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【玉響(たまゆら)】~自ら壁を作っている者に壁は壊せない


正しさの壁 善の壁 正義に囲われた壁の中
安全地帯から出ようとせず 何が出来るというのやら
「壊す」ことを悪として 正義を掲げている者に
悪を破壊することなど 到底できるわけも無し

自ら「悪」を纏えぬ弱さ 正義の壁から出られぬ弱さ
その手で「壊す」ことを背負えず 崩壊してくれるのを待つばかり
愛だ正義だ 語れども 安全地帯のお利口さん
自らの手を汚すこと 出来ずに何を壊せるのやら

正義の壁を壊されるたび 新たな壁をこしらえる
そんなことを繰り返しても 安全地帯は狭まりゆくだけ

正しいことをしている自分 善なる隣人である自分
愛を語らい 正義を語らう お利口さんな自分という
自ら科した手かせ足かせ お利口さんの重たき鎧

本音隠して正義を語る 身・口・意の一致せぬ
誠なき言葉に力は宿らぬ 誠なきゆえ行動起こせぬ

いつまで「正しさ」に囚われている?
いつまで「善人」であることに囚われている?
そんなに誰かに褒められたいか?
「褒められる」ことが誠の欲か?

それが本音の誠なら 何一つ変えることなど出来ぬ
正しさを語り 正義を宣い 愛を語らう 善なる隣人
「褒めて褒めて褒めて」と叫ぶ そんな言葉に何の力があるというのか?
「お利口さんでしょ」「良い子でしょ」「すごいでしょ」「正しいでしょ」
正義の壁に囲われて 安全地帯の壁をこしらえ
中から声だけ上げたとて 壁の外は何にも変わらぬ
「誰か」が変えてくれるまで ただただ叫ぶ「お利口さん」

本音と建て前真逆の人々 本音を隠して正しさの壁
正しき言葉で悪をなじる その心根は欲望であるに
欲望のまま行動できず 欲望のまま行動できず
おのれの欲と悪を背負えず ただ「正しさ」の壁の中
欲望のままに生きる悪を うらやまし気に眺めながら
おのれの欲を掲げられず 羨(うらや)み妬(ねた)み罵(ののし)る正義
「正義の壁」という「バカの壁」 自分の本音からも逃げ続ける

自分の中の「欲」というものを「悪」と見立てて正義で囲い
自分にそんなものは無いと 嘘をついている限り
自分の誠の「欲」もわからず 自分の「誠」が立つわけは無し
正義を語り正しさ語る その心根にある欲望
それがなければ叫ぶことなど 無いのだということもわからぬ
無ければはなから不満など 起こる理由もあるまいに

怒り叫んでいる心根の おのれの欲を確と抱け
その中にある黒き炎 乾いた欲から生まれた炎
自分の中にもある悪の 黒きかがり火取り出して
愛の焔に変えられぬなら 壁の中からは出られぬ
誠無き正義 誠無き愛 ただ正しいというだけの言葉
そんな言葉に力は宿らぬ だから何一つ変えられぬ

正しき正義のお利口さん 口をついて出ているは利己
お利口さんであることは ただの利己主義に他ならぬ
自分で手を汚さずに おこぼれ欲しがる利己の言葉
善と愛と正義の正しさ 悪を背負えぬ心の弱さ
陰陽調和せぬ言葉 何の力もな言葉
中身のない 芯の無い 抜け殻のような正しき言葉
愛だ正義だ語っても その心根は「欲しい欲しい」と
叫んでいること認めねば 何も変わらず変えられぬ

何が欲しくて正義を語る?
何が欲しくて愛を語る?

愛も正義もただの〇(殻) 欲が纏った衣にすぎぬ
・(真ん中)に在る欲は何ぞや?
語る正義の 語る愛の ・(真ん中)にある欲は何ぞや?
その欲認めて抱いて初めて 愛も正義も⦿(誠)と成る

陰陽調和 善悪調和 正邪調和 愛欲調和
自ら・(真ん中)排除して 〇(側)の美麗をいくら叫べど
・(真ん中)の無い抜け殻じゃ 何も変わらず何も変えれぬ
高尚な愛と低俗な欲 自分の中で調和して
⦿(誠)の愛が語れるならば 善も正義も力と変わる

穢れた邪悪の真ん中にある ・(誠)がその目に写るだろう
善なる正しさ 邪なる悪 その・(真ん中)にあるものは
何ら変わることのない 愛があるのだということ

・(欲)に囚われた暴悪と 〇(側)に囚われた偽善と
欠けたるものが結ばれて ⦿となりて初めて調和す

八岐大蛇を生んだ愛 八岐大蛇を鎮めた愛
陰陽調和し鎮まるが ⦿(誠)の愛の姿なり
・(欲)が無ければ愛は生まれず ・(欲)が無ければ悪も生まれず
・(欲)が無ければただの空蝉(うつせみ) 抜け殻だけの生命無き生命

・(誠の欲)とは何ぞや?

欲に偽善の衣を着せて 欲の真姿わからぬか
欲の満たされぬ「はけ口」を 欲と勘違いしおるか
欲を満たすは「調和」に非ず 誠に満たせば「愛」となる
誠の・(欲)に着せた衣が きちりと合わねば愛とはならぬ
誠の・(欲)が求めるものは 調和し揺らがぬ〇(絹衣)
代用品では治まらぬ 「はけ口」満たせど治まらぬ
誠の・(欲)には・誠の〇(愛) 誠の〇(愛)は誠の〇(情)
喜怒哀楽のすべてを包む どれでもあってどれでもない思い
偏らず 留まらず 揺蕩(たゆた)い巡る玉響(たまゆら)の如き
生きた思いが誠の〇(情) 喜び悲しみ恐れて怒る玉響
真ん中の・(欲)が真っすぐに 響いて揺蕩う玉響の⦿(愛)

人の・(欲)は神の⦿(愛) 弥栄に広がる玉響の響き
喜怒哀楽の情けの水に 留まることなく巡る弥栄
天地陰陽日月の調和 淀むことなく流れる水に
響いて映る玉響の影 清き水にしか映らぬ影

欲する思いは発する神の火 はけ口求める思いに非ず
調和を求める思いが愛 ・(欲)を労わる〇(情)が⦿(愛)となる
誠の・(欲)を塞ぐから ひび割れはけ口求めて流れる
はけ口求める情は巡りから外れ 淀み腐りて穢れを放つ
善も正義の正しさも ⦿(愛)の調和を阻む壁
喜怒哀楽を調和させるよう 善悪正邪を調和させる
調和させるは巡らせること 淀まず留まらず腐らせず
真ん中の・(欲)が真っすぐに 響き巡りて生命する
清き流れに生まれる玉響 邪悪を浄める調和の流れ
善は善ならず 悪は悪ならず 正しさ非ず 邪非ず

正しさの壁 善の壁 悪を悪とし邪を邪とする壁
本来善悪正邪無し 淀み留まり腐りて生まれる
清き流れの中には生まれぬ ただ玉響となるだけぞ
玉響と成るを妨げる 心の掃除洗濯すべし




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