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覚醒


アイスは緩慢な自殺だ
いつかは夢が叶う 甘き死
ずらされた音符のような鳴き声で
世代の階層を抜けていくと
一人のしかばねが語る
「私は地層になるべきだったのか」

氷菓が舌の上で溶けて
最期のことばの一縷となって 吐き出されたなら
あなたたちは卵となり 夢を語るだろう
懐かしい私たちという言語は
もう 口にされた だから
大地のかけらのついたものを食べよう

家に帰って 生まれくるものに祈りを
そして予定された復活を
何故なら私 歴史の事実だから
かみさまのゆめじゃないから げんじつだから
やがて 軋み出すバイオリズムで
優しく虹を肩にかけよう


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