廃掃法解説 特定有害廃棄物について

行政書士の若月です。
皆さんこんにちは。
週末から道外、その後稚内の出張、更に会食となんだか忙しくなってきました。
最近買ったスイッチのゼルダの伝説を週末にやるのが楽しみなのですが、なかなか時間が取れず、悲しいですが今回もよろしくおねがいします。

不定期投稿、廃掃法解説。
特別管理産業廃棄物は、産業廃棄物の中でも爆発性、毒性、感染性のある危険な廃棄物であるというのが、前回のお話でした。

その中で前回は割愛させていただいた「特定有害産業廃棄物」について、今回は深堀りしていこうと思います。

特定有害産業廃棄物は、特別管理産業廃棄物の種類のひとつですが、重金属やPCB、ダイオキシンなどを含んだ「特に危険な廃棄物」という認識が良いかと思います。

大きく分けて全部で11種類あります。
詳しく見ていきましょう

・廃PCB、廃PCBを含んだ廃油
・PCBが含まれた廃棄物(紙くず、木くず、プラ、がれきなど)
・PCB汚染物を処理したものでPCBを含むもの
・特定の施設(大学や国の研究機関など)から生じた廃水銀、もしくは廃棄物から回収した廃水銀
・下水道法で指定された汚泥
・重金属などを含む鉱さい
・特定の施設から発生した、飛散の恐れのある廃石綿
・重金属、ダイオキシン類などを含む燃え殻
・重金属、1.4ジオキサン等を含むばいじん
・有機塩素化合物、1.4ジオキサン等を含む廃油
・重金属、PCB、1.4ジオキサン等を含む汚泥、廃酸、廃アルカリ

ますますややこしくなったでしょうか。
少し、詳しく見ていくことにしましょう。

まずはみなさんご存知のPCB
電器の絶縁体として使われた物質ですが、人体に有害ということで現在は製造が禁止されている物質です。

日本の歴史に残る公害事件の原因物質なので、その危険性は改めて言うまでもないでしょう(気になる人は調べてみてください)。


下水道法で指定された汚泥は、水道の終末処理場に溜まるヘドロのようなものです。

排水を川などに放流する前に、濾過、沈殿を繰り返すことで、お魚の暮らしやすい水にしてから放流するわけですが、その過程では危険物質が多量に発生するのです。


続いて重金属を含む鉱さいについてです。

そもそも鉱さいというものに馴染みがない方が大半なのではないでしょうか。

僕たちが日常で使っている金属製品は、原料である鉱石を精錬して作られていますが、そのプロセスで発生する不純物を鉱さいといいます。

その鉱さいには時折重金属が含まれることがあります。

重金属はヒ素や鉛、水銀などの種類があり、人間の細胞の働きを鈍らせるとても危険なものです。

昔の女芸人さんや舞妓さんが使うような「白粉(顔を白くするやつ)」には鉛が入っていたそうで、多くの女芸人さんらが鉛中毒で体調を崩し、若くしてなくなってしまわれたのだとか。

それだけ危険なものなんですね。

「特定の施設から発生した飛散の恐れのある廃石綿」という言葉は最高に分かりづらいですね。
これは、石綿除去作業で生じたカスやチリみたいなものです。
石綿を吹き付けた天井なんかを解体して砕くと、その破片は石綿が露出していて、舞い上がる恐れがあるので危険なのです。

石綿が含まれた建屋の解体では、防じんマスクや集塵機を使います。作業後にはマスクや集塵機フィルタには石綿が付着しているので、それも特定有害産業廃棄物として処理します。

後は、研究や製品製造過程で用いる薬品等を処理した時を想像してください。

物ができる過程には、有害なキツイ薬品をたくさん使うわけですよ。
そしてそれを焼却すると有害物質を含んだ燃え殻、ばいじんが発生するのです。

1.4ジオキサンだの、ダイオキシンだのを含んだ廃棄物が、特定有害産業廃棄物に該当するということになります。

大雑把な説明にはなりましたが、以上が特定有害廃棄物の概要でした。
特別管理産業廃棄物の種類の一つという認識で、特に困ることはないと思います。

不定期投稿廃掃法解説
次回は、法第3条~「事業者の責務」について解説していく予定です。

今回もお読みいただき、また、僕の勉強にお付き合いいただきありがとうございました。


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