2024年度 The Guardian書評まとめ
こちらの記事ではゼミで行われるThe Guardian書評をまとめています。
7/18The Guardian書評
今回の選出記事はTrump rally shooting being investigated as suspected attempt on his life 「7/14 トランプ氏の銃撃事件について」とBiden introduces Zelenskiy as ‘President Putin’ at Nato summit「7/12 バイデン大統領はゼレンスキー大統領を誤って紹介した。」の二本立てで紹介します。
要約
7/14日、ペンシルベニア州バトラーで行われたトランプ大統領の選挙集会で、銃撃事件が起こった。容疑者は20歳の地元住民であることが特定されており、事件直後にシークレットサービスによって射殺されたとされている。容疑者は介護士として働き周囲の評判もよく、政治的見解を話す方でもなかったとされている一方で、学生時代にいじめにあったことやライフル部に入部を希望していたことなどもインタビューによって明らかとなった。この事件で観客1人が死亡し、他2人が重傷を負った。トランプ氏は右耳上部に銃撃を受け、血を流したものの、会場を去る際は右手を掲げ戦う意志を強調した。
バイデン大統領は、ウクライナ大統領のゼレンスキー氏を誤って「プーチン大統領」と紹介し、その誤りが大統領選にマイナスの影響を及ぼすと懸念されている。この出来事は、ワシントンでのNATOサミット最終日の署名式で起こり、バイデン氏はすぐに自分の誤りに気づき「プーチンを打ち負かすことに集中しているため誤ってしまった。」と訂正。この出来事は、バイデンの認知機能に関する懸念を再浮上させ、会議全体に影を落とした。
まとめ
今回のトランプし銃撃事件はメディア各種で大きく報じられることとなった。これを受けバイデン大統領は今までのトランプ氏批判からの戦略転換を余儀なくされている。加えて、自身の認知機能に対する懸念が加速していることからバイデン氏の立場は劣勢になるとも考えられた。一方トランプ氏は銃撃事件の際、敵意に屈しない意志を表明し負傷から華々しく復活することで民衆の支持をより強めることとなったのではないかと考える。両者とも課題(バイデン氏:認知機能の懸念 トランプ氏:今回の怪我や不正事件における裁判)が残る状態であるものの、今回の銃撃事件が本選挙の転換点となったことは確実であろう。
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7/11The Guardian書評
本日の選出記事はCourt orders Japanese government to pay damages over forced sterilisations「7/3裁判所は日本政府に強制不妊手術に対する損害賠償を支払うよう命じる」 です。
要約
障害者らに不妊手術を強制した旧優生保護法(1948~96年)を違憲とし、国に賠償責任を認めた最高裁判決を受け、超党派議員連盟は9日の総会で、新たな補償の枠組みを設ける新法の提出を目指す方針を表明した。当初政府は損害賠償に関して20年の時効が満了であるため支払わないとの主張を行ったものの反対運動の激化を受け2019年に一人当たり320万円の一時金支給を行った。しかし今回の判決で確定した慰謝料は1300万円〜1500万円と一時金との間に差があり新法では一人あたり1500万円の支給を目指すとしている。
政府は16500人に対し法律のもと強制的に不妊手術を行ったいことを認めており岸田文雄首相は17日に原告の被害者らと面会する方針を明らかにしている。
しかし、他の記事では旧優生保護法下で強制不妊手術を受けたと訴えた北海道夫婦の上告を退ける決定がなされたとの報告もあり被害者側の補償額や認定方法などの問題はいまだに残っているとされる。
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7/4The Guardian書評
今回の選出記事はUS air force member charged with kidnapping and rape of teen in Okinawa「2/26沖縄で10代女児の誘拐とレイプの容疑で起訴された米空軍メンバー」です。
要約
日本の沖縄島の検察官は、昨年12月に10代の少女の誘拐及びレイプの罪で米空軍の男を起訴した。この事件は事件発生の当日に報告されていたが、被告は三ヶ月間起訴されておらず、6/25日にようやく林芳正官房長官が記者会見にてこの米兵が起訴されていた事を明らかにした。起訴は3月27日付で、日本当局に勾留されているという。米軍人が関与する事件は以前から問題視されており地元住民からの反発を引き起こす可能性が極めて高い。また、沖縄県の玉城デニー知事は「県民に強い不安を与えるだけでなく、女性の尊厳を踏みにじるものだ。強い憤りを禁じ得ない」と述べ、今回の報道を受けて問い合わせるまで、外務省が起訴について県に連絡しなかったことについては、「信頼関係において著しく不信を招くものでしかない」と非難した。
その一方で中国や北朝鮮との緊張が高まる中で日本にとってアメリカ軍の存在は必要不可欠であり外交目標に影響を及ぼす可能性は残念ながら低いとされている。(優先事項でではない?)
