虚無演出の功罪(23.02.26)

・テニミュ氷帝東京凱旋! 始まりました! 声出しは解禁となり、選手宣誓でみんなの名前を呼べるように。ちょっとまだ遠慮してしまうけど。でも楽しい!

・菊丸役の富本惣昭くんが怪我をしてしまったので、事前にこういうアナウンスがあった。

・声のみでの出演・一部演出を変更しての上演、である。しかし菊丸は今回ガッツリ試合があるためどうやって成立させるのかと考えていた。

・以前、ルド吹で伊武深司役の土屋直武くんが出演できなかった時は、歌唱でソロがある部分は録音音声の歌声とスポットライトで押し切って、合間で試合の入るところは神尾がシングルスとなっていたような気がする。伊武はメインで戦うわけではなかったし話もギリわかったから良かったと思うのだが、今回……。

・菊丸は声だけ聞こえる(舞台袖から声を出しているらしい)透明人間状態で、周りのみんなが虚無に向かって演技していた。私たちのような通ってるオタクは菊丸がどこにいるかわかるから良いのだが、観客にはもちろん初見の人もいるわけで、そういう人には意味がわからないだろ……と少しモヤモヤした。初見じゃなくても多分意味がわからない。アクロバットプレイにみんなが驚いても、肝心のプレイが見れないのだ。一つの舞台として見た時、ギリギリ成立していないと思う。
 それだけでなくて、序盤に菊丸と大石が喧嘩するくだりがあるのだが、それも舞台上に菊丸がいる前提で行われるので、「俺らに見えない『何か』が青学テニス部には見えている」という違う話の導入みたいになっている。

・ただ、富本くんの声演技がとても上手いことはわかった! 本当にその場で演じてるのと全く同じ声を出してた。あと周りのキャストも菊丸の姿を見せるため自然な演技をしていたし、たくさん工夫をしていたと思う。
 それだけに、キャストばかりが頑張っていて演出側の努力が足りないように感じてしまう。キャストに頼りすぎではないかと……。試合中だけでもボーイズに菊丸の体をやらせて富本くんが声当てるとか、だめか? 喧嘩のシーンは客席に向かって大石が会話する形に、それで不自然でないように脚本を変えるのもできなかったか?
 あとベンチワークは無理に菊丸の存在前提にしなくて良いのでは……と思った。

・多分、「富本くんが演じる菊丸」をオタクに見せるのを、舞台として仕上げることより優先させた結果なのだろう。確かにそういうスターというかショー的な部分もテニミュの魅力ではあるのだが、「初見でもそれなりに話がわかる」ことも魅力だと思うので、こういう非常事態にまでも前者を優先させなくていいのに、と思った。

・うーーん! なんか色々考えちゃってひさしぶりに1,000字行ったぞ。それ以外はメチャ楽しんでるので! 今日も行くぞ行くぞ行くぞ!

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