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2030年:すべてが加速する世界に備えよ・・・・・読書メモ⑤

50歳から英語力ゼロから始めたカナダ生活も10年目。今年めでたく還暦のWakeiです。

今回ご紹介したいのは「2030年:すべてが加速する世界に備えよ」・ピーター・ディアマンデス著です。

前回、私は「2025年を制覇する破壊的企業」を読みました。さらに5年後をターゲットにしたこちらの本は、より詳しく書かれ、読み応えがあります。

私はKindle本で読んでいるので、実際のところどれだけの量なのかピンときませんが、読了するのにというか、聴了するのに時間が掛かりました。

以下、簡単に印象に残った点を備忘録として書きます。





未来型農水畜産業

将来の大きな課題は、環境、エネルギーと食糧問題。

増加する人口の食料をどうやって確保するかは大きな課題です。その問題を解決するのが、バイオテックとアグリテックの融合

例えば培養肉の製造。これだけ聞くとなんとも美味しくなさそうですが、細胞からお肉を作っちゃうと言う話。広い牧草地で牛を育てて、その肉をステーキにして食べるのではなく、一つの幹細胞を育ててステーキ肉にするという技術。

牧草地による自然破壊、動物の殺生もなくなり、気候にも左右されない、労働力の縮小、変なウィルスの混入も防げ、大量生産できる、という話です。

現在、この研究は進行中で柔らかいお肉は可能で、動物を使わない乳製品もできているそうです。ただし、現時点では、コストが莫大、まだまだ研究途上です。

バーチャル世界への移住

このバーチャル世界への移住については、正直もう少し具体的に詳しく解説して欲しかった部分です。

「2025年を制覇する破壊的企業」を読んだときに、なぜGAFAをはじめとする企業が人間の五感に作用する研究に躍起になっているかが、よくわかりませんでした。今回、本書を読んでわかりました。

ビデオゲーム、フェイスブック、SNSが中毒性があり、その要因としてドーパミンが作用していることは知られています。現在のインターネットメディア・デジタルメディアはドーパミンに強く作用して中毒性を引き起こします。

そして、それと比較にならないほど中毒性が強いのが、没入型になるVRだと言われています。没入型のVRはその他の脳の報酬系精神伝達物質、ノルアドレナリン、エンドルフィン、セロトニン、アナンドアミノ、オキシトシン、といった6つすべてに作用します。

「没入感」が人を虜し、バーチャル世界に移住する人たちが出てくるというのです。そのバーチャル世界で雇用は拡大するとも言ってます。

具体的にその生活については書かれていませんでした。RVの世界の中の豪邸に住み、理想のアバターを作り、教育を受け、仕事をし、結婚し、家族を作り、子育てをする、アバター生活、みたいなイメージなんでしょうか?

2014年にイギリスでネットカフェでバーチャルベビーを育てることに夢中になった夫婦が3か月になる生身の自分たちの赤ちゃんを餓死させたという記事もあるぐらいです。生身の大変な生活よりもバーチャルの方が楽で楽しい、嫌だったらリセット、みたいに考える人が増えても不思議ではありませんよね。

この章は繰り返しますが、もっと具体的にバーチャルなライフスタイルを書いて欲しかったです。

まとめ

未来を考えるとき、温暖化、気候変動、環境破壊、資源の枯渇、エネルギー問題、人口の増大、貧富の差など、絶望的な情報が多い中、本書では現在進行形で人類が科学技術を駆使して解決方法をさぐっているのがよくわかります。

多岐にわたってよく解説されているのでわかりやすいです。

もちろん、解決の保証はありませんが、具体的で希望が持てる内容です。

科学技術の進歩が生活を変えるのは、社会の進化で抵抗することはできません。実際にその変化は恩恵も多く、どんどん快適な生活にしてきました。

本書を読んでいると、受け入れたいものと個人的には受け入れたくないものもあります。科学技術や環境の変化は前提として、自分がどう付き合いたいかを想像するのもオモシロイと思います。

本当に一体私たちの社会はどうなっていくんでしょうね。未来に興味のある方は是非読むことをおススメします。

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