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6/27The Guardian書評
今回の選出記事はMore than 1,000 hajj pilgrims die amid temperatures approaching 52C in Mecca 「6/20 メッカで気温52度を記録。1000人以上の巡礼者が死亡」です。
要約
サウジアラビアは気温の影響でハッジに訪れた人が少なくとも1000人以上死亡したことを報告した(最新の情報で1301人)ハッジとはイスラム教の通過儀礼である大巡礼を意味し、暦によって開催日程が決定される。今年の大巡礼は14~19日の気温五十度が記録される熱波の中で開催され、合計参加者は180万人に登った。大巡礼には以前から無許可の巡礼者が多いことが問題となっていた。それは大巡礼に専用のビザ(国別に割り当てられ、抽選で決められる)が必要であることや、世界各国からサウジアラビアのメッカまで移動するためには高額な費用がかかってしまうため、強制送還等のリスクを冒しても参加しようとする信者が後を立たないためである。そして今回の問題では死亡者の8割以上が無許可参加者であったことが確認されており、サウジアラビアの安全対策が不十分だったのではないかと批判を受けている。他にも多くの死者が出たエジプトではメッカへの違法な巡礼を助長したとして旅行会社16社のライセンスを取り上げ経営者の取り調べを行うなどの対応を行なっている。
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6/20 The Guardian書評
今回の選出記事はPhilippines increases South China Sea patrols as Beijing set to roll out new trespass laws「6/14 フィリピンは中国の不法侵入法導入に先駆け南シナ海の警備を増加させる」です。
要約
中国が中国領海に不法侵入した疑いのある外国人を最長60日間拘束できると定めた法令を施行した。これは近隣の諸外国に対し南シナ海や東シナ海においての権利主張を強め緊張を高める目的があるとされている。この法令に先駆けフィリピンでは南シナ海のパトロール強化を開始している。両国は以前から南シナ海において衝突を繰り返している。中国側は以前から九段線(水文学調査を目的として作られた十一段線を元とされている。根拠は島嶼帰属の線であることや歴史的権利・水域の範囲であることとしている。)を根拠として南シナ海の90%を領海であると主張しているが、2016年にハーグ仲裁裁判所が法的根拠がないとして国際法に違反すると判断した。また、他国とも領海が重複すると主張されており、今回フィリピン大統領はフィリピン市民が「故意の行為によって」殺された場合、これは「戦争行為」に非常に近いだろうと述べたことから緊張の高まりが現れている。
専門家は中国の動きに対し「グレーゾーンの手法」を拡大させている発言した。特に沖縄県の尖閣諸島周辺を含む東シナ海や日本の貿易の要と言える南シナ海で中国による一歩踏み込んだ法執行活動が実行される危険があると批判している。
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6/13The Guardian書評
今回の選出記事は Russia nuclear-powered submarine to visit Cuba amid rising tensions with US 「6/7 アメリカとの緊張が高まる中、ロシアの原子力潜水艦がキューバを訪問」です。
要約
原子力潜水艦と石油タンカーを含む3隻(記事によっては4隻との記述)のロシア海軍船がキューバ首都に停泊することが発表された。この3隻には核兵器搭載はないとし、地域に脅威を及ぼすような寄港ではないとも主張されている。訪問はウクライナ戦争下で西側との緊張が高まる中で開催され、イタリアでのG7サミットにおけるバイデン氏の訪問とタイミングが重なることからも、アメリカを牽制する狙いがあると見られている。また、ディアス・カネルとプーチンの2022年の会談以来、ロシアとキューバの関係はより緊密になっていると言え、特に経済状況の悪化が加速しているキューバはロシアに対し原油や援助への依存も高まっている。
社会主義体制のキューバはアメリカのフロリダ州から約200キロと非常に近くに存在し、旧ソ連時代からロシアとの関係が深い。1962年にはソ連がひそかに核ミサイル配備を進めて「キューバ危機」が起き、米ソの核戦争寸前まで進んだとされている。
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6/6The Guardian書評
