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ガリレオガリレオフィガロ

というわけで、『ボヘミアン・ラプソディ』がゴールデングローブ賞でドラマ作品賞を獲ったというニュースが入ってきました。
主演のラミ・マレックさんも男優賞ということで、アカデミー賞がどうなっていくのか気になるところ……、と書くとなんだかいつもチェックしているような感じに思われるかもしれませんが、そんなことはありません。映画は好きですが、あまりその辺りの情報を自分からチェックすることはないです(耳にはどちらにせよ入ってきますしね)

改めて言うまでもないですが、僕がこんなことを書くのも『ボヘミアン・ラプソディ』効果によるものです。
クイーンは大学のときに周りが聴いていたので、その影響を僕も受けて聴きました。フレディが亡くなってから1、2年後です。
まだ、当時は某大学の音楽学科に入りたてでしたが、オリジナル曲を作ってバンドもやったりしていました。担当はキーボードです。
クイーンを聴いた印象はまずフレディ・マーキュリーがいろいろな意味で凄すぎる、というものでした。バンドのサウンドも、オーケストラを使っているわけではないのに、なんだかそんな感じがする。すごいなあ、と思いました。当時は80年代に入る前ぐらいまでのサウンドが好きで、『RADIO GA GA』とかはあまりピンと来ていませんでした(今は好きですが)。ですから、アルバムで言うと『戦慄の王女』から『ザ・ゲーム』くらいまでですかね。
今冷静に聴くと、結構ピアノ・ロック的な要素があったんだな、と思います。なぜかそういう耳では当時は聴いていませんでした。それだけ歌の方に耳がいってしまっていた、ずば抜けた歌唱力だったということなのだと思いますが。ギターが存在感を示しているから、ピアノ・ロックと思わなかったというのもあるかもしれません。最近のバンドはギター入っていてもピアノが目立てばピアノ・ロックだから、時代が変われば、というところなんでしょうかね(しみじみ。そういえば、学生時代人気のあったベン・フォールズ・ファイブはピアノ・ロックという認識でしたけど、考えたら1stアルバムの2曲目とか少しクイーンっぽい? あの曲に限らずベースがカッコよかった)。
ボヘミアン・ラプソディーのPVも当時知っていて、ピアノをフレディが弾いているのも当然見ているのですが、鍵盤弾きというよりはボーカリストという認識でした。当時の自分がイメージするキーボディストとは、少し違った、というのもあるのかもしれません。
しかし、今思うのはピアノこそ彼の楽器であり、分身であり、だからこそ、フレディ流の数々の名曲が生まれたのだと思います。

もちろん4人全員がすごい、という前提なのですが、僕が学生のときに思っていたのはフレディとブライアン・メイがまず念頭にあって、ロジャー・テイラーはアイドル的、ジョン・ディーコンはとにかく目立たない、というように思っていました。が、この映画を見てから、クイーンを聴き直すと特にジョン・ディーコンは凄かったんじゃないかなと思います。あのベース・プレイとソング・ライティングのセンス、そして(どんな事情が本当にあったのかはわかりませんが)去り際が素晴らしかった、と個人的に思っています。
クイーンは、それぞれ全く違う音楽のバックグラウンドを持った人たちが、それぞれの良さをなくすことなく成り立っていたように思います。違うジャンルのプレーヤーが同時に音を鳴らしても成立しているようなスリルがありますね(学生のときは、そこまでは思いませんでしたけど、改めて聴いて、そう思います)。

映画の話に戻りますと、この『ボヘミアン・ラプソディ』という映画のすごいところは、初めて観る人も、それまでのクイーン・ファンも惹きつけられるものを持っているところだと思います。普通は本物を知っているとアンチになりそうなところですが、そうではない。それはやっぱりすごくプロフェッショナルに作られた作品なんだと思います。実際と違うところがあっても、映画として完成されているというところに感動を覚えます。

『伝説のチャンピオン』というタイトルだと少しわかりにくいですが、『We are the champions』つまり、みんなが勝者だと言う歌詞の意味がまた心に来るものがあります。それは、この映画を見ることができたから、そう思えたのです。
そして、繰り返しになりますが、その曲を歌い上げるフレディ・マーキュリーの声。あの音色はやはりいろいろなものを超えていますね、本当に。唯一無二だと思います。

そういえば、映画の出だしで20世紀フォックスのテーマが流れてきたときに粋だなあ、と思いました。ブライアン・メイのギターも本当、彼独特の音色がとても好きです。あれがないとクイーンにならないですからね。

最後にやや唐突感はありますが、映画『ウェインズ・ワールド』のボヘミアン・ラプソディの部分のリンクを貼っておきます。この人たちのノリノリの気分よくわかります。やっぱりあそこでクラッシュ・シンバルを叩くフリをしたくなります(実際流れていると必ずやります)

https://youtu.be/thyJOnasHVE

しかし、『ボヘミアン・ラプソディ』を映画館で見たときには、あれがマイク・マイヤーズだとはわからなかったなあ(笑)


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