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【コロナ分散登校】クラスの半分の子がオンライン参加、もう半分の子が教室で参加のハイブリット型授業で子どもを集中させる5つのスキル!

そもそも、「ハイブリット型授業」ってなに!?

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※オンライン会議システム「ZOOM」を使用した場合を想定しています。
※ギャラリービューというのは、オンライン参加の子を画像のように一覧で見ることができる機能のことです。

このように、クラスの半分の子が「教室でリアルに授業に参加」し、もう半分の子が「自宅からオンラインで参加」というような方式で行う授業のことです。

コロナの感染拡大が収まらず、全国各地で夏休みの延長や分散登校・オンライン授業が広まっています。

分散登校で不安視されるのは、授業の進み具合です。さらには、学力差です。しかし、ハイブリット型授業を行うことができれば授業の進み具合の不安も解消されます!

と・・・簡単にいいましたが

ハイブリット型授業は、一筋縄ではいきません。なので、ハイブリット型授業を成功させる5つのスキルについて解説してきます!

ずばり・・・ハイブリット型授業を成功させる5つのスキルとは

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①オンライン参加の子に、先生からみられている実感をもたせる

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教室で授業をする際には、実際に目の前の子と目を合わせればよいです。でも、オンライン参加の子と目を合わせるにはカメラを見る必要があります。

しかし・・・カメラを見たからと言ってオンライン参加の子が見られている実感をもてるわけではありません。
カメラを見ても誰が見られているのかは、オンライン参加の子にはわからないのです。
なので、早めに個別の指名に移るべきです。
オンライン会場の子を早めに個別指名する。
こうすることによって、オンライン参加の子も先生から見られている実感をもつことができます。

②オンライン参加の子に、教室に自分声が届いている実感をもたせる

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個別指名した後には、個別に評価言・評定が必要です。
評価言・・・教師の声掛けのこと
評定・・・ある尺度に従って評価決定すること
それぞれ、上記のような意味があります。
具体的に何が言いたの!?とツッコミがありそうですが

例えば、次のようなことです。

教師「ZOOMで参加のAくん、読んでみて」
Aくん「ふるふる ふるふる 雪が降る」
教師「Aくん、上手だなあ!」(評価言)

これで、Aくんは会場に声が届いている実感をもちます。
さらには、次のようなことも必要です。

教師「ZOOMで参加のBくん、読んでみて」
Bくん「水はつかめません」
教師「10点満点中3点」(評定)
教師「Cくん(リアル)読んでみて」
Cくん「水は つかめません」
教師「10点満点中10点!」
教師「ZOOMの人もリアルの人も、みんなで読みます。
   さんはい!」

評定があることで、Bくんも会場に声が届いている実感をもちます。
さらに、リアル会場のCくんとの読み方の比較に入ります。
こうすることで、リアル・オンライン会場でツーウェイのやり取りになります。

③オンライン参加の子と教室へ出す、作業指示を分ける。

2021年8月20日 群馬谷セミナー事後会「ハイブリット授業のコツ」

作業指示と言うのは、「賛成か反対か手をあげます」「ノートに書きなさい」のような子どもに何らかの作業をさせる指示のことを言います。

教室では、ノートに書かせて板書させれば意見の共有は即座にできます。
しかし、オンライン参加の子の意見をどのように共有すればよいのか。
これについては、まだまだ議論の余地があります。

ZOOMのチャットに書かせるのなら、次のような授業展開がありえます。

教師「写真をみて分かったこと・気づいたこと・思ったこと
   なんでもいいから書いてもらいます。
   教室にいる人は、ノートに書きなさい。
   ZOOMにいる人はチャットに書きなさい」
教師「教室の人、ノート持っていらっしゃい」(黒板に書かせる)
教師「それでは、ZOOMの人から読んでもらいましょう。
   ○○くん」

上記のような展開にすれば、意見の共有もスムーズにいくと思います。
しかし、デメリットもあります。
一番大きなデメリットは、オンライン参加の子の意見が手元に残らないことです。
これを解決するためには、やはり一人一台タブレット端末の活用をする必要があります。

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教室の子もオンライン参加の子もタブレットで共有化された
ジャムボードなどに書き込みをすればよいことになります。

④オンライン参加の子が授業に参加できているか小刻みに確認する

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教室だったら、目線を飛ばせばある程度教材の有無は確認できます。
しかし、オンライン参加の子がが教材をもっているか即座には確認できません。それなりの作業指示が必要になります。

教師「教科書両手で持ちます。
   先生に見せてごらん」(確認の指示)
教師「お!ZOOMの中ではAくんの1番!
   教室では、Dくんが早かったねえ」(評価言)

上記のように、確認の作業指示が必要です。
さらに、評価言も付け加えることで見られているという実感をもたせます。
冒頭でも述べたように、ここでも早めに個別の対応に移るというのが大切です。

⑤オンライン参加の子と教室の子の両方に先生の圧が届く立ち位置を見抜く

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ここでいう「圧」というのは、決して「圧力」という意味ではありません(笑)先生があなたのことを見てるよ・近くにいるよという人間の暖かさだったり、少しの緊張感を与えたりする「先生の存在感」のことを言います。

教室でハイブリット型授業をする時、カメラは教室の一番後ろにセットすると思います。

ここで、大切なのは「ギャラリービュー」を教室のスクリーンに投影しておくことです。オンライン参加の子が見られていると実感するのは先生がギャラリービューの近くに来たときです。
先生がカメラ目線であることは重要ですが、誰が見られているのかはわかりません。
なので、①オンライン参加の子に、先生からみられている実感をもたせる
の解説の中で「個別指名した後に、個別に評価言・評定が必要です。」と書きました。

この個別の対応に移った時に、指名されていない子はどうなるのでしょうか。集中して授業に参加してもらうには、指名されていない子にも、見られているという実感をもたせなければならなりません。
なので、折に触れて先生がギャラリービューの近くに行きオンライン参加の子に声をかける必要があります。
先生がギャラリービューを見て、オンライン参加の子の様子をみていることをカメラに写して伝えなければなりません。
これは、会場の設計を工夫すれば解決できることです。
黒板の横にギャラリービューを写せばよいです。
そうすれば、立ち位置も大幅に動かさなくてもギャラリービューを教師が見ている様子を写すことができます。

しかし、ここで難しいのは子供がオンライン参加者に語り掛ける時です。
子どもに前を向いてしゃべらせてもオンライン参加の子には後頭部しか見えません。
なので、全員後ろを向いてしゃべらせる必要があります。
教師の立ち位置もカメラの真横にするなどの工夫が必要です。
討論の授業の時などに必要になってくるスキルになります。

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