見出し画像

欠けた三種の神器

八咫鏡(やたのかがみ)
天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)
八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)

十戒の石板(じゅっかいのせきばん)
アロンの杖(あろんのつえ)
黄金の壺(おうごんのつぼ)

東西にそれぞれ伝わる三種の神器


三種の神器とは人なり

八咫鏡は人の脳
受けて感じて反射し思考す
受想行識
鏡の如し

天叢雲剣は
心に沸き立つ叢雲祓い
色即是空 空即是色
鏡に写りた色を返す

八尺瓊勾玉は魂
布留部ゆらゆら揺れる玉響
陰陽流転
陽に震える
陰に震える


陽に震えなば神人一体
鏡に映りて曇りた陰に
震え慄き神から離れ
魍魎産み成し霊懸かる


十戒の石板は鏡
脳に確と刻み込み
叢雲湧かせず言を正す
神を写した鏡なり

アロンの杖は揺らがぬ柱
戒律歪めぬ意思の杖
恐れを祓い悪霊祓い
鬼と成らぬ為の意思

黄金の壺は我が心
曇りを磨いて輝かせ
魔を寄せ付けぬ光となりて
真澄の心と磨くもの


神輿の箱
契約の箱
御魂が宿る器なり
神との契りで身体に宿る
箱は人の身体なり
我が身に神を迎えたりて
神人成りて神輿と成りて
神輿担ぐが神祭り
我が身に神を宿すが祀り


鏡に何を写すのか
写りた色がそのまま還る
受想行識 色即是空 空即是色
心曇りて凝りたれば
受想行識 識即是空 空即是識
思考の檻で堂々巡り
放つ言の葉 叢雲剣
無常が無情と曇りて現る

ゆえに戒律刻んだに
鏡と為せず 杖も失い
黄金の壺は曇りに曇りて
光を失い太陽は
岩戸に隠れて陰の世と成る


陽が隠れては月も照らず
小さき星の明かりを頼りに
暗がりの世を蛇行して
ようやく見つけた明るい星
「宵の明星」を頼りに
天照します光と偽り
陽の代わりに据え置いた

動かぬ星を見つけては
天の真中の柱と成して
杖の代わりに支えと為した


星の明かりのみで幾千年
日月昇らぬ夜の中
天地を写す鏡が頼り
されど鏡も欠けたりて
二つ鏡も一つだけ
二つ石板も一つだけ
これでは岩戸は塞がりて
神と結びは為せぬなり

壺は曇りて玉は陰りて
恐れ慄き霊懸かりして
神と禍霊の区別もつかず
神輿は身輿と成り下がり
箱の契りは途切れ行く



天地の鏡は日月の鏡
日が隠れまして月の夜なれど
日が隠れなば月照らず
されど照らない月は浮かびし

二つ鏡の日の鏡無くし
月の鏡を見ているなれど
照らぬ月が映りておるゆえ
月にばかり勾玉震える
月の鏡は身を写す鏡
ゆえに身慾に振り回される

されど気付けず振り回されて
恐れ慄き叢雲沸き立ち
叢雲凝りて禍霊産まれて
霊懸かりばかりの夜の世に

受想行識が歪んで
色即是空 空即是色
白を黒と写す鏡は
そのまま黒を返すだけ
恐れ慄きが鏡に映れば
恐れ慄く禍霊が産まれん
飢えや渇きが鏡に映れば
餓鬼の亡者が叢雲となり
人に懸かりて餓鬼と為る


日月の鏡の日の鏡
失いたれども無くしてはおらぬ
ただ見失いて日が隠れ
月の明かりも失った

月の鏡は身を写す
日の鏡は魂を写す
鬼(かみ)の云(ことば)を写すのが
天照らします日の鏡


八咫鏡は二つ在り
日月の鏡 二つ在り

剣も二つ
天叢雲剣は天の叢雲祓う劔
草薙劔は地の草々を祓う劔

八尺瓊勾玉も二つ
陽の玉と陰の玉

天地・日月・陰陽・霊身
天・日・陽・霊・隠したが
岩戸閉めの始まりなり


日月の神を結ぶのが
日月地の結びの契り
日月の契りを犯した瓊瓊杵
岩戸閉まりた始まりなり

日を隠したゆえ月も消え
ただ星明かりのアマテラス
日の神ならぬ星の神
宵の明星 水の星
源(水源・みなもと)の神の八幡神
御井(三井・みい)の神の賀茂の神
三つ巴の渦巻く水星

その水を汲む柄杓星(ひしゃくぼし)
渦目の真中の動かぬ星を
柱と為して猿回し
天鈿女と猿田彦
夫婦神と成りまして
星の世界で幾千年
神を重ねて来たけれど
星明かりではいかんとも
照らすに限りがありすぎて
もはやどうにもなりはせぬ


岩戸開ければ朝陽が昇る
黎明の空に明けの明星
夜明けを告げる星の神
堕天使に非ず悪魔に非ず
ただ星の世の終わりを告げる
それを悪魔と呼ぶは誰?

金の星は黄金の心
磨かれ輝く真澄の心
その輝きが隠れた鏡を
照らして日月の鏡が揃う

日月の鏡が日月の玉を
写して日月の剣現る
叢雲祓い 草々を薙ぎ
日月の杖を確と地に立て
日月の御言を磐根に刻んで
我が身の箱に確と納めて
神輿担いで神祭り成る




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?