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ヴァレリー・アファナシエフ@紀尾井ホール

タイトルの色具合が前回のに似ている感じもありますが、こちらはECMから出ているアファナシエフさんのCDのジャケットの、ある部分を撮ったものからトリミングしたものです。

昨日は紀尾井ホールで行われた、ヴァレリー・アファナシエフさんのピアノ・コンサートに行ってきました。

プログラムの表紙

テンペストとノクターンというタイトルのコンサート、1部はベートーベンのソナタを2曲、2部はショパンのノクターンを数曲という選曲でした。

アファナシエフさんに関しては、僕自身シューベルトの録音や、ギドン・クレーメルさんとの昔のデュオが好きで(ブラームスの『雨の歌』が本当に良いです)、ご本人が書かれた著書(『天空の音楽』など)も持っています。また、ご本人、詩人、小説家という面も持っていらっしゃる方です。

僕の持つアファナシエフさんのイメージは、森で静かに暮らして詩などの推敲を重ね、たまに都会に出てきてピアノを聴かせてくれる禅の人、というものでした。今回初めてコンサートに行きましたが、古希を迎えた彼は、ますますその『あるがまま』感に磨きをかけていらっしゃいました。少し違うのですが、去年聴きに行ったフィリップ・グラスさんのことを思い出しました。表出の仕方は違うものの、グラスさんも禅の境地に達した後の雰囲気を持っていましたので。

いろんな方が最近のアファナシエフさんについて書かれていて、それには賛否ありますが、僕は彼の作り出す音や雰囲気が好きです。ノクターンを聴いているときは、自分はアファナシエフさんの家でピアノを聴いている、そんな感じがしました(もちろん、音響的には天井まで響いていますけれども 笑)。

アファナシエフさんがいて、他のピアニストがいて、いろんな人たちがいて、という状況が僕を安らかにしてくれます。様々な表現、表出の仕方があって、それらを受け入れることで自分の『気づき』につながっていきます。

その音がどう聴こえるか、その絵が、その映像がどう見えるのか、その言葉がどう聞こえるのか、常に自分が日々試されます。
軸があれば変化していくことができる、それがなければ変化できない、ということを思い出しました。

話は戻りまして、アンコールはショパンのマズルカでした。
サインのために普段はあまり並ばないのですが、今回はECMのCDを購入してサインしていただきました。

前日の山口晃さんのパフォーマンスも含めて、なかなか充実した週末でした。
気がつけば、今週末自分のライブという…(笑)

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