日記5

 2023年1月の20日。狭い三叉路での出来事だ。その日の三叉路は、とても暖かく、空は、ラッパの音のように晴れていた。その三叉路の真ん中で、茶色い猫が交尾をしていた。カゴにスーパーの袋を乗せた自転車や、チャイルドシートを付けた自転車が、その猫の横を過ぎていく。猫はまだ交尾を続けている。猫の上に、ラッパがぶら下がっている。風に揺られ、太陽の光を反射し、キラキラとぶら下がっている。ラッパをぶら下げている紐は、そこに存在していないと思われるほど細い。猫の腰の動きと、ラッパのキラキラは、同じリズムだった。交尾が終わった。二匹の猫は、すぐさま別れ、三叉の道を行く。猫がいた場所へ、ラッパが落ちる。ゴトン。ラッパの重みを聞く。


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