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編集者とはどうつきあえばいいの?

・編集者は先生ではない。


 謙虚な新人作家にありがちなことなのですが、編集者のいうことを聞きすぎてしまう人がいます。編集者はメーカー側の担当者であって発注者。作家は下請です。
 編集者のアドバイスの全部を聞いてはダメです。自分の小説を良くするアドバイスだけ聞いて、この人のアドバイスは見当外れだと思うなら無視したらいい。ここは譲れないという部分については譲らなくてもいいのです。
 「ぼくのかんがえたすごいしょうせつ」を書かそうとして、アドバイスという名の押しつけをする人とは距離を置きましょう。

・編集者は友達ではない。


 これも新人作家にありがちなことですが、編集者は会社側の人間です。会社の利益とあなたの利益がバッティングするとき、編集者は会社の利益を守り、あなたを切ります。裏切られたわけではありません。会社員として当然の行為をしているだけです。

・編集者はマネージャーではない。


 編集者は編集作業をする人であって、あなたのフォローをする人ではありません。編集者に過剰な要求はしないようにしましょう。自分をどう売っていくか、考えるのはあなたです。

・編集者に不満があれば本人に直接言いましょう。
 編集者のやり方に不満があれば、直接言いましょう。編集者でらちがあかないときは編集長に言いましょう。
 黙っていればこちらの意を汲んで善処してくれるというのは、大変危険な考え方です。
 人間、話さなければわからないのです。

・これがうちのやり方です、と言われたときは、理由を聞きましょう。


 編集者のやり方に不満があり、要望を言ったとき「これがうちのやり方です」と言われるときがあります。理由を聞きましょう。その理由が納得できるなら引き下がりましょう。

・困ったことがあれば編集者に相談しましょう。


 親が入院して締め切りに遅れそうだとか、インフルエンザになって打ち合わせに行けないとか、トラブルが起これば編集者に相談しましょう。

・メールではなく、電話で、できれば直接お会いしましょう。


 最近の若い人は何でもメールで済ませますが、編集者と直接話しましょう。できれば編集者と直接お会いしましょう。

・わからないことがあれば、編集者に聞きましょう。


 校正者のチェックで、「差別語です」という指摘がありました。私は何が悪いのかわかりませんでした。編集者に聞いて納得し、校正者が神経質になりすぎているのだと判断し、ママ(そのままにするという意味)にしました。校正者のチェックを全部通す必要はありません。正しいチェックだけ訂正すればいい。編集者に聞きましょう。

・仕事相手に敬意を持って仕事をしましょう。


 編集者には困った人もいますが、問題を起こすのはごく一部です。大半は熱意を持ち、真摯に仕事に取り組んでいます。感謝の気持ちを持って仕事をしたいものです。

・締め切りを守り、著作権法を知り、自分を律しましょう。


 社会性のない作家を編集者がフォローする図というのは、物語の中でだけ存在する幻想です。作家は次々に湧いて出る、取り替えの利く部品です。
 締め切りを守り、著作権法を知りましょう。パクリはしない。税金はきちんと払う。警察ざたにはならない。自分を律しましょう。契約書は読む。おかしな誓約書にはサインしない。
 打ち合わせには遅刻しないようにしましょう。
 作家同士で情報交換しましょう。情報交換を嫌い、口止めをする編集者は危険です。
 振り込み日には振り込みを確認して、もしも入金されていなかったらすぐさま問い合わせましょう。

 社会人としてきちんとした仕事をすることが、編集者とうまく付き合うこつだと思います。

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