。KPI自体の見直しを検討する必要性について市長の見解を求めます。

⑵ 『なりわいづくり』の自己評価については、目ぼしい成果が無いと感じました。

Ⅱ.3選を目指すに当たって、現段階でのマニフェストの構想について

なりわいづくりについては、以下の6点を今後の対馬市で推進していくべきだと思います。
①ESG投資②ソーシャルビジネス③M&A(買収と合併、事業承継)④既存産業の再構築(海業等複合産業化も含む)⑤兼業・副業の推進((一財)対馬づくり事業協働組合)⑥貿易振興

①ESG投資とは、従来投資判断は財務上の数値のみでなされていましたが、投資家が環境(Environment)、社会(Social)、統治・管理(Governance)の3つの視点から投資先を評価し、その評価に基づいて投資をおこなうことです。そのため、企業の社会的な取り組み、環境及び社会への配慮、企業ガバナンスの向上などの「非財務情報」も投資の重要な判断材料となります。たとえ、財務上の評価(売上げ・利益など)が高くてもESG評価が低ければ、投資対象から外れてしまう場合もあります。

②ソーシャルビジネスとは、子育て・高齢者・障がい者の支援や、地方活性、環境保護、貧困、差別問題などさまざまな社会問題の解決を目指して事業を展開し、社会貢献を目指す取り組みのことです。社会課題が多様化してきたいま、行政による福祉的解決には限界がありソーシャルビジネスには注目と期待が寄せられています。

対馬市のなりわいづくりに関して、この①②の重要性については、対馬市グローカル大学Web講座で九州大学出水薫教授及び長崎大学山口純哉准教授の講義でも説かれていました。

漂着ごみ問題に対して中間支援組織(一社)対馬CAPPAに協議会の運営を委託するなど市民協働で解決に取り組んでいる良い例があるじゃないですか。対馬市の社会問題解決に向けて、中間支援組織育成・支援を強化して、ESG投資を呼び込みソーシャルビジネスとして成立する基盤づくりに積極的に取組んではどうでしょうか。市長の答弁を求めます。

③私は、企業誘致よりもむしろ事業承継を含めた中小零細企業の支援が対馬においては求められていると私は認識しています。現在対馬市は、事業承継を創業の一部として見做して支援する方針を打ち出しています。担当課に地元税理士事務所等に事業承継の実態をヒアリングに行ってみてはと、提案したところヒアリングを実施して勉強になったと回答を頂きました。その取り組みは評価しています。

しかし、今議会初日に上程された『対馬市企業誘致条例の一部改正』議案については、新築増設を支援対象の必須条件としている等、暫くは現状維持を前提とする事業承継を想定しているのだろうかと疑念を抱きます。初日の私の質問をご覧になっていた市民から、事業承継支援に力を入れている自治体は、中小企業支援条例を制定しその中で事業承継支援も手厚く支援している例がいくつもあるとの情報を頂きました。このように、創業支援と事業承継を別建てで実施する方針転換を検討してはどうでしょうか。市長の答弁を求めます。

④また、冒頭質問で述べたように私は畑違いの企業誘致よりは既存産業の再構築を優先すべきだと認識しています。海業等複合産業化も含めた支援を打ち出していることは評価できると思います。

⑤対馬では半農半漁の生業が脈々と営まれて来ました。近年、対馬市の有効求人倍率は1を超えています。学校給食職員不足や医療介護従事者不足などを見てもわかるよう、どの業界でも明らかに労働者不足です。対馬に仕事がないのではなく、求人職種に必要な経験やスキルを保有する就職者がいないことが、労働受給マッチング不成立を招いていると私は認識しています。(一財)対馬づくり事業協働組合を活用して、学び直しいわゆるリスキリングを奨励し、求人側が求める経験やスキルアップを身に付けた求職者育成を図り、兼業・副業可能な環境づくりを積極的に取組んではどうでしょうか。市長の答弁を求めます。

⑥古来から対馬が繁栄していた時期は、大陸や半島との貿易が盛んであった時期と一致していることは多くの人が認識されていらっしゃると思います。貿易振興を図るには、市役所の一部所のみで取組むにはあまりにも多岐にわたっており困難を極めると思われます。そこで、財部市政時代に5つの循環と言うプロジェクトチームを設置しましたが、比田勝市政では貿易振興を図るプロジェクトチームを設置してはどうでしょうか。市長の答弁を求めます。

また、令和4年6月定例市議会で、「厳原港と比田勝港を統合化する案も浮上している」と市長は答弁しています。2港の連携を図るならまだしも、70kmも離れた港を統合化するとのイメージが湧きません。「厳原港と比田勝港の統合化」とはどのような意味なのか市長の答弁を求めます。

ところで、大浦議員の一般質問の際、市長が「比田勝港の開港に一生懸命取組む」と答弁したことには、大いに期待します。

但し、市長の開港に関する認識に疑念を持ちましたので、質問します。
大浦議員が仰ったように、開港基準については明文化されていません。市長が開港基準として挙げた数値は、それを一定期間下回ったら開港を取り消すという基準です。
また、開港とは、保税蔵置場が設けられていれば原則そこで輸出入を他の港よりも比較的簡易な手続きで可能な港と捉えて良いでしょう。但し、不開港であっても、他所蔵置手続きを取れば貿易は可能です。逆に、厳原港のように開港であっても保税蔵置場を持たない港では、不開港同様その都度他所蔵置手続きを踏む必要があります。

大浦議員から、スケトウダラを韓国から輸入して加工し、輸出する構想が披露されました。比田勝国内ターミナル背後地に保税工場を建設し、そこを加工貿易の拠点とすれば、輸出入両方の関税減免優遇が受けられます。この土地を上対馬病院建設候補予定地の一つとしていますが、津波等の心配を考えれば、候補地として不適格だと私は思います。



Ⅲ.持続可能性な島とするための歳出削減あるいは新たな財源確保策について
⑴今議会で市長から、観光客からのご理解を得て来島客から何らかのご負担を頂くよう検討中との表明がありました。このことは一定の評価を致します。他自治体同様、市役所内や学校の外壁等への一般企業からの広告募集、市役所ホームページへのバーナー広告募集等は検討しているか、市長の答弁を求めます。

諫早市の企業誘致固定資産税免除によるデメリット
⑵具体的な歳出削減策については、公共施設マネジメントが重要であり、老朽化した公共施設は自治体の時限爆弾であると何度も申し上げて来ました。公共建築物に限らず、利活用用途が未定である市有地を民間に売却する際に、ある程度の利活用禁止条件を付して、売却先に利用用途計画がなくとも売却を可能と売却することも検討してはどうでしょうか。民間に売却することで、一時的収入の売却額だけでなく、継続的に固定資産税が毎年入ってくるのは大きなメリットだと思います。市長の答弁を求めます。

      

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     


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