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とある閉鎖病棟からの手紙

わ〜い。このアカウントでnote書くの久しぶりだ!うれしい。残しておきたい印象的なことがあったので書きます〜

とある日。スマホに非通知で電話がかかってきて、普段は出ないのに何故かその日は電話に出てみた。話してみると、電話の相手はピアサポートでよくやり取りをしていた摂食障害の子だった。閉鎖病棟に入院したらしく、スマホが手元にないそう。

「伝えたいことがあって手紙を書きたいから、住所を教えてほしい」

数日後に手紙が届いた。11枚の便箋が入った封筒はとても重かった。そこには入院生活での様子や、ごはんが少しずつ食べられるようになったこと、家族の問題と向き合って闘っていることがびっしり書かれていて。彼女がこの数カ月間どれだけ自分の内面と向き合って、対話をして、覚悟を決めて、行動しているかが記されていた。

中には私にしか話せなかったことを病院の先生に打ち明けられた話や、家族に手紙で伝えられた話も書かれていた。それだけの存在にさせてくれたこと、私だけではない頼り先の分散ができていることに心底頑張ったね、と言いたくなる。

秘密は隠せば隠すほど自分の中で大きく雲がかっていく。言ってしまったあとのリスクを恐れて、隠して、抱えて、一人で独りきりになってしまう人は多い。実際私もそうだったな。

お母さんのため、友達のため、彼氏のため、と言いながら、本当は自分を守るために。秘密を打ち明けて独りぼっちになるんじゃないかという恐れが口を紡がせていた。自分を守るために自分を殺し続けてきた。

丁寧な字で書かれたその手紙を読んで、「自分の人生を作り始めてるんだなぁ」と感慨深くなってね、摂食障害という表面上のバグではなく根幹に眠る人生に真剣に向き合って立て直そうとしている姿が、今までのどんな彼女よりも強くて頼もしかった。

摂食障害は、自分の人生を自己選択できない人が多い。多いというより全員がそうだと思う。他人や世間の指標で生きていて、気づいたら自分は置いてきぼりになっていて、大切にできなくなっていて、心身がエラーを起こしている状態。それが摂食障害。

摂食障害はその症状が酷いものが故に、症状ばかりに気を囚われやすい。私への相談でも、「どうしたら症状を止められますか」という主旨の相談が圧倒的に多い。

摂食障害は結果であって、見つめるのはそこじゃなくてね。何で摂食障害が必要にならなくちゃいけなかったのか、治すヒントはそこにあるのだと思う。

強い仮面を被ったボロボロの女の子がとても多い。頑張り屋で、負けず嫌いで、理想が高くて、完璧主義。揃って首を横に振られるけど、私のもとにはそういった女の子がよく相談に来てくれる。

好きなことを聞いても、分からないと答える人もある一定数いる。何をしているときが楽しいかも分からない人も。あるのは義務感と焦燥感だけで、毎日をなんとか生き繋いでいる人も多い。

一見「普通の人」だから、理解されるハードルはおろか、打ち明けるハードルだって高い。ひどいときには、「私も痩せたいから摂食障害になりたい」なんてブラックジョークをかまされることだってある。まだまだ理解が浸透しない病気だな、とつくづく思う。

話は逸れたけど、その子からの手紙が本当に嬉しかったので久しぶりに摂食障害について考えた。だからnoteを書いてみた。ありがたいことだね。

私は、摂食障害を持つ子に「治ってほしい」と思って接していない。「どうか、自分の人生を歩んでね」と思いながらいつも接している。ピアサポートでもそのスタンスなので、私のカウンセリングで摂食障害の話が一切出ない人もいる。

私は無力に近い存在だけど、その無力を認めたあたたかさで摂食障害と闘う人に向き合っていきたい。一人で独りにならないでね、って言い続ける人でありたい。

私のピアサポートを受けた方なら住所教えるので、文通したい人はTwitterのDMから連絡ください。ピアサポート受けてみたいなって人はTwitterのプロフ欄から連絡ください。平日でも土日でも対応するヨ。

仕事が落ち着いたらまたイベントとか講演とかやりたいなぁ。まずは私も自分の健康を第一に省エネ運転してるので、落ち着いたら!!

久々に昔の動画貼っとく!

ではでは、みなさんご自愛くださいね〜🌸

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