今回の選出記事はMexico elects Claudia Sheinbaum as its first female president in landslide victory 6/3「メキシコで初めての女性大統領が選出される」です。
要約
メキシコにて大統領選挙が行われ、メキシコ市の前市長であるクラウディア・シェインバウム氏(61)が歴史的大差で、同国初の女性大統領に選出された。選挙では与党左派政党(morena)であったシェインバウム氏と野党連合(国民行動党+民主革命党+制度的革命党)のソチル・ガスベス上院議員の女性候補者同士の一騎打ちであったが、シェインバウム氏が約60%もの票を獲得しガスベス氏と2倍もの差をつけて勝利した。
シェインバウム氏はメキシコ国立自治大学で環境工学博士を取得しており、2000年にアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領がメキシコ市長を務めた際、同市の環境長官に任命された経歴を持っている。その後2018年からはメキシコ市長を務めメトロバスの導入に尽力するほか研究職などにも携わっている。
また、シェインバウム氏は国民の支持が高かったロペス・オブラドール大統領の後継者とされており、4大インフラプロジェクトや治安政策などの前大統領の政策を引き継ぐとされている。彼女が所属するmorena
(国家再生運動党)は国民のための政治を目指し、前政権の腐敗したエリート層による統治からの脱却を目標としている。
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5/30The Guardian書評
今回の選出記事は‘I’m the king and I will destroy you!’: Argentinian president stages frenetic stadium appearance 「5/23 アルゼンチン大統領がコンサートを開催」です。
要約
アルゼンチンの大統領であるハビエル・ミレー氏が自身の本のリリースパーティとして約8000人収容の会場でライブを行った。ライブでは彼を支持する著名人などを集め、有権者である右翼支持者を惹きつけた。しかし、ジャーナリストや左派政党はミレー氏は経済的な社会危機を隠蔽しており、このコンサートは社会問題の解決に付与しないと意見を表している。
2023年にアルゼンチの新大統領となったハビエルミレー氏は保守派の政治家として知られている。また、過激な発言や中央銀行の廃止などの主張から「アルゼンチンのトランプ氏」としても有名である。現在アルゼンチンではインフレ率が300%に迫るなどハイパーインフレによる経済状況の悪化が不安視されているが、それに対する効果的施策はとられていないとされる。また、彼が就任して以来市民の5人に3人が貧困の中で暮らすという20年で最も深刻な危機となっている。今後ミレー氏がどのような政策をとるのか、国際的な右派メンバーとしてどのうな地位を築くのかが今後の焦点となる。
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5/23 The Guardian書評
今回の選出記事はIran: who holds power now the president is dead?「5/20 イランで大統領が亡くなった今誰が権力を握るのか?」です。
要約
イラン北西部の東アゼルバイジャン州でヘリコプターが墜落し、63歳であったイランのライシ大統領や外相など8名が亡くなった。これを受け来月28日に大統領選挙が行われることとなる。そこで大統領候補3名を取り上げたい。
まず、ライシ大統領とは?
2021年に大統領に選出された保守強硬派の指導者。取り組みとしては宗教上の保守的取り締まりの強化・反欧米路線・ガザ情勢におけるハマス支持などが挙げられる。今回のヘリコプター墜落という事件はイスラエルによる陰謀論を唱える声も上がっている。
アリ・ハメネイ:現在85歳のハメネイ氏はイランの第三代元大統領であり、イランの第二代最高指導者や革命防衛隊(IRGC)指示官等を歴任しており大統領再選の可能性を有している。政治的イデオロギーは保守派であり、ライシ元大統領と保守強硬路線を推し進めていた。しかし、持病の問題や宗教上の問題(最高指導者になった場合、シーア派の規範では聖職者の地位を失う)などが残っている。
モハマド・モクバー:現在代理大統領に任命されているモクバー氏は副大統領を勤めていた。副大統領になる前はハメネイ氏の管理下にある慈善団体に属していたものの、人権侵害で告発されておりアメリカによって制裁を受けている。?
