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離婚して、人生置いていかれた

離婚して振り出しに戻った、そう思った。

23歳で婚約して24歳のときに結婚した。周りと比べると随分と早かった。この先何十年もこの人と添い遂げるのだという実感はなかったけど、ひとりの人生じゃないことに安心した。同時に女のライフステージを着実に進んでいることへの安堵もあった。これからの人生を何となく描ける状態にいる自分にも満足していた。漠然とではあるけど、確かに、私は幸せのスタートを掴んだのだった。

離婚と同時に私はその全てを失った。結婚そのものである生活も、結婚というもので得た安心や安堵も、結婚で保証されていたはずの未来も、私の手から全てが消えていった。紙切れ1枚で、私の人生は変わった。いや、私の人生が大きく崩れた。

私の生活はベッドのない寝室のようで、軸を失った時計のようになった。既婚者という社会的地位に隠されていた傷が生々しくむき出しになって、自分で自分の傷を許せなくなった。想像する未来は何の制約もなく自由で、自由という言葉が不自由になっていった。何を選択しても誰にも何も言われないって寂しい。毎日が長くて、息苦しくて、重たくなった。空はいつだって綺麗なのに、広すぎて不安になった。

27歳、周囲は結婚と出産ラッシュ真っ只中。インスタを開けば毎日のように結婚報告や出産報告がアップされる。ストーリーには、きれいに盛り付けられたご飯や、可愛い赤ちゃんにペット。久々に連絡をくれた友人からは結婚式に誘われた。全く優しい気持ちになれなかった。

「あ、私、置いていかれた」、そう思う日が増えた。誰よりも先にスタートダッシュを切った私を、みんなが追い越していく。笑顔で次に進んでいく。私は人生ゲームでハズレコマを踏んだかのように振り出しに戻って、これからみんなを追いかける立場になるんだ。そう思うと今すぐにでも寿命が来ればいいと思った。これからの人生が重かった。

とりあえず友人の勧めで始めてみたマッチングアプリで何人の男性に離婚理由を説明しただろうか。初めて会う人に、いや、会ってもない人にまで、私の大切な結婚生活について話さなくちゃいけない世界線って何だ??累計いいね数のランキングが上がる度に惨めになっていく気がした。速攻飽きた。というか疲れてしまった。

こんな孤独に襲われるなら離婚なんてしなければ良かったのだろうか。いや、そうじゃない。悩んで悩みきった結論だったんだから、あの頃の私たちには離婚が必要だった。結婚も間違いでなくて、離婚も間違いじゃなかった。今でもそう思うし、これから先、万が一同じ人と一緒にいることになったとしてもあの時の選択は間違ってなかったと思う。

周囲はいつだって騒がしい。その騒がしさに踊らされてしまうのが人間である。だから誰かに、何かに、守ってほしくなるのだ。その騒がしさに心を傷めないように、その騒がしさに見向きもしないために、守ってほしくなるのだ。雑音は消えない。本当は存在しない幸福の競争も、目の前から消えてはくれないのかもしれない。

私たちは何に縛られて生きているんだろう。何に焦らされて必死になっているんだろう。私の人生は、私でしかないのに。同じ人生なんて1つも存在しないのに。どうして優劣があるように見えて、勝ち負けがあるように見えてしまうんだろう。どうして人の幸せを喜べなくなるんだろう。どうして自分の幸せをものさしで測ってしまうのだろう。

人の選択の数だけ幸せは存在していて、どれも間違っていないし等身大の自分が選んだ答えが正解。そんなの綺麗事で、現実世界では難しいことばかりだけどそう思いたい。同時になにかに保証される幸せなんてこの世に存在していないということにもなるね。人生そう甘くないみたい。

あんなに誰かに夢中になって、この人しかいないと確信して、結婚が夢の始まりのような恋愛は、もう一生できないと思う。だけど、私は私のペースでもう1度私なりの幸せを手にする。結婚生活っていいもんだよ。私は好き。

みんなもオリジナルの幸せ見つけていこうね。ひとりで生きている人はいないから。今日の小さい幸せ見つけながら、その延長線上にちょっとずつ未来を作っていこうね。

また私のペースで書きます:D
おふたりトークもよろしくね〜!

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