見出し画像

No.305【令和6年第1回長崎県病院企業団第1回定例議会】

令和6年第1回長崎県病院企業団第1回定例議会が、令和6年3月26日13時30分から長崎県J A 会館で開催され、対馬市議会からは伊原議員と小職脇本が出席致しました。その審議概要を以下の通りご報告致します。

最初に米倉企業長から12月末に開催された第二回定例議会以降の重要項目についての報告と、今定例議会に上程された議案について説明がなされました。
次に、小職脇本が、上対馬病院建替事業について一般質問を行いました。質疑応答概要は、後述致します。
その後、提出された議案(条例議案1件、予算議案1件の)2議案が慎重に審議されました。更に、その他議案外の3件について事務局より説明を受け、熱心な質疑応答あるいは協議が行われました。以下、主に対馬地区に関係が深い案件を中心にご報告申し上げます。

【脇本一般質問質疑応答概要】
以下の3つの理由から、上対馬病院建替地決定の白紙撤回を求め企業長の所見を求めました。

〈質問〉①当該建替地は津波被害の恐れがある
当該病院建替え用地は、目の前が海であり、しかも海抜2mである。長崎県令和6年度当初予算に、対馬市近海を含む海底活断層調査予算約1千万円が計上されており、津波予測等の調査結果を待って、決定しても遅くないと思う。

〈答弁〉地元自治体が選定した土地を提供して頂くこととしており、病院企業団が選定する立場にない。上対馬病院は老朽化が著しく進んでおり、一日でも早く新病院を開院することが地域住民の安心・安全な医療提供につながる。ただ、何らかの津波対策が必要であるとの点では、対馬市と一致しており、今後対馬市と十分検討を進める予定だ。

〈質問〉②決定までの経緯が民主的でない
私は、3年前に当企業団議会議員に就任して以来、上対馬病院建替地選定に当たっては、市民の意見を聞く場を設けて進めて欲しいと強く要望してきた。市長は「時間的余裕がなかった」「政治判断だ」と選定過程及び決定に何ら問題ないとの答弁をした。遅くとも3年も前には上対馬病院建替事業が予定されていることはわかっていながら、説明会を開催する「時間的余裕がなかった」は理由にならない。令和6年度から(仮称)北部対馬アクションプラン協議会が設置される予定であり、その協議会において市民の意見を十分拝聴して、改めて建替地を決定するのが好ましいと思う。

〈答弁〉決定までの経緯が民主的でないとお尋ねですが、病院企業団は建設地を選定する立場にない。対馬市がアンケート結果を踏まえ、対馬市が総合的な判断を行なったと伺っている。

〈質問〉③当該建替地は他の利用価値がある
当該建替地を貿易振興を図る拠点として整備して欲しいとの要望もある。2016年に長崎県対馬振興局を中心に、対馬の貿易振興を図るための協議会が設置され、実証実験結果も含めたレポート『対馬の輸出振興と釜山との定期航路開設に向けた取り組みについて』が作成されている。対馬産品だけではなく韓国から原材料を輸入して加工貿易するにも、比田勝港は日本で最も有利な位置にある。関税減免措置が受けられる保税工場を有効活用できれば、対馬の経済に多大な恩恵を与えるはずであり、私は大変期待できると思う。

〈答弁〉病院企業団におきましては、議員ご指摘のような内容は承知していない。

【議案審議概要】
先ず初めに、壱岐病院の診療科目追加に伴う条例改正《議案第1号『長崎県病院企業団事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例』》が上程され、賛成多数で可決されました。

次に、《議案第2号『令和6年度長崎県病院企業団事業会計予算』》について詳細な説明がなされました。令和6年度の経常損益は7,900万円の黒字、当年度純損益では5,500万円の黒字となる予算編成となっています。総収益は336億2,400万円で、対前年度比10億8,200万円の増。一方総費用は、335億6,900万円で対前年度比10億400万円増を見込んでいます。
例年と異なる主な事業予算は①上五島病院建替、②壱岐病院の増築、③上対馬病院建替の予算です。そのうち、③上対馬病院建替予算について質疑が集中しました。県議会選出の坂本浩議員から、元日の能登半島地震を受けて、防災拠点となる病院建設計画はより慎重を期すべきではないかとの質疑がありました。

小職脇本が、上対馬病院建替事業の設計予算を皆減とした修正動議を提出し、必要賛同者を得てとりあえず動議は成立しました。小職脇本より原案反対の伊原議員より原案賛成の立場から、それぞれ討論がなされました。伊原議員の討論概要は、上対馬病院の老朽化は著しく、新築移転に猶予はないとの概要でした。その後採決が行われ、原案が賛成多数で可決されました。

【議案外質疑応答概要】
『令和5年度長崎県病院企業団病院事業会計決算見込み』の概要について以下の説明を受けました。令和5年度の経常損益は16億6,200万円の赤字見込みとなり、対前年度比41億6,000万円の悪化となる見込みです。また、当年度純損益についても17億3,000万円の赤字、対前年度比42億4,900万円の悪化となる見込みです。大幅悪化の最も大きな要因は、コロナ関係の補助金が前年度と比較して26億6,600万円削減されたことが大きく影響しています。病院企業団としては、本業部分である医業損益の悪化に注視し、これまで以上に危機感を持って対策に取り組みたい。

『長崎県病院企業団第3次中期経営計画(後期計画(案))の概要について』以下の説明を受けました。今回国から発出されたガイドラインを踏まえて、従来からの取組方針に、「働き方改革」や「新興感染症対策」が追加されました。

その他、『入札結果報告』、『離島等医療連携ヘリ事業』、『養成医の現状』、『公金着服事件の再発防止』について説明がありました。

【議長交代】
新上五島町議会選出の本村敦彦議長が一身上の都合により議長を辞職されたことを受けた改選が行われ、不肖脇本啓喜が議長に選任されました。

【企業長勇退挨拶】
今議会を最後に米倉企業長が後勇退なさいますので、企業長ご本人から退任の挨拶がありました。企業団設立から15年が経過しますが、米倉企業長は設立3年目から企業長の重責を担ってこられました。衷心よりその功績に敬意を表するとともに、今後のご健勝を祈念申し上げます。

以上、令和6年3月26日に開催されました令和6年第一回長崎県病院企業団議会報告を終わります。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?