モジュタバ・ハメネイ:現在54歳のモジュタバ氏はアリハメネイ氏の次男である。以前からアリハメネイ氏の後継者として支持を高めていた人物であり当選の可能性は高い。しかし、2019年のアメリカ財務省の報告によると「父親の影響力でしか政府の地位に任命されたことがないのにも関わらず公的な場で最高指導者を代表している」と非難されている。
今回の大統領選挙の影響が今後の外交等にどのような影響が出るのかが焦点となっている。
おまけ(イランの政治背景について)
一部記事によるとハメネイ氏が宗教上最高指導者と革命防衛隊指導者を兼任した結果、革命防衛隊が大きな権力を持ってしまい、聖職者との地位を逆転させてしまった。今後革命防衛隊は権力を掌握し、「聖職者による支配」を有名無実化するが、今と同様な専制政治体制を敷く可能性がある。これは宗教規制の緩和や欧米との交渉推進の可能性が期待できる。
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5/16The Guardian書評
今回の選出記事はHow the humble coconut is starting to fuel parts of Papua New Guinea「5/10 パプアニューギニアでココナッツ燃料が供給される方法」です。
要約
パプアニューギニアにとって数十年前までココナッツは主力輸出品の一つであったが、現在では国際市場で価値が低下している。そこで、パプアニューギニアではココナッツをバイオディーゼルの生産に使用する民間プロジェクトが開始されている。このプロジェクトでは年間およそ60万リットルのバイオ燃料を生産し政府車両や救急車の燃料及び学校や病院の電力供給に活用されている。
バイオディーゼルとは菜種油や廃食用油などをメチルエステル化して製造される、ディーゼルエンジン用のバイオ燃料を指し、地球温暖化対策として化石燃料の代替燃料として期待されている資源の一つである。(ちなみに、昨今のCO2排出量及び大気中濃度は劇的に増加しているそうです。→ガーディアン記事参照)歴史は非常に古く、1900年にRudolf Dieselが落花生油をディーゼル内燃機関の燃料として使った実験に始まる。パプアニューギニアでは1980年ブーゲンビルの革命勢力によって使用されたことが始まりである。現在60万リットルのバイオディーゼルを生産しているものの、そのほかの約25万リットルは化石燃料が輸入されている現状にあり、今回のプロジェクトが支援され拡大することにより内需により応えることができると期待されている。加えて、バイオディーゼルの開発は雇用の拡大や国際市場への参入の可能性を秘めており、地域に利益をもたらすことが期待されている。
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5/9The Guardian書評
今回の選出記事はEurope live: China’s Xi Jinping calls for closer ties with the EU at opening of Paris talks – as it happened「5/6 習近平はパリ会談でEUとの関係を深めている。」です。
要約
中国首相の習近平はパリ会談の場でEU各国の首相等と議論を行なった。習近平氏がEUを訪れるのは5年ぶりで、具体的議題は貿易とウクライナに関してである。貿易に関してはEU委員長であるフォンデアライエン氏がヨーロッパと中国の両方が「ルールに基づく国際秩序の効果的な機能」を目指しているが、コスト削減につながる中国産業への国家支援はヨーロッパへの不均衡を及ぼすとし懸念点であると述べた。また、安価な電気自動車、鉄鋼、安価な太陽光および風力技術の輸入をめぐって中国との貿易戦争を開始する用意があると再度述べた。
習近平氏はパリ以外にセルビアとハンガリーも訪問する予定であり一帯一路を通じ中国との関係強化から対立が続くアメリカを牽制する狙いがあると見られる。
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5/2 The Guardian書評
今回の選出記事はUkraine war briefing: Russia making gains from slow western aid, says Nato chief「4/30 ロシア・ウクライナ戦争まとめ:ロシアは西側の支援の遅さから利益を得ている」です。
要約
NATO諸国のウクライナに対する支援の遅れが戦線においてロシアに利益をもたらしているとNATO長官は述べた。この支援供給の遅さに伴うウクライナにおける防空の欠如はロシアからの攻撃及びロシアの前進を可能にしたとされる。このことはロシアに対し漸進的な利益を享受させている。加えて、オデッサ州などの民間インフラに対するロシアの攻撃で少なくとも4人が死亡し、32人が負傷をおった。そのほかにもハリコフに対する攻撃には北朝鮮の弾道ミサイルが使用されたとし、ロシアに違法に供給されたと見ている。北朝鮮は、2006年以来、弾道ミサイルと核計画に対して国連の制裁下にあるにもかかわらず、そのような武器を開発し、ロシアに供給していると非難されている。
