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No.281【対馬市長が、核のごみ最終処分場誘致・文献調査受け入れ拒否を正式に表明】


はんげんぱつ新聞10月号に掲載予定の拙稿を以下の通り寄稿しました。800字という紙幅の関係上同日の比田勝市長3期目出馬表明について等まだまだ記載したいこともあるが、次回以降の拙稿に譲りたい。

まずは、ひと安心です。ご心配をおかけした島内外の皆様、署名活動をはじめご支援ご協力を賜りました皆様に厚く御礼申し上げます。

《寄稿文面》
長崎県対馬市長は、9月27日定例市議会で最終処分場の文献調査を受け入れないとの判断を正式に表明した。まずは、誘致反対運動にご支援ご協力賜りました島内外の多くの方々に厚く御礼申し上げます。また、議会が調査・処分場誘致推進の請願を採択する中で、市長の悩んだ末の判断には、敬意を表したい。

しかし、比田勝市長が議会に請願が上がる前の早期に受け入れ拒否の表明をしていれば、ここまでの深い市民の分断を招かずに済んだはずだ。市長にはそのことを認識して欲しい。

対馬市民は、分断という大きな代償を払ったが、市民が協力して行動すれば政治判断をも変えることができるという成功体験を得た。これを、持続可能な島づくりの原動力として行かなくてはならないと思う。

市長は、受け入れ拒否の理由として以下の5点を挙げた。

⑴市民の合意形成が不十分であるということ。

⑵風評被害の懸念。関係者からの意見を勘案すると観光、水産業への風評被害が少なからず発生しうると判断した。

⑶「文献調査だけ」という考えに至らなかった。調査結果によって適地と判断された場合、文献調査を受け入れた以上、次の段階に進まないという考えには至らなかった。

⑷市民に理解を求めるまでの計画、条件がそろっていなかった。安全性や事故が発生した時の対応や避難計画など、市民の不安を払拭できるまでの計画ではなかった。

⑸将来的な想定外の要因による安全性、危険性が排除できなかった。将来的に市民に影響、危険性がある最終処分施設の調査地として手を挙げる判断には至らなかった。

いずれも納得がいく理由と思う。もし今後調査を持ちかけられる地区があれば、参考になるはずだ。

最後に、報道によれば誘致推進派議員の一部は、住民投票まで持ち込みたいとか、市長選での推進派の擁立といった意見があるようだ。住民投票に必要な署名数を集められるか甚だ疑問であるが、推進派の動きに終止符を打つまで、取り組みを続けていきたい。

《対馬市長が資源エネルギー庁及びNUMOヘ送った質問状に対する回答》は、近々概要版を掲載します。


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