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No.257【請願審査特別委員会学識経験者参考人招致陳述及び質疑応答⑵末田一秀はんげんぱつ新聞編集長及び原子力資料情報室高野聡研究員(反対派)】

核のごみ最終処分場誘致とそれに伴う文献調査受入れの是非にかかる請願審査特別委員会学識経験者参考人招致陳述及び質疑応答が、8/3㈭13時半から末田一秀はんげんぱつ新聞編集長及び原子力資料情報室高野聡研究員(反対派)を対馬市議会本会議場にお迎えして実施されました。

質疑応答の内容以前に、推進派議員の参考人に対する無礼極まりない言動には憤りを覚えました。
まず、参考人意見陳述の時間配分については、補助員の出席を委員長に拒否されたためその分を出席参考人が賄うとして、議会事務局に許可を得ていた(発言時間は自由にと言われていた)ことも確認せず、小宮委員は一方的に陳述時間が決められた時間をオーバーして、社会人としてなっていないとの暴言を発した。小宮委員の無礼な発言に対して、事情を説明しない委員長及び議会事務局次長は、一体何をしているのか!!
次に、委員会中に参考人が配布した資料を雑巾を絞るように捻り机上に置いていた入江議員の暴挙は、懲罰委員会を設置も検討すべき愚行である。

また、委員長の偏った委員会運営及び正常運営を補佐すべき当該特別委員会の議会事務局担当次長は、何のために委員長の横に着席しているのか、大いに問題があると言わざるをえない。

《意見陳述概要》
⑴民主的な過程を踏んで核のごみ最終処分場建設地を決定したフィンランドと比較すると、日本の核のごみ最終処分場建設決定過程は非民主的であり、オープンな議論の場が必要である。

⑵火山学的に変動帯の日本では地層処分は無理である。

⑶高レベル放射性廃棄物処分場周辺に埋設予定のTRU廃棄物は、埋設後10年後には漏れ出す。

⑷ガラス固化体製造技術は未だに確立されていない⇒核燃サイクルは既に破綻している。

⑸文献調査だけ受入れて、概要調査は反対しようとしても極めて困難である。その根拠は以下の①②通りである。
①文献調査を受け入れるとNUMO職員が数名当該自治体に常駐して、概要調査受入れに向けた住民の懐柔を展開するので、概要調査受入れ反対は極めて困難となる。
②国は、調査の段階を進めるに当たって「知事及び市町村長の意見を聞いてこれを極めて重く受け止めて、最終的には国が決定する。」と述べているが、法律に、地元の首長の賛成が条件であるとの明文が無い。報道等によると、今月末にも福島第一原発事故の汚染水を海洋放出することはほぼ決定しているようだが、国がも東京電力も「地元の理解が進まない限り海洋放流しない」と発言していたにも関わらず約束反故を平然と行う。国や電力会社は、信用できない。

⑹そもそも、首長の判断だけで調査の受け入れ及び次段階への進行を決定するのではなく、地域社会全体の合意形成を図る仕組みとすべき。

⑺寿都町では激しい地域の分断が生じている。

⑻『対話の場』の運営は、推進派であるNUMOと行政が担う。寿都町では、とても公正公平な運営とはなっていない。(推進派側の分断解消とは、推進派側の住民が増えること)

⑼原子力関連施設の立地自治体の経済効果は期待したほどではない。また、立地後に人口減少を抑制できた自治体はほぼない。

⑽風評被害が無いことの根拠として、寿都町ではふるさと納税が増加したというが、コロナ禍の巣ごもり効果で、全国的に増加していると前日のニュースでも報道されている。

《質疑応答概要》
⑴小宮委員から、「TRU廃棄物が10年で漏れるとは、最悪の環境の下での計算であり、そんな状況は起こり得ない。また、漏洩する放射能も微量であり人体に影響は無い。国が10年で漏れ出すようなことをするはずが無い。」との反論があった。
〔再反論〕
最悪の環境下での計算であるなど資料を作成したNUMOは述べていない。通常環境下での計算結果である。また、微量であるから人体に影響は無いという科学的根拠は全くない。(※脇本発言参照)

⑵糸瀬委員から、「参考人の主張は国策に何でも反対と感じる。対馬市の経済は疲弊し財政も厳しい。対馬市の経済浮揚策を聞かせて欲しい」との質問?があった。(※脇本発言参照)

※17年前にこの問題が対馬で発生した際のNUMOの説明会の内容は、ほぼ変わらないように思える。唯一、大きく変わったと感じる点は、文献調査を受け入れた2自治体あるいは受け入れようとすると自治体をまるで救世主でもあるかのように敬意を持つよう異常なほど崇め奉るよう押し付けることだ。これは、国策に従わないことは悪だとの主張と紙一重だとも言える。「最終処分場などいらない。分断とも無縁な静かな生活を送りたい。」との自由に生きる権利も充分尊重されるべきだと思う。

本日の委員会では、複数の委員から国に信頼を寄せる発言が多く発せられました。17年前に小出裕章氏を招聘して開催した説明会の質疑応答で、推進派長老が「国家を信用せずして何を信用しろと言うのか?!」と大きい声を出された。これに対し「私は、国家ほど信用できないものはないと思っている。」と間髪を入れず小出氏は応えられ、会場は万雷の拍手に包まれたことを、改めて思い出しました。

ところで、参考人へ対馬の経済浮揚策を訊ねた質問がありましたが大変驚きました。現状変更を行おうとしている推進派議員自ら、文献調査受け入れに伴う交付金20億円を活用して、どのようなことをしようと思っているのか、堂々と一般質問等で披露されてはどうでしょうか?
終了後に、複数の推進派委員から「まだ、貰うとも決まっていないのに、一般質問なんかできる訳無かろうが、何を言いよっとか」と反論?を受けた。文献調査を受けたら対馬の人口減少抑制や経済対策が打てると吹聴していらっしゃるなら、当然そうなるための政策をお持ちのはずだと思って申し上げたのに、残念ながら市民の皆様が挙って誘致賛成となるような具体的政策をお持ちでないようです。

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