そのほかにも、ドイツにてロシア市民に療養中のウクライナ兵殺害されたことや、ロシアに強制送還された女性の性暴力の問題など複合的な事件が起こっている。(これについては戦争勃発以降初めてウクライナに訪問した英国王室関係者であるエジンバラ公爵夫人が性被害に対しての見解を述べている。)
今回の記事のほかに、北朝鮮のミサイルから日本やアメリカメーカーの模倣品が部品として利用されたことなども問題視されていた。ウクライナの物資不足やロシアと北朝鮮の技術革新が相まってウクライナ側の戦況は悪いと見ていいだろう。これを加味し日本も国際的な立ち位置や対応を検討する必要があるだろう。
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参考文献
4/25 The Guardian書評
今回選出した記事は Messianic spell’: how Narendra Modi created a cult of personality「4/19 ナレンドラ・モディがどのようにカルト的支持を獲得したのか」です。
要約
インドで下院総選挙が始まり、モディ首相の3期目突入が期待されている。このモディ氏への圧倒的支持はどこから来るものなのか?ジャワハルラール・ネルー大学の政治学教授はモディ氏が生み出した10年間はインドを入植者の連鎖から解放し、経済や政治的にエリートへと導いたことにより神聖化されている。一方で貧富の差が加速していることから権威主義の高まりも危惧されている。また、モディ氏のカルト的支持はその経歴が影響しており、以前所属していたRSS(右翼のヒンズー教の準軍事組織)のイデオロギーに強く影響を受けたものだとされている。
今回の記事はこれでおしまいです。最後まで読んでくださりありがとうございました。
4/18 The Guardian書評
今回選出した記事はUS inflation rises to 3.5%, weakening hopes of early interest rate cuts – business live「4/10 アメリカでインフレ率3.5%を記録」
です。
要約
アメリカでは2月から消費者物価指数(CPI)上昇しており、ついに年率3.5%を記録した。これは経済学者の予想である3.4%を上回る結果となった。そのためアメリカの金利引き下げの可能性は低下すると予測されている。インフレ率は2022年の9%以上の高値から急激に低下したが、FRBの目標金利である2%を上回っている状態である。2022年秋ごろから2023年前半にかけて、アメリカ経済はコロナショックによる高インフレとそれに伴う連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めなどに伴う高金利の影響により、米国経済は2023年中に景気後退に陥ると考えられていた。しかし実際には高インフレの状況が続いている。これはコロナ禍における家計のストックの増加が多かったことからコロナ明けの消費が加速したためだと考えられている。加えて、ガソリン価格の高騰は中東情勢の緊迫化に影響を受けたものと見られる。また、このインフレを受けFRBはおよそ23年ぶりの高い水準となっている政策金利の据え置きを決定した。これを受け日本経済は劇的な円安に陥っており、マイナス金利解除となったにもかかわらず、円安の定着を懸念する声も見られる。
今日の記事はこれでおしまいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考サイト
https://www.dlri.co.jp/report/macro/330323.html
4/11The Guardian書評
今回選出した記事は‘He knew it was wrong’: Sam Bankman-Fried sentenced to 25 years in prison over FTX fraud「3/28 サムバンクマンフリードはFTX詐欺で25年の懲役刑を宣告された」 です。
要約
サムバンクマンフリードは現在は破綻している暗号通貨取引所FTXの元最高責任者として詐欺とマネーロンダリングの刑で25年の懲役刑及び110億ドルの資産の没収を言い渡された。2022年ftxは業界2位の業績を獲得し、暗号資産業界の先駆者であった。FTXの特徴として他の競合企業はレバレッジによる取引を行っていた中、FTXは業界初となる暗号資産による金融派遣商品(FTXトークン・デリバティブなど)を取り扱ったことが挙げられる。
しかし同年11月、姉妹企業のアメラダリサーチに対しFTXが発行するFTXトークンを過剰に借り入れることによって利益を生み出す脆弱性の高い運用方法が明らかになった。加えて、バンクマンフリード氏が顧客から得た資金の約80億ドル(1兆2000億円)を不正利用し不動産購入やロビー活動(政治献金)などに使用したと見られている。その結果、FTXはこのスキャンダルが発覚したわずか9日後に破綻するに至った。本来は100年以上の禁固刑を課される可能性があったものの、同被告が自閉症を患っている等の要因から25年の懲役刑という短い刑期になった。(持病と刑期の関係性の信憑性は不明)同被告は齢32歳であり、暗号資産業界に与えた影響は良くも悪くも大きいと言える。
これで本日の記事はおしまいです。最後まで読んでくださりありがとうございました。
参考サイト
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