スポーツは必ずしも良い子を育てないよねって話
数年前の読書ノート。「スポーツは『良い子』を育てるか」を読んで。
スポーツに対する好イメージ、「スポーツは健康な肉体と健全な精神を育てる」を特に幼少時に着目し真っ向から反対する本。著者はスポーツライターでありクラブで指導・経営をしている。
スポーツはその性質から、筋肉や柔軟性などを育て健康的な体を作るとされている。確かに適度な運動ではそうだが、子供達が注目するのはトップアスリートだ。彼らは往々にして怪我をすることが多い。また怪我を押して競技を続けけ。人生という長いスパンで見るとむしろ不健康であることが多い。また平時の練習や競技会で肉体的にもまた精神的にも疲労していて、運動をしていない人に比べてかえって免疫力が低いというデータもある。
また健全な精神を育むという話。
確かにスポーツマンシップの精神に則ると魅力的な子供に育つと思う。一方で、やはり子供達が注目するのはトップアスリートだ。彼らはスポーツマンシップもそうだがそれ以上に「勝利至上主義」で競技をしている。プロである以上負け続ければ食っていけなくなるのは当然のことである。その中でトップアスリートはずっと自分で設定した目標を持ち続け自己実現を達成していく。これが最も重要なところなのだが、子どもひいては指導者や保護者は「勝利至上主義」に着目してしまい子供にもそれを課してしまう。
⇔スポーツにおいて子供は結果より過程が重要である。
なぜならスポーツの4大要素である「バランス」「柔軟性」「筋力」「全身持久力」はそれぞれ成長する時期がちがう。
幼少期はバランスが最も育ちやすく、育てるべきである。また筋力の発達は個人によるので、どうしても子供のうちは筋力の発達が早い人が勝ててしまう。そこを勘違いして指導したり子ども自身も他をトレーニングしないといわゆる伸び悩みに至ってしまう。
また勝利至上主義はスポーツマンシップをあっさり無視する。
サッカーのシミュレーションやボクシングの2回までの反則然りだ。勝つためには両方とも有効であり、まあやってほうがいいかもしれない。しかし突き詰めていくとそれも通用しなくなる時がくるし、またあくまで結果が重要なトップアスリートにおけるものである。子供はそんなこと追求する必要はないし、過程を大切にすべきである。
ありがとうございます。本を読むのに使わせていただきます。