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諦める力    ⑥Kindle unlimited

最初にこの「諦める力」という銅メダリストのアスリートが書いた本、ってどういう印象を持ちますか?

私が最初に思い描いたのは「金メダルを諦めたときの気持ちをどう自分に折合いをつけるか、物事諦めも肝心」というようなネガティブなことをどう肯定する話かな、って思いました。Youtube で有名ユーチューバー達が紹介していなかったら、絶対手に取ることもなかった本だと思います。

のっけからびっくりしたのは、「諦める」という言葉の本来の意味が世間一般で認識されている意味とは違うということです。本来の諦めるという意味は、ネガティブでもポジティブでもなく、「明らかにする」と言うことらしいです。

「諦めるということが悪いこと、諦めるのは負け犬、諦めずに辛抱強く続けることが素晴らしい」ということに縛られている日本の風潮は、諦めるの本来の意味はなく、「諦める=ネガティブ」になってるという指摘からはじまります。

著者は「諦めない(やみくもに信じて続けること)ことはそんなにいいことか?」「本来の意味である”明らかにする力”を身につけ、手段を辞める、変えるは柔軟でいい」、と言っています。

アスリートたちの生々しい例、スポーツ界の精神論がはびこる実態、世界の自立したアスリートとの比較、著者自身の経験から、より具体的に、自分自身で分析しないこと、慣習的に続けることの弊害を書いています。日本スポーツ界の問題点・日本社会の特徴も炙り出される感じです。

スポーツ界に限らず、辞めることや変化への不安や恐怖、辞めることを良しとしないプレッシャーは日本では強いですよね。

そんな社会風潮の中でも「もっと自由に柔軟に行動してもいいんじゃないか。自分の人生なんだから」とエールを送ってくれる本です。




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