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なんとなく、出会う景色が好きだ



三浦の田舎道から見えてくる海が好きだ。

なんとなく、休日に近所を散歩して見えてくる海が好きだ。

部屋の窓から見る日常の海でもなく、ビーチまで降りて潮風を感じる海でもなく、なんとなく歩いてふと見えてくる海が好きだ。



家の玄関を開けると見える夕焼けが好きだ。

なんとなく、夕方に出かけようと扉を開けた時に見える夕焼けが好きだ。

ちょっと歩いて山間に見える夕焼けでもなく、半島の反対側の海で見える夕焼けでもなく、なんとなく扉を開けて目に飛び込む夕焼けが好きだ。



三浦の小高い丘から見える富士山が好きだ。

なんとなく、自転車を漕いだ先で見える富士山が好きだ。

名スポットで見る富士山でもなく、地元山梨で見る富士山でもなく、なんとなく自転車を漕いでたどり着いた先でたまたま目にする富士山が好きだ。



なんとなく動いた結果、ふと、急に、たまたま出会う景色が好きなのだ。綺麗だと知っていて見る景色でなく、思いがけず目にした景色は驚きを感じるとともに猛烈に印象に残る。


期待値も何もないから、0の状態にひたすらプラスされるからだろうな。これからもまた偶然出会う景色に喜びを感じたいけど、こうやって書き留めたことでなんとなく散歩すると自然と期待してしまうのだろうか。


いや、具体的な景色を想像するわけではないから、それはいいのかもしれない。「どんな景色と出会えるのだろう」と、かえってワクワクするからいいのかもしれない。いや、そもそも景色との出会いを期待して散歩することはあまりないか。


過剰に期待するのは嫌だけど、かといってまわりにあるものに全く気が付かないほど忙殺された人生は歩きたくない。

ありがとうございます。本を読むのに使わせていただきます。