配信朗読劇onetake「真っ赤なひとみ」脚本(決定稿)
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あらすじ
2032年。
海を渡ったある国で疫病が流行り出す。
その疫病は、死に至り、蘇り、肉を求めると言う。
どこにでもある街の、どこにでもいる親子。
どこにでもあるはずの世界の、これからあるかもしれない物語。
少し前に閉鎖された街で、
塀の中に聳え立つビルを見上げるのは暁月みのり。
彼女の手にはまだ感触が残っていた。
幼いときに手を伸ばしたラベンダーの感触も、母と繋いだ手の感触も、父の横で握り締めた真っ白な錠剤の感触も。
色んな感触を残したまま大人になったみのりは、
高い高いビルを見上げて願う。
世界を崩壊させた者の世界が、崩壊しますように…と。
凶手とは、人ならざる者とは、母とは、父とは…家族とは。
形を変えてもなお家族でありたいと願ってはダメですか?
「ねぇみのり…もうすぐ…会えるね」
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